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【絵本紹介】1月に読み聞かせした絵本から


1月はお正月に始まって七草がゆ、十二支、七福神、伝統遊び、冬……etc
季節を感じる絵本のテーマがもりだくさん!


大阪に住む私にとっては1月17日の阪神淡路大震災も、絵本を読んで伝えたい、大事な日でもあります。


とはいえ担任ではない私が読み聞かせできる日は限られていて、終わってみれば今月はこんなラインナップになりました。


1年生は、どのクラスでも楽しんで、時にはしーんとして聞いていて、短いながらいい時間を過ごせています。





■ゆきのひのホネホネさん(にしむらあつこ 作  福音館書店)


ホネホネさんは、ゆうびんやさん。
ゆきでまっ白になって道も見えなくなった村を、スキーをはいてシューっとはいたつにでかけます。
つもった雪で見えない穴をさがしてほりあてたり、こおった池に穴をあけてとどけたり、さむい雪の日ならではのはいたつをします。


ゆうびんやの「ホネホネさん」シリーズの一冊です。
最後はクリスマスのパーティーの場面なので、ほんとうならクリスマス前に読むのがいいんでしょうね。
時期を逸して1月の登場となりました。


もう20年ほど前の話になりますが、私が初めて「ホネホネさん」というキャラクターを見た時は、正直言って「なんじゃこりゃ」という感想でした。
でもなんだかじわっとくるんですよね。ホネホネさんの魅力って(笑)


もっとも聞いている子どもたちはホネホネさんがどうこういうより、配達先の「土の中アパート」や「池の中のおうち」、道も見えない雪の中をスキーで移動する、という場面設定に惹かれているようでした(^^;)
大阪に住んでいてはとても体験できないような雪景色ですもんね。






■ゆずちゃん (肥田 美代子 作  石倉 欣二 絵 ポプラ社)


ゆずちゃんの夢は、ふうせんやさんになること。
羽を傷めた鳥も、けがをした猫も、ふうせんをつけると元気になる。
そんなふうせんを、世界中の子どもに配ること。


でも、そんなでっかい夢を持ったゆずちゃんは、大きな地震で家の下敷きになって亡くなってしまいます。



クラスメイトのたいちくんが語る、ゆずちゃんと地震の話(実話)です。
阪神淡路大震災の当時、こうやって、友だちと突然の別れを強いられた子どもたちが数多くいたのだなあと、改めて思わされます。


阪神淡路大震災から今年(2024年)で29年。
子どもたちにとってはもう、「歴史上のできごと」なんだろうなと思います。
お隣の大阪とはいえ、あの震災を体験した者としては、できるだけ子どもたちに、いえ、体験していない若い先生も含めて語り継いでいきたいなと思っています。




■おにぎりがしま(やぎたみこ 作  ブロンズ新社)


ひとりぼっちのこたろうが小舟で見つけたおにぎりから、おにぎりおにが出てきました。
無人島にたどりつくと、おにぎりおにはもうれつにはたらきはじめます。
岩をくだき、木をたおし、雨水をためて田んぼを作り、きんいろの田んぼができました。
かりとったいねから米をとり、大きなおかまでごはんをたいて、「おにぎりつくろ!」と、つやつやごはんをにぎります。


無人島に流れ着いてからの展開に、1年生は「どうなるんだろう」と言わんばかりの感じで聞き入っていました。
見開きに一面いろんな種類のおにぎりが描かれたページでは、思わず前に出てきてのぞき込む子もいたくらい(笑)


おにぎりがしまにやってきたお客さんたちは、昔話の主要人物ばかり!
てんぐ、かっぱ、やまんば、etc.
これをきっかけに、「お客さんたち」が活躍する昔話を読んでみるのもいいですね。


1月17日は「おむすびの日」。
阪神淡路大震災での「ボランティアの炊き出しのおむすび」がきっかけになって制定された日なんだそうです。
そんな「おむすびの日」と、1年生が国語で学習している「むかしばなし」をリンクさせて読んだ絵本でした。





■ばけタクシー(藤重ヒカル 作  福音館書店)


ほんのちょっとむかし、やまおくに人をばかすのが大すきなタヌキたちがすんでいました。
ふもとの町には人がたくさんいるのに、山にはだれもやってきません。
今の人たちは「タクシー」というものに乗るらしい、じゃあタクシーに化けて人を乗せて、山に連れてこようとタヌキたちは考えつきます。
うまくタクシーに化けられるよう、あれこれ知恵をしぼって……。


昔話のようなそうでないような、でもとっても楽しいお話です。
ちょうど1年生が国語で昔話を学習しているところだったので、その関連で読み聞かせをしました。
昔話ならではの「タヌキが化ける」のと、近代的な「タクシー」との対比がおもしろいんですね。


子どもたちも展開が気になるようで、ページをめくるたびにリアクションいっぱい!
お話を楽しんでいる様子が伝わってきて、読んでいる私も楽しかったです。





■どろんこハリー(ジーン・ジオン 文  マーガレット・ブロイ・グレアム 絵  わたなべしげお 訳  福音館書店)


ハリーは、黒いぶちのある白いいぬです。
なんでもすきだけど、おふろに入ることだけは大きらいでした。
ある日ハリーは、おふろにお湯を入れる音がきこえてくると、家の外ににげだします。
あちこちであそんでどろだらけになったハリーが家にかえると……。


「1月に読んだ絵本」として季節感があるのかと聞かれたら、それはありません(^^;)
一年中、いつ読んでもいい絵本です。
日本では1964年発行で、ひょっとしてもう子どもたちの祖父母にあたる人たちが読んでいた絵本かもしれません。
それだけ長く人気のある絵本なんですね。


1年生に読んだら、ハリーの家出中のあれこれには笑顔で聞いていたのが、家に帰っても家族にわかってもらえなかったとなると、なんだかしーんとして、ハリーと一緒になって不安になっているようでした。


表紙の絵は地味に映るかもしれないけど、子どもたちにぜひ読んでもらいたい絵本です。





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