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<閑話休題>自由律俳句(その3)

 最近、自由律俳句作りにはまっていて、肝心の(?)短編小説作りが停滞している。また、noteで#自由律俳句というのがあるため、投稿する目的(愉しみ)もあり、しばらくは続くかも知れません。そういうわけで、3回目の投稿になります。

〇妹の三回忌に出る。

むずかしく 遠くにあるは ふつうに生きること

最後は自分か わずらわしき 冠婚葬祭

明日を忘れて 今日だけで 生きていたい

迷惑を かけたかけられたは 多生の縁

〇2月15日、北風が強く寒い朝の公園を散歩する。

北風に 薫風まじる 小枝の芽

北風と 鳥の声が 調和して

スカイツリー あんな近くに 冬終わる

〇夜、ゆで太郎にいる若い父と幼女を見る。

この笑顔 お父さんと食べる 楽しさよ

お父さんと一緒なら どこでも嬉しい 今だけさ

〇定例の隔週実家訪問。

喪服姿と隣り合う そっと母を案ずる バスの席

バスが長く停車している 車椅子が降ろされた

駅に響く大音声 俺はここで仕事していたんだ! それで?

〇2月20日 暖かいが、北風はまだ強い

おいさらばえる自分がいて みずみずしい子供がいて

めげない人ですね ええ神の戒めが終わらないので

生きることの重さは アトラスの双肩に

生き続ける痛みは シーシュポスのはらわたに

定めなき道を 望みなく歩き続く それが日々の暮らし

ゴドーは来ないよ なぜって 君が待っているからさ

母はこぎ続け 幼子は歌う 朝夕の街

いろんな雲が いつも私を見つめる 散歩道

〇 確定申告のため税務署に行く

あの世とは 背中合わせの 冬の陽だまり

鳥たちよ 何を伝える この老いに

〇被せものが取れ、歯科医に行く。これから6回ほど通うことになった。

美人歯科医 口元緩む 老爺かな

好きなものを 食べられるだけの 嬉しさよ

我が命つきるまで 耐えろと願う 歯の駒よ



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