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ごはんと日々:10/4〜8

10月4日(月)

大阪行きの電車に乗り、進行方向に向かって左側の席に座っていると、窓の外にこんもりとした山々が見える。
ここ最近はすこんと晴れた日が多いので、空の水色と山の濃い緑が為すコントラストがすごく綺麗。

日曜の夜は週末の名残りで例外なく夜更かしをしてしまうので、月曜の朝は毎週例外なく眠い。
スヌーズをくり返すアラームの音をベッドの中で聴きながら、このまま仕事をさぼって眠り続けることができたらどんなにかしあわせだろうと、うめくように思うけれども、そのようにして手に入れた幸福は長くは続かず、せいぜい午後にはさぼってしまった罪悪感と収入が減ることに対する後悔でいっぱいになることが目に見えているため、あきらめてわたしは起き上がる。

昨日は、大好きなちいかわのイベント「ちいかわの森」へ行った。

写真をたくさん撮り、我慢しながらもいくつかグッズを買い込んだ。
三色ボールペンと小さなフィギュアは職場で使う、バッジはお弁当バッグに付けた。こうやっておまもりを増やしながら日々を生きていくようにする。

こういう風になってくらしたい……。

昼 お弁当。冷凍竜田揚げ、めんつゆ和えピーマン、茄子の中華風レンジ蒸し、ごはん、おみそ汁。

間食 チーズ、いただきもののクッキー。
お弁当の量を少なめにしたら、夕方、気が遠くなりそうなくらい空腹になってしまったのだけど、クッキーが結構大きかったのでしっかりお腹に溜まってくれた。生き延びた。

夜 お寿司!!!
テイクアウトで。あろうことか先週は一度もお寿司を食べなかったので(お刺身は2回くらい食べたけれども)、禁断症状が出そうになってしまい、昨日の夜から今日は絶対お寿司にしようと決めていた。
寿司欲が強すぎて、7皿分くらいぺろりと平らげたのに全然足らず、欲求がおさまらない。

夕食後、最高の離婚を見ながらハーゲンダッツ リッチミルク味、昨日の残りの生クリーム。

昨日の残りの生クリームとは何かというと、大阪大丸の地下にあるケーニヒスクローネで昨日買った、シフォンケーキ用のクリームのこと。

商品名は「シフォンクリーム」。
大きなカップに130グラムも入ってなんと300円ちょっとという大破格である。

前々から目を付けていた商品ではあったのだけど、クリームだけ買うのもな、と躊躇して断念することをくり返していた(シフォンケーキも買え)。
しかし昨日偶然出会ってしまったが最後、ついに我慢できなくなって購入に踏み切った。

これがもう、はちゃめちゃにおいしいのだった。
25年にわたるわたしの生クリーム人生においても、トップレベルで感動したくらい。

まず、味がべらぼうに良い。
しっかりと濃い、人によってはややくどいであろうレベルで乳脂肪分の高さを感じる。
それでいて、甘さはかなり控えめなのが心憎い。あまりにもわたしの好みどおりの生クリームなので、本当にこんなものを売り出してくださっていいんですか?とすら思う。すごくありがたい。

次に、量が多い。
これもすごくありがたいこと。生クリームに限らず、好きな食べものはなんだってそうだけれども、何が悲しいって食べ始めたらいつかはなくなってしまうことだから。
130グラムというのは、先ほど述べた乳脂肪分の高さも相まって、自他ともに認める生クリーマーのわたしをもってしても十分に満足感を得られる量であった。

極め付けには、コスパがすばらしい。
①ホイップ済みの手軽なクリームは、植物性油脂を用いているため濃厚さが物足りない。
②スプレーホイップは量のわりに高いし、絞るとき回りにクリームが飛び散りがちだ。
③乳脂肪分の高い液体クリームを買ってきて泡立てるやり方は、確かに味は保証されるが、なんといってもめんどくさいし、洗い物が出るのもいただけない。

その点、このシフォンクリームは、①極めて濃厚、②量が多い・すくって食べられるので飛び散らない、③買ってきてすぐ食べられる・プラカップに入っているので洗い物が出ない、と、三拍子そろったすばらしさ。
これで300円ちょっとなのは、まったくどうかしていると思う。500円でも買うと思う。

とまあ、つい自分でも想定外のアツさで語ってしまったのだけども、その件のクリームをアイスとともにいただいたのだった。
昨日、さすがに一気食いはやばいと思い、ちょっとだけ残しておいて良かった。



10月5日(火)

先月から職場での立場がちょっと変わって、ここのところは新人教育の仕事にも携わっている。
今日とて出勤直後から17時ごろまで新人ガイダンスだった。じーっと座って時々口を挟むだけとはいえ、自由に離席できないともあり、どっと疲れてしまう。でも、以前より仕事の幅が広がって楽しい。

昼 スーパーのお寿司(9貫入り)。
昨夜の欲求不満を取り返すべく、お寿司。あんまりによく食べているのものだから、職場ではすっかりお寿司大好きマンとして認識されている。

