Yukari Katsura

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最近の記事

無機材料科学の宇宙を俯瞰したくて:Starrydataチームメンバー募集

桂 ゆかり 物質・材料研究機構(NIMS), 筑波大学(連携大学院准教授) データベース研究者になるまではじめに全体像から知りたい子供だったのでしょう。幼少の頃に宇宙に惹かれたのは、自分のいる世界がどうなっているのか知りたかったから。太陽系、他の恒星、銀河系、銀河団。そんな気の遠くなる空間・時間スケールをひととおり想像してから、ようやく周囲の人たちに興味を持ち始めた子供でした。大学は理系を選びました。そこは理系の話が通じる仲間がたくさんいて、とても楽しい場所でした。宇宙の研

    • 中学受験について上の子と話してみた日

      日曜日、夫と下の子が早朝から不在だったので、私と上の子(小5男子)の二人だけで話す時間がたくさんありました。そんな中、おそらくいい感じに将来の受験や勉強について初めてちゃんと相談することができたので、そのときの話の流れを文章に書き留めておこうかなと思いました。 1. 我が家の教育方針受験関係の話は家庭の教育方針によって大きく違うと思いますので、うちはこんな感じですよーというのを、一応共有しておきたいと思います。 親(私達)の経歴 夫と私の経歴は、幼稚園→公立小→公立中→

      • Starrydataのデータ収集プロジェクト一覧

        Starrydataプロジェクトでは、論文中のグラフから実験データを抽出して公開しています。このとき、論文の中のすべてのグラフを集めようとすると膨大な時間がかかってしまうので、研究プロジェクトの目的に合わせて、データ収集対象のグラフの種類を絞っています。 Starrydataのトップページにアクセスしたあと、ユーザーが自分のアカウントでログインすると、以下のDatabases画面が現れます。一番上にあるのがすべての登録データにアクセスできるGeneralデータベースです。そ

        • Starrydataプロジェクトとの共同研究

          Materials Informatics(MI)はデータ科学を活用して新材料を開発するという 新しい研究分野です。そんな中、私達のStarrydataプロジェクトに関心を持っていただき、共同研究を申し込んでくださる企業様やアカデミアの研究者様が多くいらっしゃいます。 そこで、Starrydataのプロジェクトリーダーである桂ゆかりや私達Starrydataチームが、どのような活動をしていて、どのようなコラボレーションができるかについてまとめてみました。 Starrydat

        無機材料科学の宇宙を俯瞰したくて:Starrydataチームメンバー募集

          研究紹介HPの一覧(Y. Katsura Ph.D.)

          物質・材料研究機構(NIMS)主任研究員の桂ゆかりです。Starrydataと名付けた論文データ収集プロジェクトや、CRESTの大規模新物質探索プロジェクトなどいろいろな研究活動をしておりますが、情報がいろんなHPに分散していてわかりにくいので、自分に関係する2022年1月現在のHPを、このnoteにまとめてみました。途中、雑談も交えて読み物のようになっております。 1. 研究者個人のHP1.1. Twitter 研究に関することも子育てなどの雑多なことも一緒くたにつぶや

          研究紹介HPの一覧(Y. Katsura Ph.D.)

          Starrydataプロジェクトへの思い

          過去の研究者の歩みを、データに変えて未来に繋ぐ世界のどこかの、私たちが名前も知らない研究者。 人類の役に立つ新材料を発見したいとの思いで、日々元素を混ぜては、条件を変えて日夜実験を行う。 そうして何年もかけて、ひとつの大切な試料が誕生した。測定してみると、今まで自分が作ってきたどの試料よりも特性が良い。他の誰かが作った試料の中には、もっと良い特性のものもあるだろう。それでも、こうして作れば特性は良くなるという自分だけのレシピは、報告しなければならない。 そうして大切な試

          Starrydataプロジェクトへの思い

          世界の材料科学オープンデータベースとOPTIMADEプロジェクト

          OPTIMADEは、フランスのGian-Marco Rignanese先生が中心となって進めてきた、世界の材料データベースを共通のコマンド体系(API)でつなぐプロジェクトです。 私はStarrydataという実験データのオープンデータベースを立ち上げて運営しているのですが、それがオープン志向でAPIを搭載した実験系データベースであったところから、2019年の国際学会でGian-Marco先生の目に止まり、OPTIMADEの会議への招待状をいただきました。 こちらの会議に

          世界の材料科学オープンデータベースとOPTIMADEプロジェクト

          「星展」に行ってきた話。

          ARTs*LABoさんが主催する、星展2020というイラストの展覧会に行ってきました。とても素敵な作品がいっぱいで、いろいろな発見がありましたので、長文になりますが書いてみたいと思います。 星展に行ったきっかけ小さい頃から宇宙が好きで、特に好きなのが、満天の星空の下で寝転がって、天の川を眺めることでした。そんな私は、研究の一環で作っているデータベースにStarrydataという名前をつけました。星空は暗い星がいっぱい見えるから美しい、だからデータベースも良いデータだけじゃな

          「星展」に行ってきた話。

          「#東京大学の研究をアートで表現しよう」アート x Starrydata のコラボ企画

          私は2015年から、世界の研究者で協力して論文に眠ったままのデジタルデータを取り出す、Starrydataプロジェクトに取組んできました。 このような新しいコンセプトを提示する研究は、たくさんの人を巻き込むためのパワーが必要です。それには理詰めで訴えるだけでは不十分で、心に訴えるための何かが必要です。 その1つの手段が、アートなのではないかと思っていました。そんな中、Twitter上の交流からスタートしたのが、アーティストさんたちとのコラボ企画:「アートx大学」です。

          「#東京大学の研究をアートで表現しよう」アート x Starrydata のコラボ企画

          Materials Informaticsの研究を支えてくれるWEBエンジニアを募集しています

          私、桂ゆかり(東京大学/物質・材料研究機構)が研究代表者を務める研究プロジェクト「CREST NX:新規結晶の大規模探索に基づく革新的機能材料の開発」では、Materials Informaticsと大規模合成実験を組み合わせることで、新物質を探索する研究に取り組んでいます。 特に力を入れているのは、物性研究とWeb技術を融合させることで、新しい研究スタイルを作り出すことです。そんな私達の研究プロジェクトをWeb技術で支えてくれる、Webエンジニア2名を募集しています。

          Materials Informaticsの研究を支えてくれるWEBエンジニアを募集しています

          Materials Informatics向けのオープンデータベース

          こちらのレビュー論文を参考にして、Materials Informatics (MI)に利用できるオープンアクセスのデータベースをまとめてみました。 Data-Driven Materials Science: Status, Challenges, and Perspectives Lauri Himanen, Amber Geurts, Adam Stuart Foster, and Patrick Rink, Adv. Sci. 6 (2019) 1900808

          Materials Informatics向けのオープンデータベース