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文章なんて伝わればいいって思っているのは、食べ物なんて口に入ればいっしょだというのと同じ

添削前の文章
私の所属するチームでは、昨日、来年のイベントに向けて、ミーティングが始まった。

この文章の場合は「昨日」の位置を修正し、その理由を解説する仕事をしている私。

添削後の文章
昨日、私の所属するチームでは、来年のイベントに向けて、ミーティングが始まった。

文章なんて伝わればいいと思っている人は、この差異に鈍感だ。そして、そういう鈍感な人が書く文章は、こういう小さな問題がA4一枚あたり、30か所ほどある。そして、全体を眺めても、それぞれの文の順番も最適ではない。

まず「昨日」「来年」のように、時を表す言葉が並んでいると、脳は2秒ほど混乱する。30か所では、60秒。というか、5か所目ぐらいで「この人の文、なんだか読みにくい」と思われ、15か所目ぐらいで離脱される。つまり読まれないのだ。

食べ物に例えてほしい。食べものは、栄養素を含んだ食品なので、口に入れば一緒だ。では、例えば、前菜、スープ、サラダ、メイン料理、デザートを全部ミキサーで混ぜたものを「飲め」って言われたら飲む?(笑)

日本語はとかく過小評価されやすい。
生まれた時から使っているんだから、なんとか通じる。だからいいと思われている。もちろん、そういう世界も存在するけど。

しかし、読者ファースト、お客様目線で考えた時、ミキサーで混ぜたコース料理じゃダメなのと同じように、どんな語順でも良いというものではない。

もちろん、最適な語順を考えるのは時間がかかるから、急いでいる時はいいかもしれないが、むしろ、その急いでいる時でも最適な語順を考えられるように、日頃から訓練するのがいい。

例えば、SNSで何かをつぶやくとき。1分でいいので、「この語順で最適かな?」と考え、単語を入れ替えてみるといい。鉛筆で書いているわけではないので、結構簡単に言葉の入れ替え、単語の言い換えができる時代。毎日の積み重ねにはもってこいの練習の場だ。
ためしに、1週間ほど続けて見れば、自分の文章の変化に気づくよ。

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