夜 中トロとぶりのお刺身、鯵のお刺身、チキン南蛮ひと切れちょっと(恋人の)、明太子、おみそ汁、ごはん一膳と少し。
欲望の赴くままに、3食連続生魚。

家の最寄りのスーパーは20時になるとお刺身が半額になるので、その時間を狙って突撃した。
ちょっとでもタイミングがずれると、まだ2割引きだったり、商品がほとんど残っていなかったりするのだけども、今日は「半額かつたっぷり残っている」というもっとも良いパターンだったので、つい興奮してパックを2つ手に取った。
わたしがあんまり生魚ばかり食べるものだから、恋人は最近やや引いているように思う。

23時ごろ、ベッドに寝転ぶ恋人の横ですやすや寝てしまう(ふたりとも未シャワー)。
目が覚めると2時過ぎだった。すでに起きていた恋人のシャツの左袖がわたしの涎でびしゃびしゃになっていたらしく、怒られる。
わたしはやたら涎が出るたちで、タオル、枕、布団、クッション、人の服など、寝るとき口元にあった布類は毎日例外なくとても濡れているし、うたた寝のあとで自分の腕がぬらぬら光っていることもままある。なんか急に汚い話をしてしまってごめんなさい……。

コンタクト外し、メイク落とし、歯磨き、足洗いだけなんとか済ませて就寝。シャワーは明日。



10月6日(水)

仕事終わり、サンキタ通りを歩いていると「お姉さん!めっちゃかわいいなあ!」と、おそらくアルコールで顔を赤く染めた男性から声を掛けられた。
ちょうどドラッグストアに入るところだったので、目を合わせずに頭だけで会釈をしてすり抜ける。

買い物を済ませ、駐輪場から自転車に乗って家に向かっていると、スケボーを手にした4〜5人の男性グループが、狭めの歩道いっぱいに広がって前を歩いていた。
ベルを鳴らすべきか声をかけるべきか、逡巡しているうち、ひとりがわたしに気がついた。仲間に向かって「おい、お姉さん通るってよ!」と声をかけ、道を開けてくれる(「くれる」って何、そもそも広がってるのがおかしいんやろが)。全員の視線がこちらに集まった。

会釈してそのまま通り抜けると、後ろから「おお〜、美人!」「……かな?」というやりとりと爆笑が追いかけてきた。

なんなん?

わたしは見ず知らずのてめえらにジャッジされるために毎日身綺麗にしているわけではない。
そりゃあわたしにだって人の見た目に所感を抱くことはままあるが、それは自分の心の内々でのことにすぎないし、周囲の人、ましてや本人に聞こえるように口にするなんて言語道断。

例えばわたしが男性だったとして、「おお〜、イケメン!」「……かな?」爆笑、という流れは果たして生まれたのか。
女であるがゆえにジャッジしても良い対象とされている。内輪で盛り上がるネタとして機能させられている。腹が立つ。
存在を軽んじられていると思った。だれにも軽んじられたくない。だれにも舐められたくない。



10月7日(木)

電車に乗っていて、二人掛けシートの窓側の席から人が降りたとき、その席に座りたいのに、通路側に座っている人が詰めてもどいてもくれないことの多さに辟易する。

窓側の席に座るためには、通路側の人と前の座席との間のほとんどない隙間をすり抜けなくてはならなくて、その際自分のスカートや荷物が、どんなに気をつけてたくし上げたとしても、べたあっと通路人の身体に触れざるを得なくて、それが嫌で嫌で仕方ない。
経験上、たいてい通路人はおじさんなんよ。それもちょっと体格の良い人が多い気がする。

わざとか?わざとなんか?
次の駅で降りるとしても、そこまで通路側の席に固執する意味がわからない(今日に関しては、降りる駅もわたしと同じ大阪駅だった。事が起こった芦屋駅からは2駅)。
いったんどいてくれとは言わない。でもせめて、窓側に詰めてくれるくらいしても良くないか?

今日はあまりにも「スカートべたあっ」と、その際の通路人の平然とした態度を不快に感じたため、今後このようなケースがあったら、そのまま立っていることにしようと心に決める。

朝から余計なことに怒りのエネルギーを使ってしまった。
こういうときのわたしは心の中でとても口が悪くなる。加えて「今に見てろよ……」と怨念のごとく思っている。何に対してかはわからないけれども。

むしゃくしゃしたので、大阪駅のコンビニでチョコレートをふたつも買ってやった。少し気分を良くする

気持ち切り替えチョコレート。

昼 職場近くの有名なパン屋さんで同僚とランチ。
BLTサンド、たっぷりサラダ、たっぷりミネストローネ、ポテトサラダ、りんごジュース。最近野菜をとれていなかったのでうれしい。

わたしと年がひとつしか変わらない彼女は、うんと年が離れた人が多い今の職場でとても貴重な存在だ。
綺麗で物腰がやわらかく、よく笑い、丁寧でありながらもさばけた感じの物言いが気持ちよく、いつもてきぱき仕事をこなして颯爽と定時で帰ってゆく。すごく良い……。

