HSCちゃんやHSPさんのヒントに。音が階名で聞こえる私の悩み対策
今日は私のちょっと特殊な悩みと、その解決策を同じ悩みの人に。
そして、そこから外部刺激を減らす意味でのオンラインとメタバースの世界の可能性について。
私は絶対音感がある。あまり速いのと、構成音数が多過ぎる和音は聞き分けられないが、単音だとそれが何の音かすぐに分かる。分かるというか、そう聞こえる。例えば世の中の人が「ピンポーン」と表現するドアフォンの音は、私には「ピンポーン」ではなく「♪シーソ―♪(機種によって違う)」とカタカナで聞こえるし、山手線の発車メロディも、曲ではなくソソラソドソミソ、ソソラソドソミソ……(渋谷駅)と聞こえる。全部カタカナで聞こえてきて、言語野に突入してくるから、音楽を聴きながらだと字が読めなくなるのだ。
※絶対音感がある人が全員同じ悩みを持つとは限りません。
絶対音感があって役に立つこと
耳だけで採譜ができる
以前、あるギタリストさんとお話をした時、ギターソロのフレーズの質問をする際、「ここ、♪シーラソ―♪」じゃなくて「♪シーソソー♪」ですよね?というような聞き方をして、とても驚かれたことがあった。
「え?どういうこと?」と聞かれたので「あ、ソロの5小節目の……」と言いかけたら「いや、そうじゃなくて、なんで、シとかソとか言うん?」と。
「あ、そう聞こえるんです……」と、その時、お店のBGMで流れていたインスト曲のメロディを全部階名で読み上げたら、椅子から転げ落ちるかと思うくらい驚いていた。
「いや、ごうごうちゃん、その能力、めっちゃ便利やん!」
(ごうごうは私のステージネーム)
確かに便利ではある。電車の中でも耳コピ(耳で演奏をコピーすること)ができる。普通は楽器を持ちながらするものらしい。
でもね、聞き取れる能力と、作れる、弾ける能力は、まったく別で、私はむしろそちらが欲しい(笑)
絶対音感があって困ること
音楽は普通は右脳で司る。芸術領域だからね。失語症の人が歌を歌えるのもそういう理由からだと思う。
ところが階名(ドレミファ……)になったとたん、カタカナ、つまり文字になり、左脳の言語野で処理することになる。
ご存知の通り、言語野では1度に1つのことしか処理できない。大きな音で言葉を聴きながら、話しができなくなるのも、数を数えている時に、違う数を数えられると分からなくなるのも、そのせいだ。
だから、音楽が鳴っていると、話していることに集中できないし、文章が書けなくなる。相手の話し言葉にちょいちょいカタカナが混じるイメージ。
あいみょんのマリーゴールドが流れてきた時「きのう、かいしゃでね」と話しかけられれば「ドーシーミレミファー」と混ざって、「きドのうかシいしゃミレでねミファー」になる。こんなに大げさじゃないけど(笑)
大きな音かどうかは関係ない。いや、むしろ小声でささやかれるとめっちゃ気になるのと同じくらい、小さな音がたまらなくうるさい。
「ねえ、さっきからどこかでシの音がずっと聞こえるんだけど」と探してみると、部屋の隅のサーキュレーターの音だったとかはよくあること。
音程も狂っていると気持ちが悪い。私の住んでいる市で流れる、お知らせ前の「ピンポンパンポーン」の3番目の音「パン」が狂ってて「ぅわーーー」ってなるし(直してほしい)
繁華街ではそれぞれのチューニングで何かが鳴っているのでたまらない。せめて、音楽もピンポン♪もクラクションも全部440Hzに統一してほしい。
対策
3年ほど前、脳損傷で後遺症として高次脳機能障害が残った方と知り合いになって、その人の取られている対策が、私を救った。
その人は、脳損傷後、脳の情報処理能力に比べて受け取る情報が多過ぎて大変になってしまったそう。駅などでパニックになってしまうという。大変だよね。そこで、視覚と聴覚から受け取る情報を少なくするために、つば付きの帽子をかぶり、サングラスを掛け、耳栓をするという。そうすると落ち着くというのだ。
