金魚とメダカとメルカリと
繰り返される小さな生き物との出会いと別れ。それは運なのか縁なのか。それとも愛のなせる技なのか
まな板の下の金魚
今から15年ほど前、私は初めて魚を飼った。
それは縁日で子どもがすくった金魚2匹と、店じまい間際だった金魚すくい屋のおじさんが「最後だからあげるよ」とおまけでくれた十数匹の金魚だった。
家には水槽がなかったので私は水道水を入れた洗い桶に金魚を入れた。
活きがいい彼らがぴょんぴょん跳ねて何度も桶から飛び出すので、寝る前に桶の上にまな板乗せて飛び出し防止対策をした。
「縁日の金魚はすぐに死んでしまう」などとよく聞くが、彼らは翌日も元気だった。
さすがに洗い桶のままというわけにはいかないのでペットショップに水槽と餌を買いに行くと、店員さんにエアーポンプの購入もすすめられた。思わぬ出費だった。
年々数は減ってはいったが、彼らは何年も生きた。
引っ越しが決まった時、金魚たちは同じように縁日金魚を飼っていた友達に引き取ってもらった。
メダカ愛
引っ越し先では知人からメダカを譲り受けることになった。
その人はメダカをこよなく愛していて自宅には大きな水槽が2つあり100匹以上のメダカを飼育していた。
私が軽い気持ちで「メダカ可愛いね。うちは今は何も飼ってないんだ」と話すと「じゃあ、うちの子あげるよ。メダカの飼育は簡単だし、もし何かわからないことがあったらいつでも相談に乗るから大丈夫!」と話がトントン拍子に進んでいった。そして翌週には10匹のメダカが我が家にやってきた。
捨てずに取っておいた水槽とエアーポンプがここにきて役に立った。
程なくしてメダカは卵を産み、私はおっかなびっくりながらもネットで調べた通り、付着糸を一つ一つ取って卵を別容器に移した。
容器は玉子豆腐の器が良いという情報を(これもネットで)知って、家族全員で玉子豆腐をしこたま食べた。
孵化しためだかの赤ちゃんはそれはそれは可愛く、あっという間に私も知人と同じ『メダカを愛する人』となった。
エビLOVE
ホームセンターで購入した水草に付着していたのか、ある日突然メダカの水槽にエビが出現した。
メダカに害はなさそうなのでそのまま放置していたらエビはいつの間にか抱卵し、数週間後には卵が孵化した。水槽は一挙に賑やかになった。
私は変わらずメダカの採卵作業に精を出していた。
しばらくするとそれまであまり関心を示さなかった主人がちょくちょく水槽を覗くようになった。
主人はエビがいたく気に入ったようで「ブクブク(エアーポンプの泡)と戯れる(?)稚エビが可愛い」と言っていた。
エビの次に水槽の中に小さな貝が発生した。
主人はこの爆発的に増える黒くて小さな貝が嫌いで毎日手で駆除していた。
こうして私は卵採取職人、主人は貝採取職人となり、それぞれ小さな生き物の成長を見守ることに喜びを感じていた。
サヨナラは突然
その年はやたら家の中の害虫が目についたので、私たちは一泊二日の旅行を利用してバルサンを焚くことにした。
(旅行から帰るころには害虫はいなくなっているだろう。)そう思って帰宅した私達の目に飛び込んできたのは、水槽の中の大惨事であった。
主人は今でもその光景が忘れられないという。
知らなかったこととはいえ、私は後ろめたい気持ちでいっぱいになった。
私が新たに魚を飼おうと提案しても主人は決して聞き入れてはくれなかった。
残っていた濾過フィルターはメルカリで売った。
(水槽はサイズが大きく送料が高いので売らなかった)
こうして我が家のお魚ライフは幕を閉じたのだった。
新たな出合い
惨劇から数年が経った去年の夏。
買い物に行ったディスカウントストアで『○千円以上お買い上げのレシートで金魚すくいが一回できる』というイベントが偶然行われていた。私が子ども達に交じって参加すると思いもかけず1匹すくえてしまった。
濾過フィルターはメルカリ売ってしまったし、水槽は物置の奥深くに眠っている。さてどうしよう。
そんなに長生きしないだろうと思った私は、その金魚を横に切った2Lのペットボトルの中で飼育することにした。
ところが金魚は予想以上にすくすくと成長し、ペットボトルが窮屈になるほど大きくなってしまった。
私は意を決し水槽とエアーポンプを物置から出し金魚の飼育に本腰を入れることにした。
そして金魚を、出会った店の名前『ドンキ』と命名した。
時の流れと変わらぬ愛
飼い始めて半年、ドンキは絶好調だったが、エアーポンプの方が息も絶え絶えとなってしまった。こちらは購入してから10年以上経つので当然か。
ちょうどメルカリの割引クーポンがあったので、新しいエアーポンプはメルカリで買った。
今ではドンキもエアーポンプも騒がしいぐらい(笑)元気だ。
だが、主人は今回、飼育に関わろうとしない。勢いよく泡を出すエアーポンプを見ると稚エビを思いだしてしまうようだ。
私としてはドンキもとても可愛いので、是非主人にも飼育に参加して欲しい気持ちもあるのだが...メダカと違い、金魚とエビは共存ができないのでやっぱり難しいのかもしれない。
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