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この記事は、呼吸法・ヨーガの師である高橋玄朴先生が講師を務められる筑波大学『みんなのヨーガ』というご活動のメールマガジンに掲載していただいたものです。
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 私は子どもが産まれてからそれ以前に比べ、日常生活の中で五感を働かせ生活するようになったように思います。
例えば、買ってから少し日が空いたお肉はまず色を確かめ臭いを嗅いでから使う、子どもと離れた部屋にいるときは、声や音に異変がないかを察知できるよう片耳は常に子どもに向ける…そんなことを自然とするようになりました。

 また、9歳になる息子は脳性麻痺のため、一人で座ったり立ったり歩いたりすることができず、介助をするときは、腕も足も顎も…自分の身体で使えるところはフル活用するようなこともあります。
そんな時は特に『母ライオン』が子どもの首の裏をあまく噛んで運ぶような気分です。

 9月のみんなのヨーガ講座は、幸運なことに息子がデイサービスのお泊り会に行く日と重なり、オンラインではなく初めて筑波大学で直接玄朴先生の学びを受けることができました。

 テーマの一つであった『香り』というお話の際に、“嗅覚は原始的な能力”という説明があり、食品の臭いを嗅いで危険かどうかを確かめている自分とリンクしました。

 ただ、自分の視覚や嗅覚だけでは不安で、表示されている賞味期限や消費期限、さらにインターネットで調べた安全基準の数字なんかに囚われ、逆に判断に迷うことも多々あります。これは『香り』という点だけでなく、生活のさまざまな点においても言えるような気がします。

 現代人が生活の中に取り入れるべきことは、マニュアル化・デジタル化し過ぎた現代の習慣を見直し、野生の中で生きる『母ライオンの気分』で感覚を研ぎ澄まし、日々のさまざまな出来事に対し、たくましく身体を使えるような能力を身につけることではないか、そんなことを思うのです。











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