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螺鈿11:螺鈿の名産地

おはようございます。
今日はまた一転眩しいくらいの晴れ空で暑くなりそう。梅雨とやらはどこへ行ったんだ。

昨日見てきた螺鈿の歴史を踏まえて、今日は日本の産地を見ていきたい。

琉球漆器

14世紀頃の琉球王朝時代から沖縄県でつくられている漆器で、加飾技法が多種多様なところが特徴といえますが、その中に螺鈿も含まれる。
螺鈿細工の原料となるヤコウガイは、かつて琉球弧の先史時代から古代(沖縄貝塚時代 - グスク時代)にかけて、日本本土との交易品として重要なものだった。15世紀から16世紀になると螺殻(夜光貝の殻)や螺鈿器が多く輸出されるようになる。15世紀の琉球の螺鈿法は明らかではないが、16世紀後半には貝摺奉行が設置され琉球の主要な工芸品となった。琉球螺鈿は中国の薄貝螺鈿法が強く影響しているが、一方で紅漆螺鈿のように琉球螺鈿に独特の技法も生まれた。
沖縄県の県花「デイゴ」や「シタマキ」「センダン」など沖縄ならではの暖かい気候で育った木々が木材となり、絵柄も「ハイビスカス」「ユウナ」「ゴーヤ」「龍」など沖縄特有の自然や文化をイメージしたデザインが施される。

長崎漆器

1587年頃に長崎でつくられ始めた漆器。螺鈿を取り入れた長崎漆器は「長崎螺鈿」とも呼ばれ大量に輸出された。
19世紀以降は色漆を塗ったりする「伏彩色(もしくは色底螺鈿)」が発展し、貿易が盛んだった場所ということもあり海外の作風や技法の影響を受け、絵画のような芸術を感じる表現が特徴の螺鈿作品がたくさん生み出された。
蒔絵漆器に比べると手が伸ばしやすい価格で、尚且つ見た目も美しい螺鈿家具は人気を博した。

高岡漆器

1609年に富山県高岡市でつくられ始めた漆器で、代表的な技法に「青貝塗」「勇助塗」がある。
「青貝塗」は薄貝法のような技法を指し、「勇助塗」は石井勇助という人物が編み出した唐風の意匠に錆絵や箔絵を描き、薄貝・箔絵・玉石などを施す総合技法のことをいう。
薄貝の特徴を巧みに活かし、錆絵や色漆などと組み合わせて高岡独自の繊細華麗な螺鈿漆器をつくり上げた。

また、お隣韓国でも螺鈿の文化が残っている。

朝鮮半島

螺鈿工芸は唐代に統一新羅時代(6~7世紀)の朝鮮半島に伝わった。正倉院で保管中の百済の木畵紫檀碁局、蒲柳雑樹水禽文螺鈿描金香箱、螺鈿漆花文箱などの作品がある。
高麗の時代には薄貝螺鈿を特徴とする高麗螺鈿がみられるが、技法の発生や伝来は不明で、遺例から中国の元代螺鈿よりも遡る可能性もあるとされている。
李氏朝鮮でも重要な漆工芸の技術だったが、高麗螺鈿を継承した形跡がなく、初期の李朝螺鈿はやや厚手の貝片を用いて独特の曲線をもつ牡丹唐草が主流だった。
現在の韓国の螺鈿は、日本のものと比べ色使いを含め螺鈿のインパクトが強い作品が多く、部分的というよりは全面的に埋め尽くす形が多く、より螺鈿を加飾素材として全面に打ち出す形になっている。


*上記の情報は以下のリンクからまとめています。


僕は幸せになると決めた。
今日もきっといい日になる。
一歩一歩、着実に歩もう。


皆様も、良い週末を。

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