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金9:金の加工技術(鍛金)

おはようございます。
今日は雲はところどころあるけれど、それを避けてお日様が顔を出していて気持ちの良い晴空。

さて、金属が持つ「熱すると溶ける」「たたくと薄くのびて広がる」という特徴をうまく生かしてつくられる工芸品、金工。その制作工程の、鋳金、鍛金、彫金の3つの技術に関してそれぞれ掘り下げて見ていこう。
昨日の鋳金に続いて、今日は鍛金を掘り下げよう。

鍛金

金属の叩くと伸びて広がるという特質をいかした作り方で、この技法で作られた作品を打物と言う。
金属はそのままでは硬いので、熱してやわらかくして叩くという作業を何度も繰り返す。木台の凹部の上で、板状の金属を金槌や木槌で叩いて延ばしたり曲げていく。その後当金といういろいろな形の鉄の棒を木台に挿し、だんだんと形を作っていくのだが、ひとつの作品ができあがるまでには何万回も叩く。
一般に金属塊を叩いて薄い板金をつくり成形する技法を「鍛造」と言い、金属板を表と裏から打って立体をつくる技法を「鎚起」と言う。鉄を鍛錬して日本刀を作る技術は「鍛冶」と呼ばれ、ここで言う鍛金とは区別されている。

鍛金の工程

  1. バーナーなどで約600度~700度で熱する

  2. 木台の凹みに乗せて金づちで叩く(張り出し)

  3. カーブに合わせた当金の上で金槌で叩く(絞り)

  4. 道具を使い分けながら何万回も叩いて完成

こうして作られる鍛金による作品には、厚みが薄く、軽くて丈夫という特徴があり、壺や皿、花瓶、銅鑼などの器物が作られる。叩いたことがわからないくらいに滑らかに仕上げたり、叩いた跡を敢えて残すことにで味のある仕上がりにもなる。
鍛金でつくる主な模様には、接合せ・木目金があります。

接合せ

矧合せ(はぎあわせ)とも書く。
パッチワークやストライプのように、ちがう金属の板をくっつけてたたき、形をつくりだしたもの。

木目金

杢目金とも書き、もくめきん・もくめがねと読む。
木目金とは木目のような模様に仕上げる技法。種類の異なる金属を複数枚重ね、熱で溶着させたものをたたいて伸ばし、木目模様が出るように鏨(たがね)で削る。この地金をさらに叩いて形をつくります。


*上記の情報は以下のリンクからまとめています。

一枚の平らな金属の板から一回一回コツコツと叩きながら凹凸が出来上がり立体になる技術はまるで魔法としか言いようがなく、その表面に模様を施していく技術はとても緻密で精巧で息を呑む。細やかなカーブも作られることで硬い金属なのにも関わらず、とても柔らかな素材や生き物が表現されるのも見どころだと言えるだろう。道具となる金属を熱するバーナーと叩く道具以外は、素材である金属と職人だけという極めてシンプルで、だからこそ職人の技術とこだわりが堪能できる技術だと言えるだろう。


僕は幸せになると決めた。
今日もきっといい日になる。
一歩一歩、着実に歩もう。


皆様も、良い一日を。

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