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キタノヒカリ・Northern Sky Lodge

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成田空港へ向かうリムジンバスの中。「この旅はわたしの人生の分岐点になる」そんな言葉が浮かんで、涙がこぼれた。まだ始まったばかりなのにびっくりした。 どうってことのないことばかり。… もっと読む
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わたし:2016年1月

成田空港へ向かうリムジンバスの中。「この旅はわたしの人生の分岐点になる」そんな言葉が浮かんで、涙がこぼれた。まだ始まったばかりなのにびっくりした。 どうってことのないことばかり。でもとても大切な旅の記録。2016年1月のこと。 「この旅は、わたしの人生の分岐点になる」急にこの言葉が頭に浮かんだ。降りてきた、という感覚。 成田空港に向かうリムジンバスの窓の向こう、よく晴れた空の下、横浜港やみなとみらいの景色が見える。不意に浮かんだこの言葉を、もう一度反芻したら、今度は涙がこ

エグチさんから盗んだこと

成田空港へ向かうリムジンバスの中。「この旅はわたしの人生の分岐点になる」そんな言葉が浮かんで、涙がこぼれた。まだ始まったばかりなのにびっくりした。 どうってことのないことばかり。でもとても大切な旅の記録。2016年1月のこと。 エグチさんはアラスカへ、オーロラを見るためにやって来た。 エグチさんはアラスカへ、全身モンクレールで来た。 エグチさんはアラスカでサーモンを爆買いした後、「小金持ちは小金持ち~」ご機嫌で歌う。 普段の服装は全身ギャルソンだという。COMME de

エグチさんのオトナ買い

成田空港へ向かうリムジンバスの中。「この旅はわたしの人生の分岐点になる」そんな言葉が浮かんで、涙がこぼれた。まだ始まったばかりなのにびっくりした。 どうってことのないことばかり。でもとても大切な旅の記録。2016年1月のこと。 エグチさんのオトナ買いエグチさんはお金の使い方がカッコイイ。 美味しいと評判のスモークサーモンの製造販売をしているところに連れていってもらった。 お店、というにはあまりに素っ気ない倉庫の一部のような建物を入ると、大きな冷蔵ケースがドーンと一角を占

エグチさん(仮称)

成田空港へ向かうリムジンバスの中。「この旅はわたしの人生の分岐点になる」そんな言葉が浮かんで、涙がこぼれた。まだ始まったばかりなのにびっくりした。 どうってことのないことばかり。でもとても大切な旅の記録。2016年1月のこと。 エグチさん(仮称)「♬小金持ちは~小金持ち~ 金蔵建~てた 小金持ち~」 おじさんは買い物が済むと、決まって歌い始める。童謡のこがねむしの歌をアレンジして。 シャイな方なので、会って間もない頃は、話しかけるのも基本はたっくんに向けてのみ。 ただ、車

オー!オーロラ!

成田空港へ向かうリムジンバスの中。「この旅はわたしの人生の分岐点になる」そんな言葉が浮かんで、涙がこぼれた。まだ始まったばかりなのにびっくりした。 どうってことのないことばかり。でもとても大切な旅の記録。2016年1月のこと。 オー!オーロラ!フェアバンクスに到着したのは夕方の5時過ぎだったと思う。 スーパーで夕食の買い出しをしてロッジに向かう。 荷物を開いてひと段落し、夕食をとり、オーロラの出番を待った。 たっくんといづみちゃんは、既に1週間ほど前から滞在していた。 毎

手がすべってしまう

成田空港へ向かうリムジンバスの中。「この旅はわたしの人生の分岐点になる」そんな言葉が浮かんで、涙がこぼれた。まだ始まったばかりなのにびっくりした。 どうってことのないことばかり。でもとても大切な旅の記録。2016年1月のこと。 手がすべってしまう街で買い出しを済ませた荷物を、車から降ろして手分けしてロッジまで運んでいた。 公道から細い道をしばらく入ると、ロッジの敷地が広がる。 わたしたちが寝泊まりしている建物までは、車からそれなりの距離がある。「もうこれで終わりかなあ」と話

おじさまったら。

成田空港へ向かうリムジンバスの中。「この旅はわたしの人生の分岐点になる」そんな言葉が浮かんで、涙がこぼれた。まだ始まったばかりなのにびっくりした。 どうってことのないことばかり。でもとても大切な旅の記録。2016年1月のこと。 おじさまったらわたしたちがお世話になったロッジは、フェアバンクスの市街から車で30分くらい離れた山の中にある。 そもそもオーロラチェイスという行為は、日本人をはじめとするアジア人に人気らしく、そこに住んでいる人やアメリカ本土に住んでいる人(アラスカで

アラスカの地が揺れた朝

成田空港へ向かうリムジンバスの中。「この旅はわたしの人生の分岐点になる」そんな言葉が浮かんで、涙がこぼれた。まだ始まったばかりなのにびっくりした。 どうってことのないことばかり。でもとても大切な旅の記録。2016年1月のこと。 アラスカの地が揺れた朝朝のダイニングルームに一番乗りした日。 オーナーのパスカルさんにおはようを言って、コーヒーをカップに入れて着席したその時。 食器棚のガラスがガタガタと振動した。 大型トラックがすぐ近くを通過したときと同じ感じ。 18歳まで暮ら

ブラックジャックの夜・3

成田空港へ向かうリムジンバスの中。「この旅はわたしの人生の分岐点になる」そんな言葉が浮かんで、涙がこぼれた。まだ始まったばかりなのにびっくりした。 どうってことのないことばかり。でもとても大切な旅の記録。2016年1月のこと。 ブラックジャックの夜・3この夜、空から雲が晴れることはなかった。 わたしたちは、ブラックジャック教室で一夜を過ごしたのだった。 おじさまの手からヒラリと捲られる切り札となる一枚。 完全に親に操られている感覚。 ちょっと勝負に出てみて、ばっさり斬られ

ブラックジャックの夜・2

成田空港へ向かうリムジンバスの中。「この旅はわたしの人生の分岐点になる」そんな言葉が浮かんで、涙がこぼれた。まだ始まったばかりなのにびっくりした。 どうってことのないことばかり。でもとても大切な旅の記録。2016年1月のこと。 ブラックジャックの夜・2おじさまは鼻歌まじりにカードを切り始める。 そしてテーブルについているたっくんとわたしにカードを配る。 「これはさあ、確率のゲームなんだよ」 低い、いい声が室内に響く。 1式のトランプの中には絵札が10~13まで。4種類で1

ブラックジャックの夜・1

成田空港へ向かうリムジンバスの中。「この旅はわたしの人生の分岐点になる」そんな言葉が浮かんで、涙がこぼれた。まだ始まったばかりなのにびっくりした。 どうってことのないことばかり。でもとても大切な旅の記録。2016年1月のこと。 ブラックジャックの夜・1オーロラは夜の空に現れる。 オーロラを見ることがこの旅の最大の目的。となると、夜の時間を一期一会のオーロラのためだけに存分に使うことができるように、昼夜逆転の合宿生活がはじまった。 昼夜逆転、とは言ってもそもそもアラスカは限り