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えんとつ町のプペルは、ただのサクセスストーリーではない!

こんばんは。

今日はキングコング西野亮廣さんが総制作指揮・脚本・原作をつとめた映画「えんとつ町のプペル」を見に行ってきました。

見る前は「感動するストーリーなんだろうな、、」と漠然と考えていましたが、観終わった後、「メッセージ性がすごい!!」と思いました。

その理由を以下に書いていきます。

本編に出てきた、通貨「エル」の正体

本編には煙突町では「L」という通貨が使われています。

そして、その通貨には少し変わった特徴があります

それは「お金が腐っていく」ということ

この設定を知ったときに、「ミヒャエル・エンデだ!」と思いました。

ミヒャエル・エンデは言わずと知れた”時間とは一体何か?”をテーマにした名著「モモ」で有名なおっちゃんです。読んでない人はぜひ読んでほしい作品です。児童向けの本ですが、大人の方にもかなりしみる作品になっています。(大人が読んだ方が、メッセージ性強いかも)

時間とは一番に身近にあるが、誰もそれをコントロールすることはできません。「モモ」では、その時間について分かりやすく、エンデの考えが書かれています。まさに天才です。(下の写真:ミヒャエル・エンデ 若干、スピルバーグ監督に似てる気がします笑)

ミヒャエル・エンデは「エンデの遺言」の中で、ドイツやスイスにある、時間とともに減価していく地域通貨の効力について書きました。(地域通貨の生みの親はシルビオ・ゲゼルというスーパー賢いおっちゃんです 下の写真:シルビオ・ゲゼル)

話を映画に戻すと、減価する通貨「L」のおかげで町は賑わったという説明があり、ただのサクセスストーリーでは決してないです。(子どもも大人も楽しめます)


映画観終わった後に、西野さんのブログ見てみたら、やっぱり通貨「L」のモデルはシルビオ・ゲゼルやミヒャエル・エンデの言っている「減価する地域通貨」でした!!

まず、この時点でとても面白いなと思いました。(笑)

減価する地域通貨ってなに?

大前提として、現代の金融資本主義では「年収1000万円以上!」「億り人!」などの言葉に見られるように、通貨は商品やサービスを交換する時の媒介物ではなく、通貨を所有することが富の象徴とされています。今流行りの投資信託もそうですね。

ですが、どうでしょうか通貨を所有(貯蓄)してしまっては、経済が回りません。(誰かの消費は誰かの所得です)

とはいえ、お金持ちだけが高級品ばかり買っていても、富裕層向けの商品・サービスが流行り、所得による経済格差と分断がおきます。(現在既にそうなっている)

こういった金融資本主義の問題を解決するために、ゲゼルやエンデの言っている「減価する地域通貨」が登場します。ここで、「地域通貨」と「減価する通貨」は同義ではないことを予め言っておきます。「地域通貨」字そのままで、特定の地域でしか使用できない通貨のことを指します。

日本人にもなじみのある地域通貨!!

「地域通貨」はヨーロッパでは、認知度が高いのですが、日本人にはなじみがないと思います。

しかし!!!実は、多くの方は、小学生の頃に地域通貨の制度を自然に体験しています。それは何でしょうか?

それは「牛乳瓶のフタ」です。(笑)

これは、ふざけているわけではありません!!

全員に当てはまるわけでは無いですが、私が小学校の頃は「牛乳瓶のフタ」集めがとても流行りました。その結果、牛乳瓶のフタ10枚で鉛筆1本と交換できたり、20枚で牛乳瓶1本と交換できたりしました。

この「牛乳瓶のフタ」を何十枚かコンビニに持って行き、「うまい棒と交換してください!!」といえば完全に不審者扱いされます。でも、学校内ではそれが通用するんです。

上記の例のように特定の地域内で使用できる通貨。これが、「地域通貨」です。(厳密に言えば、換金をしなければいけない)

「地域通貨」と「減価する通貨」の効果とは?

次に「地域通貨」と「減価する通貨」を実際に使うことでどんな効果があるのか?それぞれのメリット・デメリットを書いていきます。

地域通貨のメリット・デメリット

メリット:特定の地域でしか使用できない通貨を発行することで、地方経済が貧困になることを防ぎます。例えば、Aさんは○○市に住んでおり、給料の20%が地域通貨で支払われ、その全てを○○市でしか使えないとすると、地域に一定量のお金が供給され雇用が生まれます。雇用が生まれると、都心部への人口流入に歯止めがかかります。
デメリット:全体的にみると技術開発の速度が遅くなる可能性があります。現代社会では、新しいテクノロジーの恩恵を受けている人の多くは富裕層です。逆に言えば、富裕層しか利用できません。例えば、「最先端のがん治療」、「自動運転機能が付いた車」「英語とプログラムが学べる幼稚園」「最先端セキュリティの着いた高層タワーマンション」などなど最新の商品・サービスにはお金がかかります。なので、都心部にお金が集まり、高所得がインセンティブとなり優秀な人材が集まります。「地域通貨」はその優秀な人材が都心部へ集中するのを分散させる事になり、当然、技術開発のスピードは遅くなる可能性があります。


「減価する通貨」のメリット

メリット:仕組み的には簡単です。極端な例ですが、1か月ごとに10%減価する通貨があるとすると、1万円が来月には10%減価し9000円になり、来来月には8100円になり、「早く使わなきゃ!」となります。そのおかげで、経済がとてもつなく潤う上に、投資といったお金でお金を生むという行為はしなくなるでしょう。つまり、通貨は「貯める」のではく「使ってナンボ!」ということになります。
デメリット:消費量の量が増え、モノを買い替えるサイクルが早くなるので、環境問題が促進される可能性がある

「減価する地域通貨」に反対する勢力

現代の金融資本主義は課題が山積みで、遅かれ早かれ終わりは目に見えています。その課題を解決するには「減価する地域通貨」の考え方が必ず必要で、富の象徴としての通貨の呪縛から解放されなくてはいけません。映画中にもありましたが、それに反対する勢力は銀行です。銀行は預金してもらったお金を違う人に貸しつけ、そこに金利をつけたり、送金の手数料などで稼いでいます。つまり、ブロックチェーン技術によって「減価する地域通貨」が使用されれば、銀行はいらないのです。去年、FaceBookのlibra(現在はDiem)発表後のG7、G8では各国中央銀行総裁から「プライバシーの危険性がある!」とボロクソに言われていました。(笑)

それは、各国の中央銀行もそれがどういうことなのか理解しているという事です。電子通貨 × 地域通貨 × 減価する通貨 この3つがこれからの通貨のキーワードだと考えています。

オンラインサロンという名の新しい経済圏

長くなりすみません。最後になります!

今回、キングコング西野さんの「えんとつ町のプペル」を見て、西野さんがなぜオンラインサロンに力を入れているのか理解できた気がします。

このことは以前にも記事に書きました。詳しく下記の記事を見て頂ければと思います。

簡単に言うと、オンラインサロンが今でいうところの国家の役割を果たしますよって事です。

何より、「自分と同じことを考えている人がいる」ことを知れて嬉しかったです!

本のリンク一応下に貼っときます

全部おすすめですが、「自由地と自由貨幣による自然的経済秩序」現代の金融資本主義の代替案として最有力ではないかなと思います。ただ、内容が濃いだけに金額高いので、「エンデの遺言」と「シルビオ・ゲゼル入門」がおすすめです。


マジで思ったより、文章長くなりました🙇(はじめはプペルの感想ちょこっと書こうかなぐらいだったのに笑)

最後までお読みいただきありがとうございました。


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