見出し画像

鳴門グルメは「あらし」の海鮮定食で決まり!【アラフィフ女のソロ活ガイド】

鳴門といえばわかめ。

というのも知らずに、
大塚国際美術館めあてで鳴門を訪れたので、
グルメ情報とかまったく調べてなかった。

大塚国際美術館の情報はこちら

鳴門の渦を見るため、うずしお汽船という船に乗ったのだが、
乗船後、時間も夕方だし何を食べようかと友人と相談していたので、

ちょうどチケットカウンターにいた、「逆転裁判」に出てくる「オバチャン」そっくりのおばちゃんに、どこか美味しい食事処はないかと聞いてみた。

するとオバチャンはわたしたちのほうに近づき、
とてつもなく悪いことを言うかのように
マスクの上に、さらに口元を手元を隠すようなしぐさで

「あるで」

と言った。

「何食べたいん?」

と聞かれたので、何があるかもわからない、と言ったところ

「うどんか海鮮やな」

という。

うどんは、後日香川県に行くことになっており、
讃岐うどんを食べることになるだろうと踏んでいたので
「じゃあ海鮮」ということでオススメを聞いた。

するとそのおばちゃんは、チケットカウンターに置いてあったショップカードをさっと取り、また小さな声で

「それならここやで」

とささやいた。

そんなに怪しい場所なのだろうか?
その割には堂々とショップカードが置いてある。

これ、絶対にバックマージンもらってる系だよな、
まずかったらどうしようね。と友人と話しつつ
日暮れも近づいているし、いまは例のウィルスで閉店も早いので
とりあえずその店に行ってみることにした。

店の名前は「あらし」

どっかの最近解散したジャニーズグループのような名前だが
食べログで検索してみたら、割と評判が良い。

うずしお汽船の乗り場から、鳴門駅方面に行けばすぐ着くようだし、とにかく店の前まで行ってみようということで車を走らせた。

鳴門駅近くの国道を曲がったところにある、その「あらし」は
いかにも地方都市にある大きめの食事やさん、といった感じの店構えだったが、わたしたちが到着した17時すぎですでに満席、行列ができていた。

美味しいとはいえ、満席までは想定していなかったわたしと友人は焦って、
とにかく駐車する時間ももったいないということで、友人が先に車を降りて店内へ入り、わたしは混んでいる駐車場で、へたくそな駐車に時間をかけてやっとこさ車を停めた。

お店から戻ってきた友人が

「やばい、この店マジですごそう」

と興奮気味に言った。

そりゃあ、ゴールデンウィークとはいえ、平日の夕方5時に満席になる店である。観光客よりも地元の車が多いのも「おいしさ保証」の証拠だ。

例のウィルス対策で、店内ではあまり多く待てないということで外待ちだったが、ありがたいことに車で待っていても順番が近くなったら「〇〇さまーーー、そろそろです!」と店員さんが駐車場まで声を張り上げて呼びに来てくれるので、しばらくの間は車で待っていられる。こういうのは車社会である田舎あるあるだよなぁーと思いながら、車内で友人と、何を食べようかネットを見ながら相談していた。

すると大きな声で「順番来ますー!」と呼ばれた。

車を降りて店の前まで行くと、入口でもう少し待つらしい。
大きく書かれたメニューがあるが、どれも魅力的だ。

とにかくグルメはノーマークで来てしまったが
どうもここ、徳島、鳴門は「ブリ」と「鯛」と「わかめ」が推しらしい。

そういえば「鳴門のわかめ」は聞いたことがある。
でもブリとか鯛は、いまいちピンとこなかった。

が、定食メニューを見ていると、やけに「鯛めし」や「ブリ刺身」が多いので、きっと名物なのだろうと思ったが、特に思い入れのある食材がなかったため、全部いいとこどりできそうな「あらし御膳」をいただくことにした。

あらし御膳をはじめ、ほとんどの定食は税込みで3190円。
そもそもの立地から、観光客プライスってわけでもないが、定食にしてはちとお高めな気もした。だが、このお値段でも行列ができてしまうのだから、おねだん以上の味なのだろうな、と期待感が増した。