ハッとして、私はすぐに耳栓を試してみた。ロック、特に爆音が大好き、最前列のスピーカー前とかも大好きな人間なので、耳栓は常備。でも、耳栓なんて、LIVEの時か、飛行機で寝る時かぐらいしか使ったことがなかった。それを出かける時にしてみた。結果、ものすごく気持ちが楽になった。外部音はかすかに聞こえるが、全然量が違う。ハーっと落ち着いた。
その後、AirPods のノイズキャンセリングが凄まじいと聞いて、試してみたら、完全に外部音がシャットアウトされて、さらに快適になった。iOs 16 になってからは、耳の形をスキャンしてくれるので、さらに外部音が消えるようになった。これでBGMのある喫茶店でも仕事ができる(笑)
朝起きてから寝るまで AirPods をしているが、音楽を聴いているわけではないのだ。高価な耳栓だ(笑)
※本当に聞こえないので、外を歩くときは要注意。家の中で声をかけられても気が付かないので「用がある時は肩を叩いて」と旦那には伝えている(笑)
私の場合は耳からの階名(ドレミファ……)をシャットアウトすることで、ストレスから解放され、仕事に集中できるようになったが、実は苦手な外部刺激を積極的にシャットアウトするこれらの方法が効果的な人たちがいる。
HSC(Highly Sensitive Child)と呼ばれる子たちで、いわゆる「敏感な子」だ。HSPの子ども版。
ところで、社会学者の池上英子先生が、vooxという音声配信で話していたのだが、ある自閉症の方が仮想空間では生きやすく感じ、のびのびと個性を発揮し、周囲からも承認され、活躍している話が出てきた。
仮想空間では、幸いにして、現実空間より情報が少ない。匂いも(まだ)ないし、手触りも(まだ)ない。そして光と音は自分で調節できる。匂いや触感も、付くようになったら、多分オプションで調整できるようになるだろう。だから、HSCの子たちも、仮想空間は現実空間より生きやすいんじゃないかと思った。
私が、音楽がカタカナで聞こえてきて、他の文字情報と混ざると若干パニックになるのと同じように、「学校の机がカタカタしていや」とか「学校の窓際の席が眩しくていや」とか「先生の手の指の毛がいや」とか(笑)、そんな学習以外のノイズで集中できなくなっているのなら、オンライン授業やメタバースの世界では随分楽なんじゃないかと思う。メタバースなら先生の手もまだ綺麗だしね(笑)
特にこれらの症状は、ストレス下では激しくなる。私もリラックスしている状態では、音楽をBGMとして聴くことができる。でも、例えば、駅で乗りかえ電車の表示を探すとか、スーパーで物を選ぶとか、難しい本を読むとか、原稿を書くだとかのストレスがある程度かかる時は、その症状が激しくなる。パニックとまではいかないが。その時は、無音の方が集中できていい。多分、ストレス下での無音状態は、認知資源がそれ以上削られないんだと思う。
これからの時代、メタバースで学校の授業も受けられるようになったら、外部刺激で登校できない子にも、そこが良い居場所になるのではないか。
もちろん、色々な問題はあるけど、外部刺激が死ぬほどつらいなら学校にいかなくていいよね。だから、刺激が自分で調整できるメタバースが、彼らの居場所になる可能性は高い。
オマケ
シーンとした無音状態だと、それはそれで苦しいので、私は仕事をする時は、正弦波を流しています。プーという音です。お気に入りは20Hzです。集中できる周波数だそうです。ホワイトノイズも少しミックスしています。
他の音もミックスできます。でも、波の音も鳥の声も人工的に作っているものには、やはり音程があるので、私には向きません。が、そういうのが好きな人は色々ミックスして、好みの音を流すといいかもしれません。
Relax Medhitationというアプリです。
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