ネガティブ・ケイパビリティについて
先日、オンラインカウンセリングを受けたんですよね。
クローズドβ版をリリースして、思い悩むことも増えて、いろいろな問題が噴出して、気がつけば涙が頬を伝う...みたいな状態になったからです。
自身のメンタルの不安定さは自覚しているので
「あ、こりゃまずいな」
と思い、早々に知人ではない第三者に吐き出さなければとオンラインカウンセリングを受けたのですが、その時に自分のある傾向を強く認識しました。
今の私のメンタル状況ってどう説明できますか?
自分の思考癖を変えたいので、意見ください
カウンセラーが聞いてくる私の生い立ちやら今何を考えているかなどを話す時間が退屈でもどかしくて、早急に現状把握と対処法を検討したくて、気がつけば↑のような発言をしてました。
いや〜、我ながら、「自分のことそこそこ賢いと思っている人あるある」な行動〜
つまり
ネガティブ・ケイパビリティの欠如
です。
ネガティブ・ケイパビリティとは
ネガティブ・ケイパビリティ(negative capability 負の能力もしくは陰性能力)とは、「どうにも答えの出ない、どうにも対処しようのない事態に耐える能力」をさします。
あるいは、「性急に証明や理由を求めずに、不確実さや不思議さ、懐疑の中にいることができる能力」を意味します。
(出典:ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力 帚木蓬生著)
ネガティブ・ケイパビリティの反対には「問題を早急に解決する能力」であるポジティブ・ケイパビリティがあって、世界そして現代の教育のことは私よく知りませんが、多くの日本人はポジティブ・ケイパビリティの教育を受けてきたわけです。
この言葉と、この本は、以下のYoutubeライブで緩和ケアのお医者さんである西先生が紹介していたので知りました。「医者にとってネガティブ・ケイパビリティは大事な能力だ」という文脈ですね。
(ちなみに、この動画はめちゃ面白いので、興味ある方は是非見てみてください〜)
早く、早く現状把握と対処法を知りたくてカウンセラーに質問を浴びせかけたのは、私にネガティブ・ケイパビリティつまり、現状の自分の心にあるモヤモヤして苦しい状態を耐える力が足りないからなのですね。
これ、誤解があると大変危険なので明記しておきますが、メンタル不調に陥り治療を受けている人に対する話ではまっっっっっっったくありませので、そこはご理解ください。あくまで私個人の話。
もう1つの私のエピソード
もう1つエピソードを追加しておくと。
今現在、私、病理検査を受けています。麻酔して、細胞の塊を切り取って、癌とかその他の病気の可能性がないか調べてもらうやつ。
その病理検査の結果をこの前聞きに行ったら
「連休の影響でまだ分かってないんですよね〜1週間後にまた来てください」
と言われて、私その時「イラッ」としたんですよ。「はよせーや」って。(医療関係者の方、本当に申し訳ありません...リソースが逼迫している状況であることは理解しているのですが、一時の感情なのでお許しください)
これは単に私がせっかちという話ですが、私の頭の中は常に、
「早く現状を把握したい。早く対処法を考えたい。早く問題解決したい。白黒はっきりつけて早く自分でコントロールしたい!!!!」
っていう欲求だらけ、という話でもあります。
面白い。全てをコントロールしたい病。
深い理解に出会えるチャンスでは?
ここまで、あたかも「ポジティブ・ケイパビリティよりネガティブ・ケイパビリティの方を身につけるべき」的ニュアンスで書いてきましたが、当たり前ですがそんなことはないんですよね。
ポジティブ・ケイパビリティがなければ社会はこんなに発展してこなかっただろうし、起業家にはマストな能力だろうし、世の中をよくしていくパワーであることは間違いない!
私個人の「メンタル不調を早く解決したい」「病気があるなら早く知りたい」っていうのも全然悪いことではない。
でも、我が家の家訓(大袈裟ですが笑 夫婦の共通価値観ともいう)である、
「真剣に生きる」
を考えた時に、ネガティブ・ケイパビリティって必要だなと思ったんです。
先ほどご紹介した本によると、ネガティブ・ケイパビリティってただただ分からないことに耐える能力ではなくて、
「その先には必ず発展的な深い理解が待ち受けていると確信して、耐えていく持続力を生み出すのです」
(出典:ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力 帚木蓬生著)
うおー、いい考え!
素敵な一文!
分からないことに対して、分かりやすい何かに飛びついて表面的な解決を急ぐのではなくて、分からないことを「分からないな〜」と言いながら心に止めて、深く潜り、理解しようと考え続ける。
この能力、相当に人生を豊かにすると思いませんか?
いろいろな物事において、深い理解に出会えるチャンスだと思いませんか?
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私は「課題は解決していこうよ」教と「考えるのは誰にでもできるのよ、行動に移そうぜ!」教に入信しておりまして、多分それは今後も変わらないのですが。
ここ最近心身ともに不調だし、解決もうまくできないし、という中で、
「まあ宙ぶらりんでもいいじゃ〜ん」
「こんな状況だからこそ見える景色があるわけだし」
「ゆっくり考えていこう。なんかそれはそれで楽しい」
と思うようにもなってきたのです。
娘にはこう言いたい気持ち。
ママはネガティブ・ケイパビリティを身に付けていくぞ!!!!!
頂いたサポートは全て本となり、私の知識となります。