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ジャンプの筋肉

 ジャンプに使う主な筋肉は脚周りですが、跳び方には大きく分けて2種類があります。ももの前側の大腿四頭筋をメインに使う跳び方と、ももの裏側のハムストリングス+お尻の大臀筋をメインに使う跳び方です。多いのは前者の方かと思います。大腿四頭筋は膝を伸ばす時、ハムストリングスは膝を曲げる時、大臀筋は脚を後ろに出す時に使われる筋肉です。

 ジャンプの時には膝を曲げて伸ばしますから前者の方が効率が良さそうに思えますが、その前の動きに注目してください。高く跳ぶ人のジャンプは膝を曲げた状態で地面を蹴る、「かかと落とし」のようになっていることが分かります。この場合は脚を後ろに出し、膝を曲げる筋肉が使われています。膝を伸ばす動作は膝を作用点に、下肢を伝った力の地面反力で跳ぶのに対し、地面を蹴る動作は足の接地点がそのまま作用点になっています。つまり、「膝が伸びた時の上半身の勢いで体全体を持ち上げる」のか、「地面を蹴って体そのものを浮かせる」のかの違いがあります。後者でも膝は伸びますが、筋肉で伸ばしているのではなく、曲げる方向の力の地面からの反発で伸びています。

 試してみてください。足を軽く開いて立ち、意識だけを変えて膝を伸ばします。同じスピードで、「勢いよく膝を伸ばす」か、「地面を下に蹴る」です。変えるのは意識だけです。どちらが地面からの反発を強く感じますか?恐らく後者だと思います。これがハムストリングスと大臀筋を使った膝の伸ばし方です。また、同じ動作でも意識を変えるだけで使われる筋肉が違ってくるということも分かって貰えたと思います。ちなみにこれがハイキュー!!で出てくる「ピョピョーン」と「ドン」の違いです。

 ピョピョーンジャンプをドンジャンプに変えるには、意識を変えるだけです。「自分が上がろうとする」のではなく、「地面を蹴り下げる」ようにします。助走の有無でジャンプの高さが変わらない、前跳びしがち、膝が痛いという人はピョピョーンジャンプをしている可能性が高いです。実際はドンジャンプでも大腿四頭筋を使いますが、大臀筋は単体で最も大きな筋肉です(大腿四頭筋の方が大きいが四つの筋肉の集まり)。それをほとんど使わないピョピョーンジャンプはもったいないので、ジャンプ力をアップしたい人はやってみてください。

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