見出し画像

「雨については日本語で考えるんです」~あるトリリンガルの生徒との会話から考えたこと~

雨って200種類あんねん

というのは、多少大げさだけれど、私の持っている辞典には91種載っていた。(嵐は別カウント)
表現を豊かにしたい方におススメの一冊。

さて、先日、トリリンガルの、ある海外受講生に、言語が国民性に与える影響について意見を書いてもらった。例えば、日本人は雨の表現が細かいし、なんなら雨がどのような降り方をしてるかによって、言葉も細かく分かれる。
例えば降る季節によっても言葉が変わる。

秋しぐれ……秋の末の降ったりやんだりする雨
寒の雨……寒中に降る冷たい雨
五月雨……旧暦五月ごろに降る長雨
氷雨……秋から冬に降る冷たい雨
麦雨……麦が実る頃に降る長雨

また降り方によっても言葉が変わる。

小糠(こぬか)雨……小糠のように、非常に細かい雨
篠突く雨……篠竹をたばねて突き刺すように激しく降る雨
にわか雨……急に激しく振り出して、すぐに止む雨

また、梅雨が明ける頃に降る大雨を「送り梅雨」と言ったり、日が照っているのに雨が降ることを「狐の嫁入り」と言ったり、人が帰るの引き止めるかのように降る雨のことを「やらずの雨」と言ったりする。

こんな表現は、英語圏にはないそうだ。ちなみに、その生徒、思考言語は英語で、ドイツ語と日本語を話せるトリリンガルだ。例えば「今日は、これとこれをやらなくちゃ」という時は英語で思考するのだそう。
ところが、たまに日本語で思考することがあるという。どんな時に日本語で考えるのか聞いたら、なんと雨のことや気候のことについては、日本語で考えるそうだ。特に日本語のオノマトペを使って「しとしと降ってるな」とか「ザーザー降りだな」などと、日本語で考えるそう。

じゃあ、英語やドイツ語は、雨をどう表現するのかと聞くと、ハードかライトらしい。ハードとライトの間のどの辺の雨なのかを表現して、めっちゃハードか、まあまあハードか、ハード気味か、ややライトか、ライトな雨か。そんなふうにグラデーションの中のスケールで表現するそう。

日本で、雨の言い方が100種くらいあるのは、当然、四季があることと深く関係している。四季そのものが、体に与える影響もあるが、こういう表現方法がある国とない国では、当然、感覚にも影響するし、それが塵積もって人格や国民性にも影響していくのだ。言葉ってすごい。

【CM】彼女は高校生。毎回、トリリンガルらしい作文を書いてくる。将来が楽しみ。私自身も海外在住経験があるので、海外生の日本語教育の大切さ、身に染みてわかります。小学生からコースがあります。

詳細はこちら

ではまた明日(^O^)/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?