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<ラグビー>2023シーズン、インターナショナルラグビー関連等(6月末時点)

(どうでもよい「話の枕」です。関心ない方は飛ばしてお読みください。)

 アメリカのある精神病専門家によれば、ギャンブラーには、2通りの分け方があり、またそれぞれがさらに2通りに分けられるという。最初のものは、「社交的なギャンブラー」と「職業的なギャンブラー」で、前者は一般的なギャンブラー、後者は、日本でいる「パチプロ」のような人たちだろう。そして、この分け方の下部にあたるものは、精神病の対象となっていて、「衝動的な者」と「強迫的な者」に分けられている。
 
 精神病として問題なのは「強迫的な者」で、「(幸運との出会いは絶対にあり得ません)期待した勝利は、言わば限りがないからです。ギャンブラーにとって、賭け金とは『一切かあるいは無か』です」ということで、ギャンブルに勝つことがゴール(終わり、目標)ではなく、ただギャンブルをしていることのみで生きているため(ゴールがない)、文字通りに死ぬまでギャンブルを止められない。
 
 一方、「衝動的な者」は、まさに一時的にギャンブルの一攫千金の夢にとりつかれただけだから、たいていは負けることで「目が覚めて」、日常生活に戻ることになる。

1.U20世界大会

プールマッチの結果

第1週


アルゼンチン43-15イタリア
イングランド34-34アイルランド
オーストラリア46-37フィジー
フランス75-12日本
ウェールズ26-27NZ
南アフリカ33-23ジョージア

第2週


オーストラリア10-30アイルランド
フランス35-14NZ
 泥田・豪雨という悪条件下で、フランスの巨漢LOポサロ・ツイランギに何回もタックルを引きずられるゲインを許し、また、ゴール前のモールからトライを重ねられた。一方NZは、トライを取りきるところでのハンドリグエラーなどイージーミスの連発で完敗した。フランスは、かなり強いというから優勝候補筆頭になっている。

ウェールズ41-19日本
 9分に日本はレッドカードをもらって14人になったものの、その後盛り返し一時は15-19と日本がリードしたが、最後の20分間にウェールズに押し切られて完敗した。
南アフリカ26-34イタリア
 イタリアの金星。
アルゼンチン0-20ジョージア
 ジョージアの銀星。
イングランド53-7フィジー

 イタリアとジョージアのアップセットの勝利や、14人になった日本のウェールズ相手の善戦など、U20の世界では下剋上が常体化してきている。なぜなのかは良くわからないが、NZの異常とも言える甚だしいプレーの劣化から類推すれば、全体のレベルが上がったとか、世界の実力が接近したというポジティブな見方ではなく、過剰な新型コロナウイルス感染防止策により、この年代の強化が著しく遅れたことが原因ではないかと思う。

 新型コロナウイルス感染は、感染そのものによる被害よりも、過剰な防止策によって世界の様々なものが破壊された影響がより大きい。背後で巨額の利益を得ている少数の人々がいることからわかるように、これも今流行の「ショックドクトリン」だと思う。

2.コーチ・選手の移籍、代表スコッド発表等

(1)オーストラリア・ワラビーズのスコッド更新、海外選手枠を増やす。

 オーストラリア協会は、エディー・ジョーンズ監督に押し切られる形で、それまで海外でプレーする選手枠は3人だったのを2人増やして5人にした、ザラグビーチャンピオンシップ用の最新スコッド34人(FW18人、BK16人)を発表した。

 キャプテンは、PRジェイムズ・スリッパーとFLマイケル・フーパーが共同で担う。海外からは、日本でプレーする、SOクエード・クーパー(ライナーズ)、WTBマリカ・コロイベテ(ワイルドナイツ)、CTBサム・ケレヴィ(サンゴリアス、ただし既に退団)に加え、LOリッチー・アーノルド(フランス、ツールーズ)とウィル・スケルトン(フランス、ラロッシェル)の5人が入った。
 
 初選出は8人で、LOトム・フーパー、SHライアン・ロナーガン、WTBディラン・ピーチ、SOカーター・ゴードン、FL(ただし、今回のスコッドではBKに入っている)ジョシュ・ケメニー、HOマット・フェスラー、PRザーン・ノンゴアー、LOリッチー・アーノルド。

 SOバーナード・フォリーは除外され、代わりにカーター・ゴードンが入り、ベン・ドナルドソン、リース・ホッジ及びクーパーらとSOを担うが、クーパーはコーチ兼任の立場になると想定される。なお、SOノア・ノレシオ、NO.8ハリー・ウィルソン(ジョーンズがイングランド監督時代のザック・マーサーと同じ扱いか?)、SHタウェラ・カーバロー(ラロッシェルでプレーする元オールブラックスだが、オーストラリア生まれのため代表資格を持つ)、SOジェイムズ・オコナーらは、引き続きジョーンズ監督から選考外とされている。

 また、CTBハンター・パイサミは、怪我で対象外となった。一方、SHテイト・マクダーモットは、当初スコッドから外れていたが、今回ジョーンズ監督に認められた結果となった。ジョシュ・ケメニーは、本来FW3列の選手だが、ジョーンズ監督はスピードがあるので、WTBでの起用を検討している。さらにジョーンズ監督は、イングランド監督時代からフィジカルに強い選手を好む傾向があり、そのためNRL(オーストラリア・ラグビー・リーグ)から、ユニオンに移籍させる選手を物色しているようだ。

