マイペース高2息子とニューヨーク親子旅⑩:スケールに圧倒!「アメリカ自然史博物館」で生き物好きの息子が大興奮
7月末、マイペース高2息子と2人でニューヨークを旅した記録。
前回までの話(最初から)はこちら
ニューヨークに到着するなり息子がスマホを紛失し、てんやわんやで終わった1日。翌日からは無事予定していた観光へ。
メトロポリタン美術館に行ったり、ブロードウェイミュージカルを見たり、「ニューヨークといえばこれ」を進みつつ、ハーレムのゴスペルなんかも聞き「ナイアガラの滝」の日帰り弾丸ツアーと、なんだかんだ盛りだくさんの日々。
さてこの日は、息子がきっとテンションMAXになるであろう「アメリカ自然史博物館」へ。
息子は幼いころから生き物が好きだ。昆虫にハマり、図鑑に付属していた昆虫DVDを何百回もヘビロテし、おぞましい捕食シーンを見ながら夕食を食べたことも。昆虫嫌いのわたしだが、息子の「好き」を尊重しようと頑張った。(あれはわたし、ほんとに偉いと思う。)さらに恐竜だの怪獣だのが大好きで、幼稚園時代から毎年、恐竜展だの科学博物館の特別展だのに連れて行っていた。
毎年、国立科学博物館を訪れていたが、NHKなどで恐竜特集や生き物特集を見ていると、やはり海外の博物館は展示規模が違うんだなと思う。息子とニューヨークに行くならぜひここを訪れるべし、と思っていた。
とはいえ連日のハードな観光でやや疲れ気味。息子は体力がなく、3時間ほどで「疲れた」というので、あまり無理なコースにせず、昼に到着すればいいかな、という程度で出かけた。
自然史博物館の最寄り地下鉄駅は、構内からすでに博物館仕様。夏休み期間だったので小さい子ども連れがめちゃくちゃ多い。なんか「博物館に行く」というよりは、遊園地に行くノリの親子連れが多い感じ。
駅を出たらすぐに自然史博物館に到着!「ナイト・ミュージアム」の舞台になった有名博物館。だけど内部は映画と違うけど。
ニューヨークってビルだらけなんだけど、ひとつひとつの敷地はとんでもなく広い。自然史博物館も「ぬおーでかい」という印象。
入るなり圧倒されるような恐竜の化石がドーン!日本の美術館や博物館て品質維持のためなのか自然光を入れずに薄暗い場所にあるんだけど、ニューヨークは美術館も博物館も天井が広くて、日差しが入って雰囲気が明るい!!!
ザワザワ、ガヤガヤしていて居心地が良いのだな。
息子、入るなりすでに大興奮。メトロポリタン美術館のときと同様、スイッチが入り、これまた「最初から全部見る!!!」と。おいおい、疲れやすいんだから先に好きな恐竜観たほうがいいんでないかい?と思ったが、まぁいいか。
広い展示室には、世界の地域別の動物たちが展示されている。日本の博物館て、一体の剥製をポンと置いてあるだけなのだが、こちらの博物館は生態が分かるような展示の工夫がされていて楽しい。
たとえばライオン。こういう草むらで、群れで生息しているんだなということが説明を読まなくてもわかる。動物の配置とかも考えられているし、ここには写っていないけれど、この地域に生息する鳥や虫なんかもジオラマできちんと再現されているので見ていてワクワクする。
キリンの展示も、キリンだけじゃなく他の動物がいるところが展示されている。地面にいる鳥までリアル。
鳥もひなに餌を与えている姿とか、剥製とは思えない本格的な作りこみ。小道具さんも本気出してる。巣とか水場の植物とか。
このワシもパッと見るだけで「寒いところに住んでるんだな」とわかる。長ったらしい説明なくてもわかるって大事だと思う。
このコンドル??もめっちゃリアル。住んでいる場所や気候が伝わってくるし、巣にしているのもバッファローの角?みたいなのも入っていて、そういう生き物がいる場所に住んでいるんだなと。
サイの家族に至っては、もはや癒しの境地。
こちらはイノシシ、、、と思いきや、イノシシを狙うヒョウ(チーター??)もいて、緊迫した一瞬をクリエイト。
ダチョウが卵を守っているシーンも。威嚇している姿とか、見るだけで伝わる動物たちの表情とかもすごい。
遭遇したら最後、のグリズリーも。親子で仲睦まじい。
こういうジオラマつきの展示だと、剥製というよりはもはや「よくできた動物園」さながら。子どもが多いのもうなずける。ニューヨークは一応動物園もあるようだが、柵に囲われた虚無な動物を見るくらいなら、生息地や生態までわかるこんな展示を見ているほうがいい気がする。ひとつひとつの作りこみの細かさに感動しながら夢中で見てしまった。
息子もあまり哺乳類には興味を示さないのだが、この展示は興味深かったようで、わたしと一緒に「これやばい、すごい!ディテールの作りこみすごい!かっこいい!」とキャーキャー騒いでいた。
動物の展示だけでも見ごたえたっぷりなのだが、まだ息子の愛するジャンルにたどり着いていない。
そして動物だけでなく、古代文明まで展示されており、なんじゃこりゃ豪華!
