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デイサービスで塗り絵をする父の姿を見て私は号泣した

最近「有香は、お父さんに話しかける時、ひざまずいて話すよね」と母に言われ、他の家族がそうしていないことに初めて気が付いた。

私と父は色々あったけれど、基本的に、私にとって父親は尊敬や畏怖の対象だ。一家の大黒柱、家長という言葉がふさわしいかも。私が小さい頃は、家を仕切り、家族を守り、養ってくれる人だった。単身赴任が多く、日本にもほとんどいない時期もあったけれど、家にいなくても、その存在は大きかった。自分が働くようになって、家の中の男の人の位置に関する考えは変わったけれど、少なくとも私の父親は一家の大黒柱と、そう思っている。

そんな父が認知症気味になり、少し頼りなくなったけれど、それは年老いたから仕方がないことで、私にとっては相変わらず、父は父なのだ。

ところが、ずっと一緒に暮して来た母、近くに住んでいる妹にとっては、少し違うらしい。認知症になってから変わってきたというよりは、徐々にそうなっていったのかもしれないけれど。

デイサービスで塗り絵をする父の写真を見て私は号泣した

その父は、私の知っている父ではなかった。

アイスホッケーで大活躍する父
部下を家に呼んでお酒を振舞う父
家族を旅行に連れて行く父
時間を守らないと物置に私を閉じ込める父
母に乱暴な口をきくとビンタをする父
お前の決めたことならと、ミュージシャンになることを許してくれた父
(なれなかったけどw)
お前は本当に頑張っていると褒めてくれる父

そんな父が、人に言われて塗り絵なんかするはずがないのだ。

しかし、母と妹は、その写真を見て「デイサービスで楽しそうで良かったよね」と笑い合う。
私には、その気持ちが理解できない。

そこを乗り越えないといけないのか。
それとも、そんなファザコンの私は、このままで介護をしていいのか。

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