店内には一品メニューなどのメニューが筆で手書きで書かれていて、活気がある。田舎が嫌いで首都圏に出てきて住んでいるけど、やっぱり地方のお店はこういう人間味のある感じが多くて好きだ。まったく初めての土地なのに、どこか懐かしさを感じてまったりする。


ほどなくしてきた「あらし御膳」
あまりの豪華さに「きゃー!美味しそう!」と歓声を上げた。

画像1

あらし御膳のお品書きはこちら。


刺身(鳴門鯛、すだちブリ、赤いか)
天ぷら盛合わせ
酢の物
焼魚
ご飯
わかめ汁、
新香
フルーツ

本当にいいとこ取りだ。

すごすぎて、何から食べてよいかわからず、
しばらく「わーどうしよう」と言っていた。

そうこうするうちに冷めてしまうので、

とりあえず、大きくてびっくりした「わかめ汁」を飲む。
旬の時期というのもあるかもしれないが、しっかりしたワカメは、みそ汁の具ではなく、もはや主役。ワカメを食べるためのみそ汁って感じだ。

出汁もあっさりしていて、ごはんの合間にも口直しできる程度の品の良い味付け。まずこれで感動。

そしてお刺身をいただく。

まずはブリ。
ブリのお刺身は割と好きで、自宅でもときどき食べるのだが
ここのブリをいただいて、あまりの歯ごたえにビックリした。

身が締まっている、というのだろうか
わたしが知っているブリは、脂がのっていて、トロっとした魚という印象なのだが、このブリは全く違う。

身がしっかりキュッと締まり、噛み応えがある。
脂ものりすぎておらず、変な臭みもない。
最初に食べてしまって1切れ減ってしまったのを後悔したくらい美味しい。

ブリ一切れでこんなに感動している場合ではない。

まだまだ控え選手がたくさんいる。

次はとりあえず、あまり普段から興味がない
「イカの刺身」をいただいてみた。

ごめんなさい。

イカがまた美味い。

厚みがあってぽってりしているが、
とっても柔らかくて、しかも甘い。

わたしは海なし県の群馬育ちで海鮮はあまりわからなかったのだが
旦那が北海道の人で、肉は無頓着なのに魚の鮮度は目利きであり、
毎年行く北海道帰省でも海鮮系ばかり食べているので、ある程度の海鮮は味わってきたつもりだ。

イカ刺しも九州のイカ刺しを出すお店に行ったりして、美味しいものを食べていた自負はあったが、一瞬で覆る。

「あらし」のイカ刺しが一番です。すみません。

という感じだ。悔い改めてしまった。

刺身部門で残るは鯛だ。
この店は「鯛づくし」などの定食も用意しており、「鯛には自信あり」な雰囲気を醸し出している。

店内のポスターにも「桜鯛」のポスターがでかでかと貼られている。

鯛は、淡白で品があるが、刺身は自分からはあまり食べない魚だが、ここの鯛は「上品」そのもののお味だった。
醤油の味も少し他と違ったのだが、とにかく気持ちが落ち着く味。「あっさりしている」のと「上品な淡白さ」は違う。とにかく品が良くて味わい深い。

刺身一切れずつでこれだけのコメントだ。

天ぷらが冷めてしまってはいけないので、天ぷらもいただく。

てんぷらは揚げ方自体が難しく、油っこくなく、カラッと揚げること自体が難しい。近所の海鮮居酒屋でも天丼などあるが、油っこくて食べられたものではないので、こういう、天ぷら専門ではなく、なんでもアリな海鮮屋の天ぷらは、なかば疑ってかかっていた。

一口食べてまた「ごめんなさい、私が間違っていました」となった。

サクサクジューシーで、海老が甘い。
海老もあまりテンションがあがらない食材だが、海老天は好きだ。
だがそれは海老天のサクサク感を楽しんでいただけで会って、
海老の甘さをここまで味わったのは久しぶりな気がする。

「うわ、海老、甘っ」

グルメレポーターには一生なれないような稚拙な言葉がついて出るが
そもそも饒舌に味を語るのはグルメレポーターという仕事のなせる業で、その味を言葉でなんとか視聴者に伝えようという無理やりな作業であり、

人間、本当においしいものを口にした瞬間は、「うまっ」とか「甘っ」とかの声が「漏れ出てしまう」もので、人に細かく伝えるのではなく、本来、自分でしみじみと美味しさを味わうはずが、声が漏れてしまうほど美味しい時にしか言葉を発しないものである。