各地域ごとの服や道具を見ていると、自然の産物をうまくつかって生活していたんだなぁと感心する。この貝だらけのとかすごいっす。
そしてモアイはやっぱり人気撮影スポット。映画「ナイト・ミュージアム」のガムガムね。
などなど、ほほうと言いながら文明の進化も勉強し、次は息子が大好きな爬虫類コーナーへ。
息子は恐竜やワニなど「危険生物」に目がない。ワニなんて大好物だ。ぬおーーーと言いながら食い入るように眺める。
もうひとつ息子が大好きな「コモドオオトカゲ」。トカゲのくせに毒を持ち、ひと噛みしたらゆっくりと獲物に毒が回り、その毒で倒れた獲物をゆっくりといただく、というなんかマジで恐ろしい生き物。
ここも気合の入った展示が。獲物をしとめたコモドドラゴンと、無残にやられた動物、草や枝が転がっているのも穂の津にリアル。ひーん、怖いよぉ。
息子は目を見開いて大興奮。
ニシキヘビや毒蛇の展示も超リアル。まるで生きているようなリアルさ!
さて、そんな息子の興奮がさらに高まる恐竜コーナーへ!
みんな大好きティラノサウルスが出迎えてくれたところから恐竜コーナーがスタート。なんでしょうね。この絶対的なカッコよさは。
こちらは、展示室に入りきらずにはみ出ている大きさ。もうスケールがとんでもないんですわ。
この子の長さと、自然史博物館の大きさを比較したトートバッグ。うん、どっちもでかすぎるからあんまりイメージ湧かない。
さすが化石がじゃんじゃん出るアメリカ、化石の標本数がハンパない。日本ならこれ一体で特別展が組めるじゃん?というようなものがあちこちにゴロゴロ。
面白い頭骨を持つパラサウロロフス、パキケファロサウルスも当たり前に展示。(貴重)
もちろんトリケラトプスも当たり前に展示。ちっちゃいやつかわいい。
こちらは「デイノケイルス」という恐竜の腕の骨。指の骨が特徴的で、全身骨格が発見されずに謎を呼んだこの骨。国立科学博物館で行われた2019年の恐竜展では、このデイノケイルスを中心にが特集組まれたくらいギョーカイでは有名な化石。ここでまた見られるとは。
鎧竜なんかもばっちり全身骨格が残ってるんですわ。すごくない?この生き物がいただなんて。
インパクト抜群のティラノの頭骨!!!
お次は海の古生物コーナー。カイギュウもとにかくでかいやつを思いっきり展示。
首長竜でも短いのと長いのがいて、首長竜の短いやつ(ややこしい)
亀でかっ!
