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勉強より先に教えたほうがいいと思うこと。国立科学博物館でモヤモヤした出来事

夏休み、である。
普段から勉強しない中3息子は、当然ながらもちろん勉強をしない。

知り合いのお子さんの話を聞くと、放っておいても勝手に勉強をするらしい。超うらやましい。そんな子を間近で見たことがないので、1か月くらい子どもを取り換えて観察してみたいと思うことがある。 

そんな妄想をしつつ、だけど、勉強だけできればいいってもんじゃないよなぁ、とも思う。

つい先日訪れた上野の国立科学博物館でも、「勉強だけできればいいってもんでもないでしょ」な光景を目にしたので、そのことを書いてみる。

・・・


国立科学博物館では、夏休みの自由研究のために来ていると思われる小学生を連れた親子をよく見かける。

先日「Dr.STONE」の企画で見た常設展のコーナーにも、それっぽい親子がいた。

※「Dr.STONE」の企画展についてはこちらの記事を参照

ちょうど、この元素周期表のコーナーでの出来事だ。


男の子は見たところ、幼稚園~小学校低学年。かなり小さい。必死で何かノートを取っている様子。お母さんはその近くにじっと立っている。

元素周期表のコーナー、ちょうどこの写真手前のタッチパネルで、日常で見かける輪ゴムやペットボトルのキャップは、元素記号でいうと何で出来ているか?というのが分かる。

興味のある物質名をを押すと、その物質を構成する元素パネルが光る、という面白い仕組みになっている。

そのパネルを見ながら、その小さい男の子は必死でノートを取っていた。ちょっと覗いてみると、漢字で「酸素」とか書いて、元素の構成などもノートに写している。

難しい漢字が書ける年齢ではないので、書くのもたどたどしい。だから、しばらくすると、そのパネル画面が時間切れで消えてしまう。すると男の子はまた、同じボタンを押して、その続きを必死で書く。なかなか終わらない。もちろんこの子が独占してしまっているので、他の人はこのパネルを触れない状態だ。

このパネルのすぐ横に、「Dr.STONE」のキャラクターによる科学解説が聞けるQRコードがあるのだが、その子どもがずっとパネルの上にノートを置いて、お母さんが真横に立っているので、QRコードが読めない。しばらく待っていたのだけど、気配に気づいてもらえないので、そのお母さんに「すみません」とひと声かけてQRコードを読みこみ、「Dr.STONE」の解説を聞いた。

それで気づいて、そのお母さんが場所をあけてくれるかと思いきや、また元の立ち位置に戻ってしまった。わたしがその解説を聞いている間も、その親子はパネルを占領したまま。

わたしの後にも、「Dr.STONE」の企画展でこの周期表コーナーに回ってきた人が数人いて、やはりそこを占領している親子に遠慮してQRコードが読めず、そっと隙間からスマホを差し出してコードを読んでいた。

そういうのを見ていると、教育熱心なのは感心なことだが、周りに人がいるのに、子どもがノートを写し終えるまでそのパネルを独占しちゃってるのは、それでいいのかい?とツッコミを入れたくなる。

もしかしたらものすごい科学少年で、元素周期表に夢中なのかもしれないし、もしかしたらお母さんの一存でノートを写すことになったのかもしれないし、はたまた塾や学校の課題で出たのかもしれない。

子どもはそんな周りを見る余裕はないだろう。

でもそこで一緒にいるお母さん。子どもを見守りたい気持ちはとても分かるけれど、ここは公共の場だ。けっこうな時間がかかっているし、明らかに周りに人がいて、独占状態になってるのだから、そこはいったん写メするなり何なりして、別の場所でノートを写そうね、とか何か機転を利かせることはできなかったのかな、と思ってしまう。

そういうのを見るにつけ「勉強より大事なことってあるよね」という気持ちになる。

とはいえ、我が家の中3息子は、ただでさえ勉強しない上に、夏休みである。映画や博物館は喜んで行くものの、毎日基本はゲームかyoutube。

宿題の「し」の字を言おうとするだけで、そそくさとどこかに逃げる。勉強の「べ」までいかず「へ」の口の形をしただけで、聞こえないふりをする。

そんな息子を見ていると、運動苦手でインドアでマイペースな息子が、勉強、ゆくゆくは学歴的な何か、という武器を持たずしてこの先やっていけるのだろうか?と漠然とした不安が募る。ああ、せめて普通に勉強してくれたら、このいまの不安は消えるのに。と、揺れる母ゴコロである。

勉強しない息子にモヤモヤしつつ、勉強のために公共の場所を独占する親子にもモヤモヤする。

でも、そういう親子を見るにつけ「勉強より先に教えることがあるだろ」と心の中でツッコミを入れている時点で、わたしの中の優先順位は、勉強より大事なことが世の中にはたくさんある、と思っているのだろう。

まあ、うちの場合は勉強を後回しにし過ぎて、すでに存在感まで薄れてきているので、言い直せば「勉強も大事だけど、それ以外のことも教えるって大事だね」ということなのだが。

もちろん家では教えきれないことがたくさんあるし、親の言うことに聞く耳を持たないこともたくさんあるから、わたしが息子に伝えきれなかったことは、家の外で、社会の中で、学んでいってほしいと思っている。

そして今年の夏休みも、息子のやる気スイッチは入らないようだが、もう少し長い目で見守ってみようと思う今日この頃だ。

今日もお読みくださりありがとうございました!


国立科学博物館「Dr.STONE展」についてはこちら。

2022年、国立科学博物館の夏の特別展「化石ハンター展」レポはこちら。


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