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22、SDGs先進国の価値観をモデルにする

さて、ここまでデンマーク社会を支える基本的な価値をご紹介してきました。

1、安心感 2、主体性 3、平等 4、オープン

いざというときに国がサポートしてくれる安心感、安心感があるからこそ生まれるポジティブな主体性、より良い人生を目指せる土台づくりとしての平等、そして市民を信頼して情報公開するオープンさ。

この4つがあることで、デンマークは全体的に信頼に基づいたポジティブなサイクルを生み出すことに成功しています。

4つの価値はつながっている

ここで、もう一度ポジティブなサイクルを見てみましょう。

信頼 → 安心感 → 自己肯定感 → 自然体でいられる心地よさ → オプティミズム → 勇気 → ポジティブな感情からくる主体性 → 自己決定 → 挑戦心 → 情熱 → 自由(自分の人生を自分でコントロールしている感) → 幸せ → 心のゆとり → 寛容さ(他人を尊重) → 平等実現 (→ リベラルな社会) → 多様性を包摂する連帯感 → みんなにオープン → 透明性 → 信頼

見ていただくとわかる通り、この4つの価値はつながっています。安心感があるからこそポジティブな主体性が生まれるということは指摘しました。さらに、ポジティブな主体性を持てるからこそ幸せを感じることができ、幸せを感じることができるからこそ心にゆとりができて、他者に目が向き「みんなの幸せ(平等実現)」を考えることができるのではないでしょうか。そして、みんなを平等に尊重し、信頼するからこそ、オープンに情報公開ができるのではないでしょうか。

信頼ベースのポジティブサイクル

また、注目したい点は、信頼に始まり、信頼に終わり、価値が循環しているところです。どんな国でも社会でも、そこには一定の信頼関係はあるはずです。皆さんも、家族・親戚・仲間・友達・同僚など、規模の大小はあっても信頼で結ばれている関係というのはあるのではないでしょうか。(誰も信頼できる人がいない、という人もいるかもしれませんが。そう感じる人がいてもおかしくないと思います。)

自分が信頼している人たちとの輪を思い浮かべると、このポジティブなサイクルの雰囲気がつかめるかと思います。

ただ、それが自分の身の回りから一歩離れて「社会」となった場合はいかがでしょうか。「政治」となった場合はいかがでしょうか。

日本が弱いのは、この部分です。身近にはいない見知らぬ人たちや、国を動かしている政治などへの信頼が薄いのが日本の現状です。もっといえば、信頼が薄いだけでなく、無関心になっているのです。

逆に、社会や政治に対する信頼感があり、関心をもって積極的に関わるのが、デンマーク人です。そして、デンマーク人が社会や政治を信頼できているのは、安心感・主体性・平等・オープンという4つの価値を大切にした社会づくりができているからです。

安心感・主体性・平等・オープン →   信頼をベースとしたポジティブなサイクル

SDGs先進国から未来をリードする価値観を学べ

デンマークはSDGs先進国です。世界はSDGsを目指しています。とすれば、SDGs先進国デンマークを支えている基本的な価値観は、これからの未来をリードしていく1つのモデルになるのではないでしょうか。

そして、このモデルを参考にできるのは、国に限りません。自治体も、大企業も、中小企業も、NPOもNGOも、同好会もサークルも、家庭にも当てはまります。つまり、このモデルは私たちが属している身近な組織に当てはめて応用できるということです。

SDGs先進国の価値観モデルを応用する

いかがでしょうか? 皆さんの属している組織には4つの要素がありますか? ここでチェックしてみましょう。皆さんや、皆さんの組織に属している人たちは、以下のチェック項目についてどのように回答するでしょうか。

1、安心感がありますか? 2、安心感に支えられたポジティブな主体性をもって行動できていますか? 3、平等なチャンスを持てているように感じますか? 4、必要な情報がわかりやすい形でシェアされているように感じますか? 

おそらく、全部マルがついた方の属している組織では、信頼関係をベースとしてポジティブなサイクルができているのではないでしょうか。

逆に、マルが不足している場合は、安心感・主体性・平等・オープンといった4つの要素を意識すると、組織の体質をポジティブに転換できるかもしれません。

いかがでしたでしょうか? 

キーワードは「安心感」「主体性」「平等」「オープン」です。

世界をリードするSDGs先進国を支える価値観のモデルが、何らかの形で皆さんのお役に立てれば幸いです。


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