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【絵本紹介】初めて出会う子どもたちに~小学校の読み聞かせボランティアをして読んだ絵本~


7月~9月の間、地元の小学校で「絵本の読み聞かせボランティア」をしていました。

その時の記事はコチラ


私には楽しくいい時間だったのですが、思いがけない職場復帰であえなく「しばしお休み」となってしまいました。

6回の読み聞かせで訪れた教室は、たまたまですが、1~3年生という、低学年でした。
(そのまま続けていたら、高学年にも行けたんですけどね)

アタリマエですがどこに行っても「はじめまして」なわけで、私の絵本リストの中でも「惹きつけ度☆5つ!」のような絵本を読みました。

今回はその絵本たちのご紹介です。




■1と7(二宮由紀子 文 高畠純 絵  ひかりのくに)


すうじの1と7がけんかをしました。

お互い、「名前が2つある」「ぼくは数が多い」「ぼくは一番最初だからいい」などなど、さまざまな言い分を並べ立てます。

そこへほかのすうじたちがやってきて……。


へえええーーーーー

数字がけんかしたらこんな言い分があるんだーー、と初めて読んだときは妙に感心してしまいました(笑)

子どもたちも「登場人物が数字」というのが意表をつくようで、初めはしーんとしていますが、途中から数字の言い分に「たしかにー」「~~ちゃうん?」とつぶやきが漏れていました(^^)

最後はもちろん仲直り。

相互理解のお話としても読める絵本です。←教師目線(^^;)


*拙著『学びにスパイス!』の算数の章でもご紹介しています。



■やさいのおなか(きうちかつ 作  福音館書店)


はじめの見開きが、野菜の断面のシルエット。
次の見開きで答えがわかるという構成で、次々と野菜が紹介されます。

身近な野菜ばかりなんだけど、大人も「ん? 何だっけ?」と考え込んだりしてしまう、有名な幼児絵本です。


「これなあに?」という問いかけで進むので、子どもたちがシルエットを見ては答えを言う、参加型の読み聞かせになります。

表紙を見た時には「それ知ってるーー」と自信ありげな子どもたちも、途中で迷ったり、他の野菜と混同していたりするのがかわいいですよ。

これ、私は低学年で読みましたが、かつては6年生が司書さんに読んでもらっていたこともありました。

もちろん、ちゃんと楽しんでいましたよ。
低学年ほどのリアクションはありませんでしたが(笑)

いい絵本って、ほんとに年齢を選ばないんだなあと思います。




■ゆびたこ(くせさなえ 作  ポプラ社)


わたしはもうすぐ小学校の1年生。
だけど、ゆびすいがやめられない。
気がつくと、左手の親指を口に入れて、チュッチュッとすっている。

お父さんにお説教されて、「もうやめる!」と言ったのに、やめられない。

気がつくと、ゆびにできたたこが、わたしにはなしかけてきて……。


1年生あたりだと、自分が指を吸っていたことを覚えている子も多く(なんならまだ現役で吸っている子も 笑)、「わたし」には共感がわくようです。

それが「ゆびたこ」の出現で、一気に教室が「この先どうなるんだろう」の空気に包まれて、バラエティー番組のオーディエンスのようなリアクションが返ってくるのが、毎回楽しいです(^^)

冒頭に挙げたリンク先「一冊の絵本がもたらす、教室の一体感と体験の共有」にもこの絵本のエピソードを書きましたので、よかったら併せてお読みくださいね。




■オレ、カエルやめるや(デヴ・ペティ 作  マイク・ボルト 絵  小林賢太郎 訳  マイクロマガジン社)


おとうさん、オレ、ネコになることにするや。

おまえはネコにはなれないよ。

じゃあオレ、ウサギになることにするや。

おまえはウサギにはなれないよ。


こんな調子で、お父さんと子どものカエル(オレ)の会話が進みます。


オレが他のものになりたい理由はわかるのですが、さて、オレの願いはどうなるのやら。

子どもたちからも、オレの言い分には共感や疑問のつぶやきがよく聞かれる絵本です。

何より絵が大きくはっきりしていて、文字も大きく目立つのが読み聞かせ向き!←そこ?

子どもたちにも内容共々、わかりやすいんですよね。

カエルの「オレ」シリーズは何冊か出ていますが、どれも楽しくて、おすすめです。




■ま、いっか!(サトシン 作 ドーリー 絵  えほんの杜)


めざまし時計の音で、テキトーさんは目をさましました。
たいへん!時間をまちがえたのか、もう会社はちこくです。

でもテキトーさんは「ま、いっか!」とあわてません。
急いで会社に行ったって、ゆっくり行ったって、ちこくはちこく。

それがテキトーさんの考え方でした。


一事が万事、この調子でお話が進みます。

バスを降り忘れても
海で服を流されても
荷物が全部なくなっても
「ま、いっか!」で片づけてしまう謎の強さ(笑)

子どもたちも半ば呆れながら「それあかんやろ」「会社行け会社!」「警察につかまんぞ」と突っ込みまくりです(笑)←さすが大阪の子???

担任の先生も一緒に笑いながら聞いてくださっているのが、また楽しい!


一つ難点を挙げるとすると、文字がやたら小さいこと。
シニアが読むには辛いかも(^^;)

ストーリーも楽しいのですが、絵もカラフルでくっきり見やすい、子どもたちに人気の絵本です。

トラブルも「ま、いっか!」と捉えて、心が軽くなるといいですね。

*拙著『笑顔あふれる学級づくりに役立つ 読み聞かせ絵本50』でもご紹介しています。




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電子書籍を出版しています。


子どもたちの心に種をまくように、ちょっと心に響いたり、何か行動してみようと思えたり、そんなきっかけになる絵本を紹介しています。



主に小学校の教科の学習の中で、関連づけて読み聞かせができる絵本を紹介しています。



それぞれの季節に合わせて読み聞かせできる絵本を紹介しています。



子どもたちにも人気の、読み聞かせで鉄板ともいえる絵本を紹介しています。
なぜ小学校で読み聞かせをするのがいいのか、学級づくりにどう役立つのか、そんなことも書いています。



2021年9月に出版した、初めての電子書籍です。
子育て中であり仕事にも忙しかった小学校の先生の私が、少しずつ意識を変え、生活を変え、夢を叶えていったお話を書いています。



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