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自律的なチームを作るために - メンバーの視座を上げる方法

誰がいなくなっても組織が回っていく仕組みを作ることがリーダーの大きな役割の1つだと考えている。

極端な例を出すと、例えば5人のチームがあって、合計戦闘能力が100だとしよう。

そのうち、

・リーダーが90、他の4人が2.5ずつの戦闘能力

というのと、

・皆が20ずつの戦闘能力

というのだと後者のほうが圧倒的に強いチームである。一人誰が欠けても戦闘能力が80未満にはならないからだ。基本的にIT企業は平均の勤続年数が3年とか言われている。3年未満で戦闘能力が10分の1になってしまうのはヤバイ。

なので、普段からメンバーに刺激を与えてメンバーの能力値をあげていくような仕組みを作る必要がある。

能力値と一言に言ったが、ここで言及したいのは意思決定力のことだ。

実際、技術力なんてのは時間をかけていけば着実に上がっていく。

ジモティーで行っているメンバーの技術力を上げていく取り組みは、


でも言及した。

多くのシーンで問題になるのは、なにか物事を決めるときにメンバーが意思決定ができず、全てリーダーやマネージャーにエスカレーションされてしまって、彼らが物事を決めないと業務がスタックする、といったことだ。

これを避けるための(メンバーでも自律的に良い意思決定ができるようにしていくための)ジモティーで行っている施策についてお話したいと思う。

視座とは?

自律的に質の良い意思決定ができるようにしていくにはメンバーの視座の高さが重要であると僕は考える。

視座というのは、物事を認識する時の立場のことである。

例えば、サービスに障害が起きたとしよう。視座が低い場合は、すぐ直して即リリースしよう、あるいは修正に時間かかるから次のリリースタイミングに混ぜようという風に考える。

つまり見ている・見えている範囲がものすごく狭いのだ。

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そうではなく、直してリリースまでする際の時間的コスト、影響PV(UU)数、そのままにしておく場合にカスタマーサポートにかかる負担などを総合的に見ていつまでにどう直すべきか?を判断すべきである。

そういう風に物事を俯瞰して考えるためにはKPIツリーを意識するとよい。

起きているインシデントがどこにどう影響するだろうか、そのためにどういうアクションを取ればよいだろうか、と考える際の手助けとなるはずだ。

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メンバーの視座をどう上げるか

とはいえ、「KPIツリーを意識して総合的な判断をしてね」と言われて明日からできる話ではない。マネージャーやリーダーがそれをできるのは持っている情報量が圧倒的に多いからである。

以前僕がまだプレイヤーだったころの話を思い出す。

自分の個人評価を上げることしか頭になかった僕は、速攻で結果がでることにこだわった。

・リリース作業の自動化
・コードのアーキテクチャ化(1 → 10 の話)

などにバーっと手をかけて取り組んでドヤ顔をしていた。

最初はチームメンバーからも喜ばれたし、改善幅もでかかったので評価がされたが、だんだんネタがなくなってきて、挙げ句の果てに

・アプリのクラッシュを潰しまくる

みたいなことをしたのだ。

それでトータルで何千件のクラッシュ撲滅とかいって満足気に月次の振り返りでアピールしたが、上長から言われたのは「それ組織インパクトでかくないぞ」だった。

冷静になって考えればそうなのだが、自分に情報がなかった、またアクティブに取りに行ってなかったからそれが自分が今できる一番最適なことだと認識していたのだ。

何が言いたいかというと、メンバーに情報を与えて考えさせるのが重要だということだ。

メンバーに情報を与えて考えさせるための施策

メンバーに情報を与えて考えさせるために弊社で行ったのは、分科会の設置である。

今までは完全に組織課題についての検討と意思決定は各マネージャー・リーダーが出席する「エンジニアML会」という会議体で行われていた。あるいはそこの時間で足りなければ別枠で時間をとって会議体を設定してそこで議論していた。そして決定事項をメンバーに下ろすだけだ。

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これについて、マネージャー・リーダーの間に集まった情報をもとに彼らが議論するのではなくて、適切なメンバーをピックして分科会を設置する、そこで情報を開示して議論してもらう、そのときにマネージャー・リーダーは1名のみ参加する、といった方策をとった。

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このときに注意するのは、マネージャー・リーダーは基本口を挟まないほうが良い。情報の開示と質問だけ受ける形で後は議論させて議事録に徹するべきだと考えている。マネージャー・リーダーのほうが情報強者なので、正しい意見を言いやすい。ここでは、メンバーの視座をあげることが主目的なので正しい・正しくないは問題ではなく、筋が通っているか?出た結論に対してどういった議論経緯で出た結論なのか?を重要視すべきだ。

ちなみに、分科会のテーマとしてまずオススメなのはエンジニアの採用戦略だ。将来一緒に働くメンバーに関する話なので当事者意識がでやすい。最初のテーマとしては最もオススメである。

最後に

今回は皆が質の良い意思決定できる自律的なチームを作るためには、メンバーの視座を上げることが重要。そのために分科会を設置して情報を与え、議論をさせ、意思決定をさせ視座を上げていく、といった内容のお話をしました。

なにか気になることやFBがあればぜひよろしくお願いします。



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