見出し画像

裂き織りの話2 Trasmatta

こんにちは。前回の話でも出てきましたが、これからは裂き織りのことをスウェーデン語でTrasmatta(トラースマッタ)と呼ぶことにします。

そして今日はずっと遡って、Trasmattaが床に敷かれるようになる前の話をしようと思います。そうですよね、布の技術が浸透する前って、床にマットは敷かれていなかったわけなんですよね。
では床には何も敷いていなかったとか?

そんなことはなかったようです。

それでは見ていきましょう。

裕福な家庭では、カーペットは16世紀から17世紀にかけて限られた範囲で登場しましたが、ほとんどの場合、床はむき出しでした。 
一般家庭では、19世紀半ばまでカーペットはほとんど使用されていなかったそうです。

また農場では、住宅(小屋と呼ぶ方が適当かな)は人々が寝たり、料理したり、食べたり、さまざまな雑用、梳綿、織り、織り、彫刻、大工を行ったりする実生活の居間として使用されていました。(いつか住まいについても書いてみたいですが、今はちょっと先に進みます) 冬には、今みたいに暖房器具もなく、何部屋も部屋があったわけではなかったので、キッチンのある空間が唯一の暖付きの部屋であり、農民の家族、メイド、使用人の両方がそこに群がっていました。おそらく、鶏や子豚のような小さなペットもそこにいたでしょう。このようなひどく汚れた部屋の床は言うまでもなく、大規模な掃除はほとんどあり得なかったことは容易に想像できます。

smålänskJul   1785Pehr Hörberg, Nordiska Mussets samling

代わりに、彼らは週末になると大掃除、こすり洗い(såpa golvetソーパ ゴルベット)床をゴシゴシ硬い束子でこすります。そして刻んだジュニパー(ヒノキ科)、トウヒの小枝、または砂を床に振りかけました。(いろいろな臭いを消すためだともいわれています。。。。確かに一つの部屋にたくさんの人が密集していると、汗のにおい、油のにおい、家畜のにおい、、、、結構充満していそうです。)


そして一年で最も盛大なお祝いクリスマスの週末には、床に厚いわらの層が置かれることがよくありました。しかしこれは、火災の危険性のために反対され、最終的には中止された習慣だそうです。 蝋燭もともしていた時代、きっと良く燃えちゃったんでしょう。。。

真夏には葉や花を振りかけるか、他の週末には新鮮な香りを放つジュニパーを振りかけて床の汚れを目立たなくそしてジュニパーの香りを部屋に香らせていたそうです。この慣習は、19世紀後半にラグラグが一般的に普及するまで存続しました。

現在でもクリスマスの時期になると、その昔の伝統のように納屋や外の小屋の床に藁やトウヒなどを敷いている光景をよく目にします。でも、これは当時の床の冷えを遮る断熱としての役割ではなく、デコレーションとして楽しむ習慣として残っています。 

クリスマスの時期のトウヒの香りとホットワイン。MYSIGT(ミーシット、雰囲気がある)です。

 Julhalm är utspritt på golvet i en stuga 1903. © Gustaf Ewald/Vänersborgs museum


北欧のクリスマスの雰囲気
本物のクリスマスツリーを飾る家庭も
少なくありません。


 マットを敷く前の歴史はあまり知られていないのでとても興味深いですよね。  次回はようやく Trasmatta ができる話し。 ができるかな。


 読んで頂きありがとうございました。
  感想(個人的にメッセージでも)や❤️を頂けると 調子があがります。

ではまた。



参照
Trasmattsvävar  Mönster från föreningen Hälsineslöjd Mfl  


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?