そんな彼女と話すうち、なんとお互い中学で強豪といわれる吹奏楽部に所属していたことがわかった。
しかも同じ兵庫県、中学名を告げるとお互いに知っており、彼女が中3でわたしが中2のとき、関西大会で同じ舞台に乗っていたことが判明した。

そのうえ、その年の自由曲も同じ!
そんな偶然があるものか?ここ最近でこんなに驚いたことはなかった。

うれしくてすっかり話が盛り上がり、昼休みが終わりそうになったので、慌てて走って会社に戻った。めっちゃ笑いながら、この期に及んでまだ尽きない話を途切れ途切れに口にしながら。
ひさしぶりに学生のときのような高揚感に包まれ、興奮冷めやらぬまま午後の業務を開始したのだった。

間食 ガルボ スイートポテト味3つ。
一気ぐいが基本のガルボなのに、実に理性のある食べ方をできた。

夜 豚焼肉、野菜炒め、ごはんちょっと、明太子。食後にカフェオレ。

最近好きなドラマは『僕の姉ちゃん』。
一気見したいけどもったいなくて、今日も3話に留めておいた。



10月8日(金)

職場の対人関係で悩むことがあって、いじいじと落ち込んだりなんとか奮い立たせたり、でもやっぱり後悔したり、という感じで1日が過ぎた。自分がふがいない。
あまりにも気が重かったので、昼休みに友人に電話をかけ、15分ほど弾丸で話を聞いてもらった。ちょっと元気が出る。ありがたい存在。

帰り道、大阪大丸に立ち寄って、りくろーおじさんのチーズケーキを買った。
気持ちはやや沈んでいたけれど、焼きたてのケーキにおじさんの焼印が押されていくさまを見ていると、自然と顔がにやけていた。おいしいに決まっているものを目にしながら落ち込むのは難しい。
商品を渡してくれた店員さんの笑顔が優しくて、不意に泣きそうになってしまう。

りくろーおじを手に入れたあと、すぐ向かいにあるケーニヒスクローネで、例のシフォンクリームも買った。もう我慢ならなかった。
そのうえ、家に帰ったら、恋人が買ってくれているお寿司がある。宴を行う準備は完璧にととのった。

そして何より、今日は金曜日!
今週もおつかれさまでした。

朝 ミニワッフル。
昼 お弁当。豚焼肉、野菜炒め、ごはん、おみそ汁。
間食 ガルボ スイートポテト味4つ。
夜 お寿司7皿ぶんくらい、ミネストローネ。
お寿司ってなんだってこんなにおいしいのか。毎回懲りずに心から感動してしまう。

お腹がややこなれた22時ごろ、りくろーおじのケーキとクリーム。食べる前からうれしくてにやけが止まらない。

そのまま豪快にスプーンでいったることにした。

やったー!

次はクリームも載せて……

さらにクリームだけで……

やったー!!

くぅーっ!と堪えきれず声が漏れる。
たぶんお酒が好きな人の最初の一杯ってこんな感じなんやろうな。知らんけど。

りくろーおじのケーキはとっても軽いので、無心になってぱくぱく食べすすめてしまい、気がつけば半分近く削りとっていた。

レーズン、きらいじゃないけどないほうがいいな、とほじくりながら残しているのを恋人に見つかり、メッチャ怒られた。言い方が親が子を叱るときのそれだった。

お行儀わるいね。

ケーキをつつきながら、わたしが中学生くらいからずっと見ている読者モデル(今はインスタグラマー?)の人の結婚式ムービーを、YouTubeで一緒に見る。

随所随所の演出に対して、わーすっごい茶番!と思ってしまうけど、そもそも結婚式なんてはじめから終わりまで茶番だし、わたしはドレスが着たいしケーキを食べたいし、そのようすを仲の良い人たちに見てもらいたいので、結婚式は絶対やりたい。

すぐに周りに影響される単純なたちなので、じわじわと既婚者・婚約者が周囲に増えてきた最近、結婚願望がものすごく高まっているのを感じる。あと指輪もつけたいし。

***

追伸

毎回、恋人恋人と連呼するのがちょっとくどいなあと思えてきたので、次回から「恋人=おまさ」でいこうと思います。
おまさは、10回に2回くらいの割合で恋人を呼ぶときのあだ名。

ちなみに、最近わたしは8割がた「ぴーたん」と呼ばれている。
本名は1ミリも掠っておらず、由来は不明。バカップルのそれらしく「ぴーたん♡」という感じではまったくなくて、「あ、そういえばぴーたん明日さ……」みたいにあんまりナチュラルに呼ばれるので、なんの違和感もなくなった。

ちなみにほかのあだ名は「チコリータ」「ぴいこ」「まるがおぽんちゃん」「えび餃子(理由:ぷりぷりしてるから(?))」など。文字にしたらますます何?
たまに本名で呼ばれると「おお……」とやや感動すらおぼえてしまう、今日この頃である。

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