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このいのちの使い方を

貴方を理解したいと頭を悩ませる時、
同じように私を理解して欲しかった。

相手を理解したいと思う気持ちは、私なりの愛だと思っていた。
知ったような顔で相手を定義付けたくなくて、
真に理解ができていなかったとしても、
貴方を理解したいと言う気持ちが伝わるなら
それは愛を伝えていることと同義だと思った。

他人を理解し許容できる関係性はとても崇高なものだと、
私がそう思うように、
貴方にもそう思ってほしかった。

どうしたって理解し合えないことはあるのに。

これが愛の押し付けであっても、
それでも私は貴方を理解したいし、
この愛を貴方にも理解してほしいのだ。

貴方を守りたいと強く感じた瞬間、
私も守られるあたたかさを知りたいと思った。

自分のことを愛せない人、とても脆い人。
愛を信じられない人、泣けない人。

理解すればするほど、悲しい人。
守られるあたたかさを、知らない人。

相手を傷つけているようで、実は自分が一番傷ついていて。
それを理解した瞬間、
貴方を傷つけるものから、守ってあげたいと思うようになった。

私が傷つくかわりに、
貴方が穏やかでいられるなら、いくらでも。

そうやって傷を引き受けてるうちに、
全身がボロボロになってることに気づいた。

いつも、何をしていてもずっと痛くて、
傷あとも消えないままずっと増えて行く。

ボロボロな私のことは
誰かが守ってくれるのかな。

もう頑張らなくていいんだよ、
ってあたたかい手が肩を叩く日を
多分ずっと待っている。

貴方への愛で泣いた日、
愛される幸せの中で眠りたかった。

どれだけ傷ついても、苦しくても、
ふとした瞬間に愛がポンと光って
その光だけを頼りにギリギリで歩いてきた。

もうこれ以上進めないと泣いた日は
愛が足枷のように重く感じた。

まるで呪いのようだった。

愛することを諦めた瞬間、
今までの自分を嫌いになってしまいそうで怖かった。

今までの自分だって、たいして好きでもないのにね。

夢の中の愛はあたたかくて、ふわふわで、
シンプルでていねいなものなのに。
現実の愛はいつも一方通行で、崖っぷちで、
ぐちゃぐちゃに丸めた紙屑みたい。

本当は私だって、
少女漫画の主人公のように、愛される権利が欲しかった。
愛されるあたたかさを知って泣きたかった。

理解されなくても、守られなくても、
愛されなくても
それでもいいなんてとても言えない。

でも、愛することをやめたくない。
私が愛することで救われる誰かがいてほしい。

それが私の救いで、希望になるから。

これから先の人生、
愛が尽きないことを祈って。