見出し画像

ひるねこBOOKS WEBSHOP限定/柊有花書店について

ワークショップや、グッズのお取り扱いでとてもお世話になっているひるねこBOOKSさん。自粛が要請されるなか、わたしになにかできることはないかとお話しする中で、花や植物をテーマに選ばせていただいた本をご購入頂いた方へ、ポストカードと詩のプレゼントをすることになりました(ひるねこBOOKS WEBSHOP限定)。
この企画に、「柊有花書店」という名前をつけてくださったひるねこBOOKSさん。本当に恐縮しています…。

意思を持つ

ポストカードは、グロス感のある印刷です。つや。

画像2

詩は3編ご用意し、ランダムに添えていただくことになりました。おみくじのように楽しんでいただければうれしいです。いまは写真をのせないでおきますが、またあらためてご紹介するかもしれません。

選書させていただいた本は、ひるねこBOOKSさんのWEBSHOPでご覧になれます。

せっかくなので、本についてご紹介させてください。

『よあけ』 ユリー・シュルヴィッツ(著, イラスト)瀬田 貞二 (翻訳)
表紙にひかれてページを開けると、そこに広がるのはおだやかな日々の暮らし。淡々とおこなわれる動作ひとつひとつが、うつくしい色彩とともに心にしみこんでいきます。読みながら思い出すのは、誰かとの1シーンかもしれないし、昔空想した、どこかの世界のことかもしれない。けれど、そのどちらも実感があります。手応えがあります。そんな、日々のいとしい瞬間を収めた絵本です。

『イギリス 野の花図鑑』 ヘンリー・テリー(著)

本屋さんで勧めていただいて購入した一冊です。ヴィクトリア期、お父さんが娘たちのために描いた、たくさんの野の花の絵。そのどれもがいとおしく、お父さんが娘たちに向けるやさしいまなざしを想像させられて胸があたたかくなります。ちなみにこの著者の方、この絵を除いて、ほとんど情報がないそうなのです。でも、ひとはこの世からいなくなっても、そのあたたかいまなざしが今もなお引き継がれ残されていることに、大きな希望を感じます。

『そんなふうに生きていたのね まちの植物のせかい』 鈴木 純(著, 写真)

電車に乗って遠くへ行かなくても、自分の家の周りをすこし歩くだけで出会えるたくさんの野の花たち。急いでいるときは気づかないけれど、家の周辺で過ごすことが多いいまのような時期は、普段よりも花の存在が目につきます。蔓を伸ばし、茎を太くし、つぼみがつき、咲いて、散っていく。そのひとつひとつに心が大きく動かされます。それはいままでとは違う誰かとのひそやかな(いや、にぎやかかもしれない)会話のはじまりのようで、驚きと喜びに満ちています。いまここで暮らしているということを深く実感させられる瞬間です。

『石の辞典』矢作ちはる(著), 内田有美(イラスト)

鉱物はなぜこんなにも心をとらえて離さないんでしょうか。わたしとは尺度の違う時間軸を持ち、静かに光をたたえている鉱物たちを見ると、感覚が反転するような、不思議な感覚にとらえられることがあります。圧倒的ななにかにくらくらしながら、心はぐいぐいひかれていく、その不思議な魅力の片鱗に触れられる一冊です。

『リスからアリへの手紙』トーン・テレヘン(著), 柳瀬尚紀(翻訳)

本屋大賞翻訳部門を受賞した、『ハリネズミの願い』の著者による最新作です。まず、表紙からして心が躍ります。リスさんはいったいどんなお手紙を書いたんだろうと、ページを開ける前からきゅんとしてしまうような魅力があります。個性的な動物たちがのびのびと暮らす姿を見ると、普段の自分はどうだろう、心の余裕を失って、誰かの個性を否定したりしていないだろうか…と自らを省みたりもします。

『たんぽぽの秘密』 森乃おと(著), ささきみえこ(イラスト)

黄色は元気が出る色と言われていますが、この本は表紙から心がぱっと明るくなるような魅力にあふれています。本屋さんで見かけたら、まずまちがいなく手に取ってしまう気がします。散歩のときも、たんぽぽを見かけるとなんだかとてもうれしくなるのです。なんでしょう?「あ!たんぽぽ!」と思わず声に出したくなるような喜びがあります。そんなかわいいたんぽぽたちの魅力に迫る一冊です。

今回選ばせていただいた本はどれも、なにげない日々の喜びにあふれています。「いつも」が恋しくなるいまだからこそ、手に取りたくなるような本たち。お子様から大人まで楽しめるように幅広く選んでみましたので、もしよかったらぜひ読んでみてくださいね。

いままで、たくさんの喜びと、平穏と、さまざまな世界の見方を本から教えてもらいました。SNSでも本に費やす時間が多くなったと話す方が増えている中で、その本をあつかうひとたちのことがとても気になります。多様性を担保し、居場所を作ってくれる「本」という文化を、静かに守ろうとしているひとたちにわたしは助けられています。

わたしは悲観的なところがあって、すぐに悲しみや不安でいっぱいになってしまいます。挙げればきりがないです。でも、このひと月ほどのあいだ、いろんなことを考え、感じたいまは、それがどんなにわずかな希望でも、信じて届けようとするひとになりたい。そうつよく思います。


この記事が参加している募集

おうち時間を工夫で楽しく

いつもお読みいただきありがとうございます。いただいたサポートは、これからの作品作りに使いたいと思います。