天ぷらにもやられた。

次は添え物である、もずくの酢の物にいってやろう。
感動させられまくりなので、今度は「ふーん」で済むだろうと思ったら、そうは問屋が卸さなかった。

海に面したこの鳴門では、もずくも名産なのだろうか。
もずく自体の太さやコシのボリュームが全く違った。
スーパーで売ってるもずくと別物で、どちらかというと沖縄のもずくなんかに近い。酢がしっかり効いているが、甘みもあるのでチュルチュルっといける。

添え物でスルーするはずの「もずく」でさえ
「うまっ」と声が漏れてしまった。

悔しいので次は焼き魚である。
焼き魚はサバ。個人的には焼きサバはあまり好きではないので、品目も多いし、焼き魚いらないのになーと思っていたのだが、意外や意外、食べ始めたらすっと食べられた。

ただし、このサバに関してはおそらくノルウェーさばで、地元のものではないので、うん、普通。と唯一言えるものかもしれない。

ぐうの音も出ないほど美味しいモノ尽くしで
負け試合が続いていたので、やっとスルー出来る食材にあえてほっとする。

ちなみに天ぷらは、サツマイモの天ぷらも美味しい。「鳴門金時」というサツマイモが名物らしい。さらに四国はわたしが好きな「鰆(さわら)」も結構とれるようで、鰆の天ぷらもついていた。しかもかなりの大きさで、切り身一切れ分くらいある。ボリュームがとんでもない。

でも全部美味しいので、ひとしきり感動した後は、夢中で食べる。
どれも全部「うまっ」と心の中で呟きながら食べた。

もともとのボリュームもすごかったのだが、天ぷらにかぼちゃとサツマイモが入っていたせいもあってか、最後、鳴門わかめの味噌汁は、飲み干せなかったが、そのほかのものはすべて美味しくいただいた。

さて、全部いただきひと息。と思ったときに
忘れ去っていたデザートのみかんが目に入る。

だいたいこういう定食についているフルーツは残してしまうのだが、
今回はあまりの美味しさにやられまくっていたので、まさかフルーツまで美味しいのかも。と思い、いただいてみた。

これがラストパンチでめちゃくちゃ甘かった。

あとから調べてみたら、鳴門、というか鳴門に隣接する淡路島はオレンジの産地らしいし、そういえば鳴門のお土産屋さんでも柑橘類が置かれていた。温暖な地域はみかん、というのは聞いていたが、さりげなく出されたデザートでさえこんなに美味しいものが使われていることに感動してしまった。

画像2


これだけのボリュームで3190円は、安い。
安いかどうかというより、こんなに美味しくて満足できる定食が世の中に存在することに感動し、こんなに美味しいものを食べられた「体験」に感謝した。まじ、鳴門に来てよかった。悪だくみのようにこっそりこの店を教えてくれた、逆転裁判のオバチャン風のおばちゃんの言うことは嘘ではなかった。もしショップカードを置くことで、バックマージンをもらっていても、まったく腹が立たない。逆にじゃんじゃんもらってくれ。こんなに美味しい店を紹介することは、善行以外の何物でもない。本当にありがとう。

願わくばここで、一品料理を食べながら、お酒を楽しめたら最高だなと思った。レンタカーの旅だったし、例のウィルスで宣言も出ていたしで、あまりそういうことはできなかったが、こんど来た時は代行でも頼んで、ここの魚でしこたま飲みたい!と思ったのであった。

このお店で食べたことをゲストハウスの主人に話したら、鳴門で美味しい海鮮と言えば、この「あらし」か、姉妹店である「びんび家」だよ、と教えてもらった。

「びんび家」は、香川から徳島に入るルートの海側の通りにあるらしく、香川から徳島に来る人に紹介しているらしい。「びんび」とは徳島の言葉で「魚」の意味らしい。なんだか可愛い。

何も調べずに来てしまったが、幸運なことに「あらし」のような美味しい店に出会えて、超ラッキーである。

ちなみに実際訪れることはできなかったが、ゲストハウスの主人によると「はんなり」というお店もオススメらしい。
もし鳴門を訪れることがあれば、チェックしてみてほしい。

今日もお読みいただきありがとうございました!

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?