息子が古生物に本格的に目覚めた、2015年の国立科学博物館「生命大躍進」で一躍その名を知らしめた古代の魚「ダンクルオステウス」の頭骨。めちゃくちゃ貴重です。
頭骨しか見つかっていないけど、再現模型もアルヨ
めちゃくちゃやる気を感じる魚。
ほか、恐竜のくくりには入らずとも、古代の哺乳類や爬虫類もラインナップがすごい。
マンモス本気。
トナカイ的な何か。
アルマジロ的な何か。グリプトドン。
恐竜の変遷もわかりやすくミニチュアがついていて、凝ってるなぁ。
恐竜および古代生物コーナーも、日本とスケールが全く違って圧巻。科学博物館に長年通っていたわたしたちからすると、「これ一体で特集組んでたやん」な主役級のものがゴロゴロしていた。恐竜研究はアメリカが本場、ってのはよーーーくわかった。
なかなかの迫力に気圧されて疲れが出てきたので、遅めのランチを取ることに。なんかハチの巣型のかわいいレストランがあったので入る。
写真を撮り忘れたのでオフィシャルからスクショ。めちゃかわいいでしょ。
こちらでグリルステーキを注文したのだが、これがめちゃくちゃ美味しかった!!!たぶんニューヨーク滞在中で一番おいしかったのはこれ。
休憩して美味しいものを食べて元気になったわたしたち。
そしてまだまだ自然史博物館は私たちを休ませてくれない。
アリの巣を模したギルダーセンターは新しくできたコーナーだそう。ここにはなんと壮大な「昆虫コーナー」があった。
最初に目を引かれたのは「ハキリアリ」の生態展示。ハキリアリという「葉を切って運び、巣をつくる」アリを大量に飼育し、葉を採取して運び、巣をつくるところまですべてが展示で確認できるという素晴らしい取り組み!!!
葉のあるところを見ると、アリさんたちが必死こいて葉を丸く切り取っている。トンネルになった通路コーナーを見ると、その葉を必死で運ぶアリたち。巣コーナーではその葉を貯めておく場所、その歯に特殊な粘液を出してこね、巣の材料にして壁を作るアリなどがいて、もうずっと見ていても飽きない。「ぬおーー頑張れー」と思ってしまうのだ。
苦手な人は薄目で見てね
その他、擬態するカマキリや、お尻に蜜を貯める「ミツツボアリ」の生体展示など、息子が幼いころからDVDやテレビで見まくっていた珍しい昆虫の生きている姿を見るとなかなかに感動する。
ていうかあと、このテンションあがる展示室、どうよ??
日本の博物館はこういう遊びがないんだよね。予算がないからなのかなぁ。子どもたち、絶対楽しいやつじゃん。
昆虫の展示もなかなかに見ごたえがあり、ハキリアリの仕事もずっと見ていたいと思いつつ、閉館の時間が迫ってきたので慌てて別ゾーンへ。
今度は海の世界。
そもそも展示室の大きさがハンパない。国立科学博物館の外にもシロナガスクジラの実寸大像があるが、ここ部屋の中なんで。
深海のチューブワームなんかも本気で作ってある。模型が本気。
そしてマッコウクジラvsダイオウイカの対決シーンも再現。これ明るく撮ってるけど、実は真っ暗で近づいてみないと見えないほど。深海なので真っ暗を再現していてこれまた本気を感じるのだ。
何がすごいって、ダイオウイカって深海でこんなシーンを誰も見たことがないのに作ってしまうところ。まだまだ謎に包まれた世界だからこそ面白いのかもしれない。
パパゴで翻訳した以下。誰もまだ見たことがないけど、マッコウクジラについた吸盤から「たぶんこうだったんじゃないか模型」を創作。いやぁ、ロマンだねぇ。
海ゾーンも恐ろしく充実していた。けれどまだ見ていない場所があるので慌てて移動。
こちらは鉱物!!!宝石じゃなくて鉱物は科学の世界なんですってよ!!国立科学博物館の「宝石」展で初めて知ったけど、宝石ってマグマとかが圧縮されて月日とか化学反応でできたもんらしい。文系のあたしゃ最近知った話だす。
結晶をそのままひっぺがして展示してあったり
アメジストの棟(これは割とよく見る、韓国の押し売り土産屋とかでも見たw)
とかなんとか走り回っていてついにタイムアップ。もっと早く来ればよかったかもーと思いつつ、まさか息子がこんなに根性を出して全部見切るとは思わず・・・やっぱり好きなものはアドレナリンが出るのね。
ちなみに毎回最後にミュージアムショップで沈没するのも息子のオチなんだけど、自然史博物館は基本グッズが「小さい子ども向け」のものばかり。子どものころからこんなものを見ていたら、それはそれはよい情操教育になるでしょう。
日本の博物館は薄暗いし、子どもが好きそうな昆虫展や恐竜展でも静かにしていないと怒られるし、なんか「お勉強感」がすごいんだよね。字も多いし。
こうやってパッと見て「うわぁ、すごい!」と食い入ってみてしまうような展示ってすごく大事なんだけどな。予算の違いかお国柄の違いか。日本はアートやカルチャーにお金を出し渋るって聞くから予算の問題か??
