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子どもの誕生は、立ち止まって、生き方、働き方を考えるタイミング 

同僚から言われた「何かを得たら何かを失う」という言葉

私が子どもを産んだのは、正社員で勤務をしながら、子育てをする人はあまり多くなかった時代。育休は保育園に入れなくても満1歳まで。時短勤務が3歳までようやく義務化されたばかりの頃。男性の育休などありえない時代。

教育学科卒で、幼児教育に価値を感じていた私にとって、子育てはけっこう楽しみでした。とはいえ、仕事も大好き。キャリアも積んでいきたい。ずっと女子校で育ち、会社も当時にしてはめずらしく女性のコース別採用(当時、女性はキャリアを目指す総合職か補助的な仕事の一般職かを入社時点で決めなければならない会社が多くありました)をしていない会社で、性別を意識したことなど一度もなかった私にとって、「子どもを産み、母になる」ことで、「今までできたことができなくなる」という現実に直面することになったのです。

リモートワークなどとんでもない。往復2時間近くかかる通勤時間もあり、時間的な仕事と子育ての両立を目指すことが精一杯。32歳で第一子を産んだ私は、それまでキャリアを積み、それなりに自分の仕事に誇りと自信をもっていたのに、復職後は目の前にある仕事をこなすだけの日々に、「なんて私はダメなんだ」「同期とどんどん差がついてしまう」「この先のキャリアはどうなってしまうのだろう」とキャリアについて悩み、「こんな小さい子どもを保育園に長時間預けてかわいそうではないか」特に子どもの体調が悪い時に預ける時は胸が張り裂けそうなくらい苦しい気持ちになりました。男性が育児に参加するという概念がない時代。ほぼ毎日終電やタクシー帰りで猛烈に働かざるを得ない夫に対して、「なんで私ばっかり休まなくちゃいけないのよ」とぶちきれる日々。

そんな日々の中で以前同僚から言われた言葉を思い出します。「何かを得たら、何かを失う。すべて持ち続けることなどできない…」そうだよね。誰かのお世話がないと生きていくことすらできない乳児、想定外の行動をする幼児。一瞬たりとて目を離すことができない子どもを育てる親になった今、今までと同じような働き方ができることはないのです。

人生100年時代。生きる時間、働く時間は長くなるけれど、子どもと一緒にいられる時間は変わらない。

平均寿命は男女とも80歳を超え、明治時代の平均寿命は60歳くらいだったことを考えると、私たちの生きる時間はずいぶん長くなりました。しかし、子どもと一緒にいる時間はどうでしょう?18歳成人と考えると、人生のわずか18%。さらに言ってしまえば、小学生になると子どもは親から離れて行動することが増え、どんどん自分の世界をもつようになり、親と一緒にいる時間は短くなっていきます。と考えると、親子で過ごせる時間は人生が長くなったからといって長くなるわけではありません。人生が長くなれば、子育てが終わってからでも、十分に時間は残されています。貴重な親子の時間をどう過ごすのか、改めて考える必要がありそうです。

マインドフルネスキャリア®という、今を大切にする生き方

無我夢中の第一子の復職後の生活。いつまでこんな綱渡りが続くのか、仕事も子育ても中途半端な自分がほとほと嫌になっていた頃、第二子の産休に入りました。第二子妊娠中は切迫早産などのトラブル続きで、それも仕事との両輪生活を苦しくしていたのだと思います。第二子の出産直前に体調も悪化、産後に受けた人間ドックで命に係わる病気の可能性を指摘され、大きな手術も受けました。そのような経験から、「今、生きていることが奇跡!」という思いが強くなり、第二子の育休中は、「私はこれからどう生きるのか、どう働くのか」リフレクションの時間を意識的にとるようにしていました。キャリアでよく使われるwill-can-mustの考え方や子どもの成長と自分のキャリアを描く未来予想図など、何度もなんども書き直しながら「子どもにとっても、自分にとっても、周囲の人にとっても幸せな選択とは?」を考えたのです。今、自分が価値だと感じていることに自分のリソースを注ぐ勇気、そのための自分軸を持つことの必要性を感じ、マインドフルネスキャリア®という考えに基づいて生きてきたことで、私の子育てとキャリアの両輪生活はとても幸せなものになりました。
💛このことについては著書の中で詳しく書いています。

自分軸、価値軸が見えると、後悔しない人生の選択につながる

仕事と子育ての両立支援制度はここ20年ほどで充実し、仕事と育児の両立に関する企業研修を行うと、多くの方が「時間的な配慮はほぼ満足」とおっしゃいます。しかし「キャリアについて悩む」「時間がないので、目の前にある仕事をこなすだけで、なかなかキャリアアップにつながる仕事に着手できない」という声をよく聞きます。またパパ育休の取得の有無に関わらず、パパが育児に関わることが増えている中、男性もキャリアと子育ての両立に悩んでいる方も多く見受けられます。
また、どのように子どもを育てるのか、教育について興味関心を持つ方も多くいらっしゃいます。
多様性の世の中、どんな生き方でもできる。学びの選択肢の多種多様。自らの選択に任されているから迷うのではないでしょうか。
長い人生の中で、いくつかのターニングポイントがあり、その多くは後からあの時がターニングポイントだったと気づきます。どんな生き方もできる今だからこそ、意識的に自分のターニングポイントを設定し、自ら生き方を選択してみてはいかがでしょうか。子どもの誕生は間違いなく大きな人生のターニングポイント。ここで一度、立ち止まり、今の自分軸、価値軸をみつけ、それに従った生き方ができれば、きっと後悔しない人生につながっていくことでしょう。
💛人生100年時代の子育てを考えるオンラインワークショップ「LIFE SHIFT JOURNYスペシャル版」を開催します。授乳しながら、お子様をあやしながらもOK。同じ時代に子育てをする仲間とこれからの人生について考える時間です。

#ワーママあるある #ワーパパあるある #子育ての悩み


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