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起業における2つのベクトル #1

令和元年5月1日からnote で起業や事業承継についてのお話を書き始めます。

私は1997年にインド紅茶の輸入・ネット通販会社を起業し、21年間経営しました。過去形なのは、2017年3月に事業譲渡したからです。事業譲渡した理由は、週一回昭和女子大学グローバルビジネス学部で「スモールビジネス論」を教える経験をして、自分のビジネス経験を人に伝えることの方が、このままビジネスを続けるよりも意義を強く感じるようになったからです。

21年間の会社経営の間には公私ともにいろいろとあり、起業して5年目に千葉県から長野県に家族5人で移住しました。その後、子供3人は大学進学を機に巣立っていきました。3人の子育てが終了したことも、ビジネスを事業譲渡して新しい段階に進みたいという気持ちを後押ししたと思います。

さて本題に入りますが、起業においては2つのベクトルがあると私は思います。一つは起業して大きな会社にすることを目指す、すなわち「ベンチャー型の起業」です。もう一つは「スモールビジネス型の起業」で、今までやってきた事業を独立してフリーランスになったり、規模を大きくしないで手堅く事業を行うことです。後者は「ブティック型(限られた財・サービスを特定の顧客にだけ提供する)の起業」とも言えます。

「ベンチャー型の起業」はハイリスク・ハイリターンですが、「スモールビジネス型の起業」は比較的ローリスクで、リターンは事業によってそれぞれだと思います。

「ファウンダー」という映画をご存知でしょうか?マクドナルドの創業時のことを描いた映画で、起業に興味のある方はぜひアマゾン・プライムなどで観てください。カリフォルニア州の田舎町でマクドナルド兄弟が始めたハンバーガーショップは大変繁盛していて、当時としては革新的なビジネスモデルでした。そこを訪れたレイ・クロックがフランチャイズすることを提案し、やがて全米、全世界に広がっていく実話に基づく映画です。

マクドナルドの事例は、「スモールビジネス型の起業」がフランチャイズというシステムにのって「ベンチャー型の起業」となる珍しいケースです。

この2つのベクトルについては、まだまだ議論の余地がありますので、また来週以降にnote に書いていきたいと思います。

令和元年5月1日 巴創業塾主宰 藻谷ゆかり

#起業 #事業承継 #地方移住 #ビジネス