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【R. シュタイナー『魂のこよみ』】7月第2週

第14週

開かれる感覚に夢中で
私は 自分自身の衝動を見失っていた
思考の夢は 朦朧とする私から 
私自身を奪い去るようだった
けれども 感覚の輝きの中で
すでに世界の思考が 私に近づき
私を目覚めさせようとする

”Vierzehnte Woche ”(Steiner, 1912)
訳:yuka ogiso

白く輝く光に全身をゆだね
世界に融解した私は

あなたとイコールの
未分の境地で

いつしか
私なるものの苦味を忘れていた

思考は 朝に消えてしまう夢のように
形を成しては解けていく
イメージの戯れ

掴もうにも像を結ばず
あるいは
その結ばなさが心地よかったのかもしれない

そこへふと
舌の奥に感じる ほろ苦さが
微睡む私を揺さぶる

書庫の奥の奥で
長いこと顧みられず
埃をかぶった分厚い書物──

身に覚えのない像が
脳裏に浮かんで離れない


※Rudolf Steiner,
Anthroposophischer Seelenkalender:52 Wochensprüche
Rudolf Steiner Verlag, Dornach(Schweiz)
1912-1913/2016

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