見出し画像

26歳だった年

25歳の子が、「もうアラサーやん〜(笑)」と嘆くのを見るのが好きではない。四捨五入を律儀に行えばの話であって、ぜったい言いたいだけやろう。
そういえば大学生のときも、上回生が「わたしらおばさんやから〜」みたいなことを言うのがいやだった。はたちそこそこで何を言うか。
対して27歳は、いよいよ真顔でアラサーだ。

加齢に対してネガティブな感情はいっさいないのだが、「思ってた27歳と違う」という点において慄いている。なんというか、もっと精神的に安定していて、自由に使えるお金もいっぱいあって、キラキラ!自立!みたいな感じじゃなかったのか。
イメージとはほど遠く、依然として不安定なまま、わたしは27歳になった。

私生活では特に何事もなく状況も変わらず、おだやかに過ぎた一年だった。
26歳だった年の主なトピックは仕事まわりのこと。



仕事の話

26歳になった直後に今の会社から内定をいただき、念願叶って9月から出版社で働きはじめた。
奇しくも昨年の誕生日に書いた記事で目標と掲げた、2022年中の転職が実現したのだった。それはイェーイ!

あこがれが大きいぶん、当然理想と現実は違うはずだと、くどいほど自分に言い聞かせて飛び込んだ業界だったが、それでもやっぱり想像できていなかったことはたくさんあった。

本にかかわる仕事をしたい一心での転職だった。
しかし、本にかかわるためには、その手前で人とかかわる必要があるのだという至極まっとうな事実。そして自分は人と接するのがあまり得意ではなかったはずでは……?という、大前提の事案にぶち当たるなどしていた。というかぜんぜん今もしている。

人と接するのが苦手、を突き詰めると、人と接しているときの自分が好きではない(ことが多い)、にたどり着く。相手が悪いわけではなくて、思うようにふるまえない自分に耐えられないのだった。
話す言葉は口から出た途端、意図していたのとは違うふうに響く。そういうことが言いたいんじゃなくて、こんな声音を出したいんじゃなくて、ああなんであんなこと言ってしまったのか、のオンパレード。複数人での集まりは、ひとり反省会までがワンセット。前職でも何度頭を抱えただろう。

また、今の仕事に就くまでは、感情のやりとりだけを目的とした中身のない会話やふるまいを忌避してきた。ひとめで嘘とわかる空虚な高笑いとか。大げさな相槌とか。それこそ天気の話題とか。
相手に媚びず、おもねらず、沈黙を恐れず悠然と構え、あとから頭を抱えてしまうような余計なことは言わず、選び抜いた言葉で的確に思いを伝える人でありたいと願ってきた。

でも、そういう感情のやりとりってばかにならないのだなと今は心から思っている。
意を決してテンション高く発した「暑いですね〜!!」から話がはずんだ経験も多々。そんな自分は傍から見たら滑稽かもしれないけれども、不本意なことをやってみることから始まることもきっとある。

不本意なことはやりたくないという思いは今もずっと変わらないが、実際問題、やらざるを得ないシーンもたくさんある。
どうせやるならおもしろがれたらいい。そこから生まれる自分の変化も含めて。



とはいえ、この一年で書店営業としての基本装備は、いくらか手に入れられたのではないか。
生まれたての赤んぼうが寝返りを打てるようになり、立って歩けるようになり、言葉を覚えておしゃべりができるようになり、人間としての基本装備をひとつずつ身につけてゆくように。最低限かもしれないけれども。

基本装備を身につける過程は、今思い返せばたのしかった。
毎週のように、先週できていなかったことができるようになっていく。なにもかもできない状態だったから、できた、という原始的なよろこびを感じやすかったのだろう。

できた、を感じにくくなってきた目下の課題は、いかに最低限を上回る仕事をできるようになるかいうことだ。
契約社員として去年から働いてきたが、9月から正社員になることが決まった。大変ありがたいことに、期待してもらっているのだと思う。

人が行動する理由は、突き詰めると「快追求」か「苦痛回避」のどちらかなのだと、最近読んだ本に書いてあった。
今のわたしは圧倒的に後者だ。前例のない正社員化に向けて尽力してくださった、上司の期待を裏切るわけにはいかない。丁寧に指導してくれた先輩に失望されたくない。

やりたいかどうか、できるかどうか、向いているかどうか、もう悩んでいる場合ではないのだ。例えやりたくなくてもできなくても向いていなくても、自分で決めたのだからやるしかない。
もう退路はない、と強く感じていて、その感情は、仕事も決まっていないまま同棲するために東京を離れたときのものに似ている。そんな切羽詰まった様子のわたしに、恋人はよく「搾取だけはされるな」と言う。

せわしない日々の中で、あれほど出版社で働くことに焦がれた自分のことをわすれる。今はもう別の人みたい。うまく思い出せないというよりも、当時の思いと今の仕事が結びつかないのだ、正直なところ。
そこを考え出すと、上に書いたやるしかない的な意気込みがぶれそうになるので、あえて見ないようにしているのかもしれない。今は目の前の仕事に力を尽くすこと。ちゃんと一人で歩けるようになってから、その次のことは考える。



最近好きなもの

また新しいバンドを好きになった。ズーカラデルという。
わたしが知らなかっただけで、すでに相当有名だったらしい。YouTubeの動画は数百万回再生を突破していた。

Apple Musicのプレイリストでたまたま耳にした「夢が覚めたら」という曲にぴんときて、これはと思って聴きはじめたらあっというまにハマってしまった。
飾りけのないまっすぐな歌声と胸に迫る素直な旋律が良い。あと皆さんのビジュアルも好き。

かつて急激な勢いでバンドにハマって急激に冷めた経験があるので、今回は気をつけて慎重に好きになろうと思ったけれども、それはちょっと難しかった。全アルバムを聴き込んで歌えるようになるまで、さほど時間はかからなかった。
でもそのマインドの名残で、まだメンバーの名前は知らない。



今の楽しみ

丸亀製麺のうどん券を集めること。

毎日外回りで外食せざるを得ない身にとって、丸亀製麺ほどありがたい存在はない。もっとも安い釜揚げうどんの並は340円。かけうどんは390円。ねぎと天かすと七味と生姜、無料でのせられるものは全部山盛りのせて食べるのが好き。
それからサイゼリヤ。でも無料の粉チーズが有料になってしまったらしい……。ドリアやハンバーグに唐辛子フレークと一緒にどさどさかけるのが大好きで、食べ応えを増すためにもすごくありがたい存在だったので残念だ。何の話?

うどん券の存在は知っていたけれど、結局集まる前に期限切れるしなと思って、本腰を入れて集めようとしたことはなかった。
3枚たまるとトッピング、5枚たまると天ぷら100円引き、10枚たまるとうどんが一杯無料でもらえる。

少し前になんとなく思い立ち、恋人の協力も得つつ集めてみたところ、はじめて5枚ためることに成功した。うれしい!
天ぷらは、野菜のかき揚げとかしわが好き。7月中にわすれず使うこと。



27歳でやりたいこと

・仕事がんばる
・近隣のカフェをもっと開拓する
・本をたくさん読む
・おまもりになるようなピンキーリングがほしい
・マルニのお財布ほしい
・イヴ・サンローランのファンデほしい
・NARSのリフ粉ほしい
・コスメデコルテの美容液…

サムネイルは、今年最速でお祝いしてくれた友人たちがくれた花束。

なんてかわいいお花なんでしょう。調べても名前がわからんかったんやけど、百日草かな?
よーく見ると、花びらの表面がパールがかっててすごく心ときめいた。ありがとうね〜🪷🤍

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?