と、そんなことを思いながらミュージアムショップを見ていたら、息子が見つけてしまった。「頭骨」を。
バカでかくて重さもたっぷり、こんなもんニューヨークから持って帰るんかい??と思ったが、そういえば荷物少な目でスーツケースはガラガラ。持って帰れんこともないが・・・わたしもアドレナリンが噴出していたのと、アメリカのバカ高い食事に金銭感覚がバグってしまっており、閉館間際の焦りと、100ドルというこの頭骨を「安い」と感じてしまったこともあり、思わずお買い上げ。
レジのお兄さん(おじさん?)が、「僕も恐竜大好きでこれ欲しいんだよ、いいなぁ、うらやましい」とニッコニコの笑顔で言ってくれた。そして持ち帰り用に梱包を頼むと、オッケーオッケーと箱を持ってきてくれたのだが、箱がボロボロ。緩衝材の発泡スチロールも、どうしたの??てくらいボロボロ。「ほら、完璧だろ?」と得意げに言うお兄さんに「雑なアメリカ」を感じてほっこり。いいねーこの自信満々な雑さ(笑)アメリカはこれじゃなくちゃね。
息子の部屋の窓に飾っております(その脇にセミの抜け殻。キモっ)
隣には恐竜と同じくらい好きなヴェノム(カーネイジ)。息子の部屋がおどろおどろしすぎている件。
自然史博物館の展示もさることながら、わたしはもともと曲線だったりアシンメトリーなデザインのものが大好きなので、自然史博物館のギルダーセンターはずっと座って眺めていたい気分になった。こんな夢のあるつくりの建物、めちゃくちゃ楽しくないか?
そしてアメリカの博物館や美術館に必ずある「謎の階段」。外の入り口にも必ず階段があって、めちゃくちゃ暑いのにみんな座ってる。こちらのギルダーセンター内部にも謎の階段があって、ここにもみんな座っている。個人的にはお尻が痛そうだしあまり座る気にならないのだが、座るのが礼儀なの?他にベンチとかもあるんだけどねー。まぁ、人が座っているからこそ絵になるということもあるので、「そういうもん」なのかも。
余談だが帰国後、家の近所にできたモールの真ん中にも謎の階段ができていた。そして人が座っていた。アメリカをイメージしたのかな?どうでもいいけど。
と、こんな感じでまる一日どっぷり浸かった自然史博物館。息子ができるまでは昆虫も恐竜も1ミリも興味がなく、昆虫は大の苦手、恐竜なんて怪獣と区別もつかなかったのに、息子に強制的に勉強させられ「ハキリアリまじすげぇ」とか「やっぱパラサウロロフスの頭って変よねぇ」とか「ダイオウイカなんか実物わかんないのによくフィギュアにするよねぇ」なんつって一通り息子との会話についていけてしまう自分。成長したよわたし。
そんな息子のおかげでここに来て、こんな感動を息子と味わえることを思うと、まぁ頑張ってきてよかったのかなと思う。自分一人の人生では絶対に味わえなかっただろうからね。
そして日本でももっともっとこんな面白い見せ方の展示が増えればいいのになと思う。いかにも学習じゃなく、思わず見入ってしまうようなもの。
とにかくニューヨークに行かれる際には、ぜひ訪れてみてほしい場所だ。
今日もお読みくださりありがとうございました!
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