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にじみ出るいじわる

中学生の時の思い出。クラスで何かについて話し合ってる時に、ある人が、自分の意見を言い出す時、冒頭で「こんなこと、本当は言いたくないんですけど」と言ったら、担任の先生が「じゃあそれは言うな」と制したんです。

その話し合いの内容はすっかり忘れてしまったんですけど、先生のその言葉はずっと心に残っていて。

言いたくないんだったら言うなという意味では、ない。
わざわざそんな言い方をするなっていう意味だったんじゃないかな。

人間って、起きた出来事を客観的に淡々と述べるのではなく、自分の感情を思いっきり乗せてしまう場合がある。

だいたい、いつもあなたは……
こんなこと、本当は言いたくないけど……
あなたのことを思って言うんだけど……
こないだもそうだったけど……
もう準備しているかと思うけど……
常識すぎるて、わざわざ言うことじゃないけど……
こんなこと、説明しなくてもいいことだけど……
まさかまだ準備してないてことはないと思うんだけど……
そんなことだから、あなたは……

リストアップしたらきりがない。こういう言葉たちの特徴はなんだろう。
本来は、こういう言葉等をつけなくても、相手に十分伝わるというところ。だけど、十分じゃないと思っているから、こういう言葉を付け足しているんだ。不服なんだな。
けれども相手が傷つくだけで事態は好転しない。しかも相手が傷つくと相手はその傷を修復する時間が必要、またはそのことを乗り越えるエネルギーも必要。なので、本来解決すべき事柄の対応は遅れる。遅れるのに、自分の気持ちをのせて、相手を打ちのめしたいんだ。
知ってはいるけれども言わずにいられないのは、言葉で相手にぶつけることによって、自分の、相手に対する怒りやあきれを、解消したいだけだ。

言われた方は、起きてしまったミスやトラブルを解消しなくてはいけないのに、必要以上にメンタルを傷つけられてしまい、なかなかトラブル解消に必要なエネルギーを生み出すことができない。

もちろん、相手を打ちのめすことが目的ならOKだ。

だけど、仕事のやりとりなどではものすごく問題だと思う。

受け取った側の工夫

距離を置くこと。その人に。まずはこれ。
次。仕事なら、事態に対応しなくちゃいけない。まず、不要な表現を削除する必要がある。もしメールなら1回コピペして、相手が怒りのままに書いている状態の言葉を、黒く塗りつぶしてみる、または削除。そうすると、今、自分のすべきことがシンプルに見えてくるかもしれない。あ、これをすればいいんだというのが、意外と1行で済むことかもしれない。

耳で聞く場合はちょっと難しいね。にじみ出る意地悪な言葉を、心の中で避けて、自分が本当に今すべきことだけを、拾い聞き、ピックアップする。

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