Forwards18人: Allan Alaalatoaアラン・アラアラトア, Richie Arnoldリッチー・アーノルド, Matt Faesslerマット・フェスラー, Nick Frostニック・フォレスト, Matt Gibbonマット・ギボン, Jed Hollowayジェド・ホロウェイ, Michael Hooperマイケル・フーパー, Tom Hooperトム・フーパー, Rob Leotaロブ・レオタ, Fraser McReightフレイザー・マクライト, Zane Nonggorr,ザーン・ノンゴアー David Poreckiデイヴィット・ポレッキ, Pete Samuピート・サム, Will Skeltonウィル・スケルトン, James Slipperジェイムズ・スリッパー, Taniela Tupouタニエラ・ツポウ, Jordan Ueleseジョーダン・ウエレーゼ, Rob Valetiniロブ・ヴァレティニ

Backs16人: Quade Cooperクエード・クーパー, Lalakai Foketiララカイ・フォケティ, Carter Gordonカーター・ゴードン, Reece Hodgeリース・ホッジ, Len Ikitauレン・イキタウ, Marika Koroibeteマリカ・コロイベテ, Ryan Lonerganライアン・ロナーガン, Tate McDermottテイト・マクダーモット, Mark Nawaqanitawaseマーク・ナワカニタワゼ, Izaia Pereseアイザイア・ペレセ, Suliasi Vunivaluスリアシ・ヴニヴァル, Nic Whiteニック・ホワイト, Tom Wrightトム・ライト, Ben Donaldsonベン・ドナルドソン, Josh Kemenyジョシュ・ケメニー, Dylan Pietschディラン・ピーチ

(2)クラブチャンピオンシップ構想へ前進


 ユナイテッドラグビーチャンピオンシップCEOのマーティン・アナイーは、南北16チームが参加するクラブワールドカップ構想を表明している。これは。北半球のクラブ8チーム、南半球のクラブ7チーム、さらに日本のクラブ1チームにより構成され、全体を4つのプールに分ける。そして、最低2試合は南北対決の試合になるようにプールマッチを設定し、各プール1位による準決勝以降の決勝トーナメントを行うもの。開始時期としては、ブリティッシュアンドアイリッシュ・ライオンズがオーストラリア遠征する2025年を想定している。

 また、スーパーラグビーパシフィックに優勝したクルセイダーズは、現監督のスコット・ロバートソンがオールブラックス監督に昇格するのに伴い、現在日本代表U20監督をしているロブ・ペニーが新たにクルセイダーズ監督となるが、来年1月のプレーシーズンにヨーロッパ遠征を企画しており、この際に今年のユナイテッドラグビーチャンピオンシップに優勝したアイルランドのマンスターとの親善試合を予定している。この試合は、クラブワールドカップへ向けた第一歩になると見られている。

(3)WRがワールドリーグ構想


 WR(ワールドラグビー)は、RWCとブリティッシュアンドアイリッシュ・ライオンズの南半球遠征と重ならない年(つまり、直近では2024年と2026年)に、現行の7月と11月の南北交流テストマッチを利用する形での、ワールドリーグ構想を述べている。

 今後は、先にジョージア協会から漏れた情報(シックスネーションズ6ヶ国、ザラグビーチャンピオンシップ4ヶ国、日本、フィジーの12ヶ国による大会)が、実現する可能性がより一層強まったと見られる。

(4)RWCフランス大会へ向けた、各国代表ジャージが続々と発表


 先日日本代表のジャージも発表されたが(https://www.rugby-japan.jp/news/52005)、これは2019年大会のものをマイナーチェンジしたように見え、可もなく不可もなくということだろうか。個人的には昔のジャージが一番と思っているので、今のV字型はあまり好みではない。

 一方、各国代表のジャージが続々と発表されている。最近では、オールブラックスのものが発表された。襟付きになったのは良いが、襟の色を伝統的な白にしなかったことと、透かしで入れたシルバーファーンが稚拙な模様のため、なにか安っぽく見える。なお、セカンドの白の方がデザイン的には良い感じはするが、ジャージというよりは普通に着るポロシャツに見えてしまう。

 ワラビーズは、襟や袖に入った青色に違和感が残るが、まあまあか。こちらもセカンドの白の方が良いデザインに見える。フランスは、胸の赤い鶏(フランス協会のエンブレム)が目立ちすぎて、ちょっと下品に見える。最悪と言われているアイルランドは、デパートの棚に山積みされている在庫品または子供用の古着みたいで、かなりみすぼらしい。ウェールズは、良くないデザインが続いているが、最近の中では良い方に見えた。

 ラグビージャージという範疇でも、今はアパレルの販売戦略にどっぷりとつかっているから、伝統的なジャージのデザインという概念はもう死に絶えているので、それを云々しても詮無いことだが、そういう中でアルゼンチンが、白と水色の太い段柄ということにこだわっているのは、何か清々しい気がするし、それがチームの飛躍につながっているようにも思う。

 そのアルゼンチンは、期待通りの伝統に沿ったファーストジャージを発表したが、セカンドはかなり攻め込んだデザインになっている。特に斜めの襷または勲章とともにつける飾りのようなデザインは、違和感が残るものの高尚な文化の雰囲気があり、許容範囲だと思う。もしかすると、これからこの襷が、かつての襟無し+丸首や透かし模様のように、世界で流行するかも知れない。

(5)ジャック・グッドヒューは、カストルへ


 オールブラックスのCTBとして18キャップを持つ、ジャック・グッドヒュー、28歳は、最近は怪我などでオールブラックスから遠ざかっており、今年もオールブラックスXVに選ばれているだけとなっている。
 
 そのグッドヒューは、今秋からフランストップ14のカストルへ一年契約で移籍することを発表した。オールブラックス及びクルセイダーズでは次世代のCTBが出てきており、NZ国内では活躍できる場所がなくなったことがその背景にある。


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