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<閑話休題>日本はエキゾチックか?

自宅にいるときは、TVでクラシック音楽を聴きながら、ラグビー関係や歴史の本を読んでいる。今は、歴代オールブラックスの選手たちの証言をまとめた本にとりかかっていて、20世紀初頭から2015年RWCまでの約100年間が対象となっているので、かなり分厚い本になっているが、じっくり読み進んでいくと、実際に試合をした選手たちの証言は、なかなか面白く知識を豊かにしてくれる。

他では、ヘロドトスの「歴史」(岩波文庫全3巻)を読んでいて、エジプトの王が最初の言語は何かを探すエピソードや、アマゾネスの起源のエピソードは面白い。しかし、毎回思うことは、古代では人の命は実に軽く、簡単に殺してしまうことが頻繁にある。今では信じられないことだ。例えば「首になる」という言葉があるが、古代では実際に首を切られていたことの名残が、この言葉になっている。

そうして、クラシック音楽と読書に飽きたときは、TVのチャンネルを変えて息抜きをする。一番今面白いと思っているのは、アニメの「スポンジボブ」だが、インドにいた頃から「カーツーンネットワーク」で良く見ていた「スクービードゥー」も好きなアニメで、アメリカの映画館で最初の実写版を見たときは妙に関心してしまった。

そして、今日たまたまアニメ版をやっていたので見たのだが、今回の話は主人公たちが日本観光をしたときのストーリーで、日本のポップスが流れたり、女子高生ルック、ポップカルチャー、そして、たぶん渋谷界隈をモデルにしたような街並みが出てくる。

こうしてTVに映し出されるのは、アニメの荒唐無稽の世界だからなんでもありなのだろうし、一昔前のものよりは進歩しているのだろうが、それでもかなり違和感がある世界になっている。例えば、映画「ブレードランナー」とか「ブラックレイン」の描く日本は、違和感が少なく見られる世界だったのだが、この「スクービードゥー」で描かれた日本は、やはり馬鹿にされているような、茶化されているような、なんとも気色悪い気分になってしまう日本の姿に見える。

麻生さんではないけれど、今日本を売り込む世界と勝負するネタは、「サムライ」、「チャンバラ」、「ゲイシャ」、「フジヤマ」ではなく、「アニメ」、「ポップカルチャー」、「ラーメンなどの日本のファストフード」なのだろうが、それでも、この軽薄で落ち着かない世界を、「今の日本の姿です」とは絶対に認めたくないと頑固に思っている自分は、やはり相当に年老いたということなのだろう。

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