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ブラジルで黒魔術49

息子にかけられた「赤い糸の呪い」
気付いてからそれを解くまでの家族の物語。
自分用にメモしていたものを編集してます。

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続き

実は…
ジァミリー(ゲイのお姉さん)のことを、
旦那に話した時、

彼はこれ以上その世界に、
足を踏み入れたくないと言った。

黒にしろ白にしろ、
その世界(アフリカ密教)に、
首を突っ込むのはごめんだと。

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なので連絡は、
取らないことにしたのだけど…

ポルトガル語の生徒さんがやっぱりスカートが欲しかったというので、翌週の水曜日にまた同じ場所(ジャミリーのいるお店)に行くことになった。

それで「ジャミリーにまた会ってくる」
と旦那に話したら、

もう他に方法もないし、
会っても話せない(お店でそうゆう話は出来ないからメールしてねと言われていた)なら、
仕方ないからメールすればと言った。

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少し迷ってからわたしは、
ジァミリーにもらった名刺を取り出し、
息子がいないうちに彼女にメールを送った。

すぐに返事が来た。
名刺の番号はビジネスアカウントで、
すぐにプライベートの番号から連絡が来た。

どこからどうやって話そうか❓
そう思っていたら彼女が言った。
「息子の写真を送って。
そして名前を教えてちょうだい。」と。

いつもの癖で下の名前だけ書いたら、
フルネームだと言う。

(え、名前教えて大丈夫なの?と)
ちょっとためらって、フルネームを送る前につい…言ってしまった。
「信じていいんだよね❓」と。

「もちろん!息子さんを助けるよ。
fé (信仰/信念)を持ちなさい。こないだも言ったでしょ。」と彼女は言った。

そうだった。わたしは、
自分で決めなければならないのだ。

わたしは「そうだった。」
と素直に受け止め、
すぐに息子のフルネームを送った。

彼女は夜20時に仕事が終わるらしく、
家に帰ってからまた連絡するねと言って、
会話は終了した。

その日それ以上のことは話さなかった。
翌日も1日仕事だったのかメールはなく、

夜の8時前にメールをしたら、
前日と同じように、
後でメールすると彼女は言ったけど、
結局その日何も返事はなかった。

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なんか急にドキドキし始めた。

「もしかしてわたしは、
間違った選択をしたのだろうか?
彼女は妖艶で黒白どちらとも分かりかねた…
本当は黒だったりして。
なぜもっと慎重にならなかったのだろう…」

とつい色々考えながら、
でも…

「これ以上悪くなることはないし、
わたしは彼は白だと思うし、
何よりもfé だ。わたしは自分を信じる。」
そう自分に言い聞かせた。

「彼は絶対に白だ!」
そう強く思いながらも、
やっぱり…送ってしまった写真とフルネームがつい気になって…

結局わたしはその翌朝、送信済みの写真と名前をメールから削除してしまった。

「彼女が見れる時に、
改めて送った方がいい…」
そう自分に言い訳して。 

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そしてその日の昼前わたしは、
生徒さんと一緒にまたあの店にやって来た。

彼女はとても、
いい感じで出迎えてくれた。

そしてメールのことも忘れてないよと、
接客の合間を見つけては色々話してくれた。

こないだより、
とても軽くいい人に見えた。

彼女はわたしと出会った日に見た、
奇妙な夢の話をわたしにしてくれた。
(ポルトガル語のせいもあり、早口なのもあり、よく分からなかったのだけど。)

それから彼女は、
「サンパウロから車で1時間位の所に住んでいる友達が白魔術を使う。そこへ行けば黒魔術が解けるから、自分の休みが日曜日だから今度連れていくよ!」と言った。

「あなたの家に行って、彼(息子)の部屋を見れば分かると思う」とも言ったけど、
それは旦那が嫌がるかなと思い、
聞き流した。

他にも…
前回息子の回りに何を見ていたのか、
彼が何をやらかしているか、
どうして解ききれないのか…など、
色々話してくれた。

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わたしは彼女がすっかり大好きになっていた。やっぱり彼女は白だった。

実は今朝メールの写真を消してしまったことを話したら彼女はゲイのお姉さんぽく、
「あるある~」と言って笑った。

そして(息子の)彼女の写真と、
フルネームをメールで送るように言った。

「いつか自分が休みの日曜日、
一緒に白魔術の友達の所に行こう。

でも息子は全部彼女に、
しゃべっちゃうから行かない方がいい。
それを知ったらまた、
更に上から魔術をかけられちゃうからね。」

「彼女はあなたの家の、
お金も狙ってたんだと思うよ。

その(アフリカ密教の)宗教センターに出入りしてるなら、
君たちの写真をネットで探して、フルネーム言ったら何でも簡単に出来ちゃう。
アイコンの写真変えた方がいいよ。」

お客さんのいなくなった隙を見ては、
彼女は色々話してくれた。

そして「メールするから、また話そう。」
と言ってわたしたちはお店を出た。

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彼女は一体どっちなんだろう❓
という前回の疑問は一気に吹っ飛んだ。

彼女はとても素敵な人だった。そして、
どこで何をすればいいかを知っている。

ここに導かれたこと、
2匹の蜂の死骸、
この先の展開を考えて、
わたしはめちゃめちゃワクワクしていた。

続き

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