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会社員から経営者になってぶつかった2つの壁と、それでも「対話を諦めない」大切さ

株式会社すきだよCEOのあつたゆかです。2020年ももうすぐ終わりですね。

「『すきだよ』という名前の会社があったら楽しそう!」という勢いで起業して1年ちょっと。

カップル・夫婦のパートナーシップ課題をとにかく解決したいという情熱と勢いだけで突っ走ってきましたが、会社員との違いに戸惑い、自分の未熟さを毎日痛感しまくった1年でした。

もともと上場企業の会社員だった私が、経営者になって学んだことについて振り返ってみたいと思います。

起業初期にぶち当たった2つの壁

この1年、事業を立ち上げる中で2つの難しさと闘っていました。

1つ目は、「意思決定」にかかるプレッシャー

この1年間、とにかく難しかったのが「意思決定」。経営者になると、資金調達も採用も、戦略はすべて自分次第。戦略が間違っていたら会社の死に直結します。

あらかじめ決められた戦術を実行することと、戦略をゼロから描くスキルは全くの別物なのだということを痛感しました。

会社員として勤めているサイボウズはかなり裁量があり、0から大きめの施策を任されることも多かったのですが、でもそれは

・上司が大まかな戦略をすでに決めてくれている
・その施策を実行できるのに十分な予算・チームが用意されてる
・相談できる上司がいる
・失敗しても会社は死なない

という条件が揃った上でのプレイだったんだなと。「自分、そこそこ成果出せてるかも」なんて思っていましたが、経営者となると全く別のスキルが求められるのだと知りました。

難しかったことの2つ目は、経営者という立場の孤独さとどう折り合いをつけていくかということ

私の場合は、まだ良好な夫婦関係に投資する習慣がない、まだ市場が存在しない領域で起業をしてしまったので、いろんな人に「この領域はかなり難しい」「儲からないからやめたほうがいい」と言われ、何度も絶望しました。

しかも、戦略がイマイチだった場合にメンバーや関係者を振り回してしまうのは自分。

そんなプレッシャーの中で、サービス開発にあたりいきなりプロダクトマネージャー的な役割になり、開発用語も耳慣れない中でメンバーの指揮を執っていくことも申し訳なく、とにかく自分が未熟すぎて消えたい、そんな感じでした。

ほかにも、

・いろいろなアドバイスを毎回深刻に捉えるあまり、いつも自分がダメだと言われてるようで自信をなくす
・業務委託メンバーが家庭都合などやむを得ない事情で抜けるときも「自分の人望がないからだ……」と落ち込む
・結果、自分でなんでも業務を巻き取ってしまいハードワークで体調を壊しかける

などで募っていく孤独感と行き詰まり感。

社員に裏切られたわけでもないし、億の借金を背負ったりしてるわけでもないのに、こんなに落ち込むなんておかしい。他の起業家はもっとつらい思いをしてるはずだ。自分のメンタルの弱さにどん引いて、さらに自分を責めてしまう悪循環。

どの場面でも、同じレイヤーでフラットに相談できる相手がおらず、なんでもひとりで受け止めすぎてしまっていたように思います。

同じ熱量で事業に向き合えるメンバーのジョインに救われた

そんな私を救ってくれたのは、バックエンドエンジニアメンバーのジョイン。

今までひとりで頭を抱えていた「方向性わからん!! どうしよう!!!」という悩みをメンバーにさらけ出せるようになって、メンタルがかなり安定しました。

「メンバーを振り回してしまうのではないか」と、意思決定すること自体が怖くなっていた私に対して、「振り回すとか振り回さないとか、気にしなくていいですよ」「何度も壊して、作り上げていくものだと思ってるんで」とメンバーが力強く言ってくれたのは本当に大きかったです。

経験豊富なメンターを持つことも大事ですが、ビジョンに共感してくれて、同じ目線・同じ熱量で考えてくれるメンバーの存在はやっぱり特別。

弱音をちゃんと吐き出せる相手がいるかどうかって、健全なメンタルで経営をしていく上でめちゃくちゃ大事だと思い知りました。それに、自分の大切な事業に対して同じように情熱を傾けてくれるメンバーがいると、シンプルに超がんばれます。

パートナーシップでも経営でも、対話を諦めないことが大切

また、この1年は「対話を諦めない大切さ」を学んだ1年でもありました。

社内ですれ違いが起きてしまった時に、インターン生の子がこんなことを言ってくれてとても嬉しかったのを覚えています。

事業をやっていると、社内・社外ともにすれ違いは日々発生します。でも、大体はお互いが持っている情報の違いや解釈の違いですれ違う場合がほとんどで、誰も悪くないケースが多いです。

誰かのせいにせず、無責の概念で課題を構造的に捉えること。事実と解釈を分けること。モヤモヤしたときにお互いに伝え合える心理的安全性を築くこと。そしてとにかく対話を諦めず、真摯に向き合い続ければ、最悪の結末にはならない。

パートナーシップでも経営でも、人との向き合い方は変わらない、そんなことを学んだ1年でもありました。

どんなにしんどさを感じても、原点に立ち返るとやっぱり思うのは「だれもが大切な人とずっと幸せでいられる社会にしたい」ということ。

「『ふたり会議』のおかげで、今まで切り出しづらかったことをパートナーとすんなり話し合えた」なんて声をいただくと、つらさも吹き飛びます。

ユーザーさんやフォロワーさん、メディアの方をはじめ、「応援してます」と言ってくださる方は多く、いつも励みになっています。辛い時も手を差し伸べてくださる方も多く、本当に救われました。

家族の形が多様化している時代。固定された役割ではなく、ふたりがふたりらしく生きるために。カップル・夫婦のパートナーシップ課題をテクノロジーでサポートすることで、社会を少しでも良くしていきたいなと思っています。

というわけで来年もサービスを磨き込みつつ、もっともっと社会にインパクトをもたらせるようがんばります!(採用もがんがんやっていくので、興味ある方はDMください!)


いただいたお金は、結婚生活を円満にするwebサービス「ふたり会議」の開発費用にあてさせていただきます!