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ブラジルで黒魔術16

息子にかけられた「赤い糸の呪い」
気付いてからそれを解くまでの家族の物語。
自分用にメモしていたものを編集してます。

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続き

土曜日は息子を連れてインディオの儀式に参加する予定で、わたしはドキドキしながら色々準備していた。

かけられた黒魔術を浄化し、解くことが出来るだろうか…

その日は他の参加者に相乗りさせてもらって、わたしたちは予定通り18:30に儀式の場所に到着した。

今回は息子が初参加だったので、
儀式について家で簡単に説明しておいた。

実は…本物のインディオの儀式はわたしも初めてで、実際どうなるかはわたしにもわからなかったのだけど。

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儀式は夜9時に始まる予定だった。

それまでわたしたちは夕食に軽いスープを飲んだり、他の参加者と静かに話したりして過ごした。

家の中でヒカルドに会った。彼は儀式をメインで執り行うマテウスの助手みたいな役割で、わたしは彼の歌声が大好きで、彼の優しさにいつも助けられている。

本当はマテウスに相談しようと思っていたけど、彼は忙しそうだったし…わたしはヒカルドを呼び止め、黒魔術のこと、息子にかけられた赤い糸のこと、そして持ってきたモノを焚き火で燃やせないかなどを相談した。

彼は一通り真剣に話を聞いてくれた後、シャーマンに相談してみると言った。そして、
でも自分たちでも、それを追い返す強い気持ちを持って参加するといいとアドバイスしてくれた。

その後、わたしは結局マテウスと話すことも、インディオと話すこともなく、儀式の準備に取りかかった。

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今回は上座に少し近い場所を選んだ。
わたしと息子は隣同士で座り、荷物を広げた。

それぞれに座椅子がある。
まずは家から持参した寝袋をゴザの上に敷いて、さらにその上に毛布を被せた。

座椅子の横にはペットボトルの水、それにバケツとコップと、ティッシュペーパーも置いて、その他必要のないものは、カバンに入れて座椅子の後ろに片付けた。

わたしは彼女から返却されたモノを持ってきていた。それもいつでも出せるように、座椅子の後ろに置いておいた。

自分の準備を終えて隣を見ると、息子も準備を終えていて落ち着いているように見えた。わたしも落ち着いていた。

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いつものマテウスの儀式とは違い、真ん中にインディオのシャーマン、その隣に奥さんと若い男性(奥さんの弟)が並んだ。

その両隣にはいつものシャーマン(マテウス)と相方レベッカが座った。
さらにその隣にそれぞれヒカルドとイザベラ(サポート役)が座った。

マテウスがいつもの様にアヤワスカの儀式についての注意と説明を始めた。初めての人もいるから、毎回ちゃんと説明してくれるのはいいと思いながら、わたしもまた新鮮な気持ちで聞いていた。

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説明の途中、急に突風が吹いた。

後ろから風が入ったので振り返ったら、中ぐらいの大きさ(そんなに大きくもないけど小さくもない)の蜘蛛がわたしの座椅子の下に入り込んだのが見えた。

そこに蜘蛛が隠れていて、儀式中に噛まれたら嫌だなと思い追い払おうとしたけど、
蜘蛛はあちこちに移動してすぐ捕まえられず、しばらくしてから結局、自分でまた外に出ていった。

本当の所は分からない。でもわたしにはそれが、なんらかメッセージのよう思えた。

悪いもの(蜘蛛の例え)は小さくもないけど、そんなに大きくもない。

そして近づいて来てビックリしたけど、自分で勝手に出ていったので、最終的にはそんなに心配することもないかなとわたしは理解した。

結局、黒魔術についても燃やすモノについても、特に何も言われないまま儀式が始まった。心配することは無さそうなので、成り行きに任せようと思った。

いつもは最初真っ暗なのだけど、今回は違って最初から焚き火に火が点いていた。

半時計回りで順番に一人ずつアヤワスカを受取に行く。

息子には、他の人の様子を見ているよう言い、
アヤワスカを飲む前に、自分の目的を明確にして伝える様にと話した。

彼の番が来た。
彼は持参したコップを持ってシャーマンの前に出た。

彼は少し長めに祈りの時間を取った後、シャーマンの目の前でアヤワスカを飲み干してから自分の席に戻った。

次はわたしの番だった。いつもより量が少なめで濃厚だなと思ったけど、そのワインの様な味はいつものより飲みやすく感じた。

シャーマンはまず、アヤワスカが全身に行き渡るまで20分ほど静かにしている様みんなに言った。

いつもは最初真っ暗闇なのだけど、今回は焚き火に火がついていて、薄明かるかった。それがわたしにはちょっと変な感じだった。

続く

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