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バナナマフィンの話

バナナのお菓子はギルトフリー

バナナ1房、5本あったら3本はそのまま食べて、残りの2本は黒い粒々が出て南国の甘い芳香が立つまで完熟するのを待つ。といっても、その辺に置いてほったらしなんですけれども。

意図的ではなくほったらかしにして「完熟した」バナナ((それは他の果物でも言えるのですが)は時に「傷んだ」バナナ扱いになりかねず、でも「加熱しておやつにする」という選択肢ができることで、一気に食材としてのランクもアップ。食品ロスも防げちゃったと、気分もよくなります。

バナナを入れたおやつは、なんだか体に良さそうな気がして、子どもたちのおやつに心置きなくつくれます。ゴルフの中継を見てたりすると、プレイ中の合間の間食にプロゴルファーがバナナを食べていたりして、ますますなんだかやっぱりバナナって体にいいんだなあ、と独り合点したり。要は、バナナの焼き菓子って私にとっていいことだらけです。

今日のレシピは、ベーキングパウダーもバターも使わずに作るバナナ入りのココアマフィンですが、これは中途半端なココアパウダーを使い切るためにまぜたので、逆にココアがない時は、薄力粉だけでももちろんつくれます。
レシピでは、生地をふくらませるために卵を湯煎しながら泡だてています。この作業が面倒なら、粉類にベーキングパウダー小さじ1.5ぐらいを混ぜることで、湯煎の泡だてをしなくてよくなります。
バターの代わりにサラダ油を使いますが、香りがない米油とか菜種油とかがいいと思います。逆に、同じ分量の溶かしバターを使えば、コクのある味になります。

<材料>

(マフィンカップ5個分)※オーブンは180度に設定して予熱する
完熟バナナ 2本
卵(室温に戻す) 2個
薄力粉 150g
ココアパウダー 20g
きび砂糖 75g
無糖ヨーグルト 大さじ1
サラダ油 50g

<つくりかた>

❶バナナは飾り用に10枚薄い輪切りにして、それ以外はよくよくつぶす。(生地よりもバナナの方が重いので、よく混ざるようにしっかりつぶすのがおすすめです)

❷薄力粉とココアパウダーを合わせてふるう。ふるうのが面倒なら、泡立て器で塊をつぶしながらシャカシャカとよく混ぜ合わせる。

❸大きめのボウルに60度ぐらいのお湯を張り、その上にひとまわり小さいボウルに卵を入れてハンドミキサーの低速でじっくり泡だてていく。途中、2回に分けてきび砂糖を加え、その都度よく混ぜ合わせる。

❹5〜6分かけてじっくり泡だてたらサラダ油を加え、細かい気泡ができて全体がクリーム色っぽくなるまで混ぜる。

❺ふるっておいた粉類とバナナを交互に、2回に分けて入れて、その都度ゴムベラで大きく混ぜ合わせていく。ヨーグルトも加えて粉っぽさがなくなるまで混ぜる。

❻マフィンカップに、❺の生地を流し込む。上にスライスしたバナナを乗せて、180度に予熱しておいたオーブンで15〜18分焼く。

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手順をまとめた簡単な動画はこちら
YUKAKO's COOKING CHANNEL

話の中のバナナマフィン

私は海外ミステリー小説が好きです。子どもの頃のシャーロック・ホームズやエルキュール・ポアロ、ミス・マープルに始まり、ハリー・ボッシュやジャック・リーチャー、警視キンケイド、検視官ケイ・スカッペータなど、同じ主人公が活躍するシリーズを飽きもせずにあれこれと読み続けているのですが、「クッキングママ」シリーズもその1つ。シリーズ6作目『クッキング・ママの検屍書』には、バナナとペカンナッツのマフィンが登場します。このときはとてもヘルシーな材料で無脂肪乳をつかったりしています。

主人公のゴルディロックス(ゴルディ)はシングルマザーになったことを契機にケータラーになった女性で、今でこそ日本でもケータリングという言葉やサービスが定着しましたが、このシリーズの1作目が日本で翻訳されたのが1994年。当時はまだ目新しい職業名でした。ケータラーが主人公だけに作中には毎回いくつも具体的なレシピが登場します。超アメリカンなバターやクリームたっぷりのリッチなおやつもあれば、ベジタリアンメニュー、(お金持ちの顧客が多いこともあって)トリュフやキャビアをふんだんに使った華やかなものなど、ミステリーの内容や登場人物たちの魅力に加えて、レシピがバラエティに富んでいておもしろい。

仕事で切羽詰まった時など、自分でおいしいものを作って食べて「うーん!」とその美味しさに感嘆する場面がよくあるのですが、その気持ち、わかるなあ。美味しい食べ物に救われることって、人生に何度もある。あー、こうして何かを食べた時に「おいしい」って思えるんだから私はまだ大丈夫。と思うこと、ありますから。


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