神話比較と平和

 神話っておもしろいですよね。
 世界中のあらゆる文化に神話があるように見えます。

 今回の題材はこちらからです。

※上の文庫版/Kindle版のほうが、版は新しいようです。

 主神が男性の神話もありますし、女性の神話もあります。
 日本の神話は後者に属しますが、これはどうやら農耕文化の典型的なパターンのようです。

 神話のテーマは、多くの文学、その他ファンタジー作品などにも多様されています。

 一神教が発生した砂漠の地域は、農耕には適していません。
 こういう場所では、狩、牧畜が中心になるので、主神は男性、戦いの多い神話になるようです。

 かつては民族ごとに生活し、自身の仲間と異なる民族は敵、殺しても良い対象、という扱いでしたから、こういう神話が機能していたのでしょう。聖書など、古い一神教の文献は、他民族との戦いを推奨している場面もあります。
 現代では、人種等にかかわらず、すべての人に同様に権利がある、というのが一般的な考え方です。その考え方と、こうした戦いの神話は相容れない面があります。

 それにもかかわらず、神話はそのまま存在し続けていますし、エネルギーなどを巡る戦争も、繰り返されています。(たいていの戦争は石油等が目的ですから。中国は自分たちで掘り出す技術が足りないだけですが。日本は実は資源が豊富なので、要注意です)
 ハンター/遊牧民たちは、もともと食糧や牧草地を狙っていましたが、現在は経済がメインなので、どうしてもエネルギーになりますね。

 新しい神話はなく、「新聞を読めばいい」と本の中では言われていましたが、偏重報道の問題があるので、今なら世界の情報に触れること、という話になるかと思います。

 相変わらず、いくら勉強しても足りないと感じるのが平和領域です。

 この本は本当におもしろいですが、厚みもありますし、読書慣れしていない方には、ちょっと読みにくいかもしれません。


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