見出し画像

<ラグビー>アルゼンチン戦の歴史的敗戦について

参考とした記事
https://www.nzherald.co.nz/sport/tri-nations-rugby-all-blacks-still-plan-to-send-players-home-despite-loss-to-argentina/DWS5H5TBFYBI2GWWLJABJ7JRUM/
https://www.nzherald.co.nz/sport/tri-nations-rugby-the-statistics-that-define-the-all-blacks-shocking-display-against-argentina/WV4XSTGA4ODQSXG3IGJMWZ7PWE/
https://www.nzherald.co.nz/sport/rugby/uk-rugby-writer-stephen-jones-says-all-blacks-should-go-to-tier-2-rugby/4DPYYCLLE3UB5W5F5T2GRZTRYE/

1.オールブラックス監督イアン・フォスターの、アルゼンチン戦敗戦の弁解
「グランドでは、何か特別に新しいことが起きたとは思っていない。ラグビーのテストマッチでは、常に緊迫した状況にあるので、毎年見てきたアルゼンチンと今年が特別に違っているとは思えない。従って、我々のポイントになるプレーで規律が悪かったことについて、特別な弁解をすることができない上に、ここ数週間の我々の規律は悲しくも酷いものであったことを認める。例えば、オフサイドの反則については、自分たちでコントロールできることに対して、簡単に諦めてしまう例があった。そして、そうしたことが積み重なってしまった」
「これらを修正することは難しくない。しかし、既にお判りのように、そうしたプレーをすることができていない他、我々自身がもっとお互いに信頼し合うことから始めねばならないものとなっている」

2.スタッツ(統計、数値)からわかる敗因
(1)オールブラックスは54回のランがあったが、このうちWTBカレブ・クラークの1回しか、クリーンブレイクできていない。
(2)WTBジョルディ・バレットは、3回だけのボールキャリーで、わずか2mしかゲインできなかった。
(3)10回の反則を取られ、そのうち6回を得点(PG)に結びつけられた。
(4)現在の勝率40%は、1971年の史上最も不振だったイワン・ヴォダノヴィッチ監督時代のオールブラックス以来となる低率。
(5)5代前までのオールブラックス監督、スティーヴ・ハンセン、グラハム・ヘンリー、ジョン・ミッチェル、ウェイン・スミス、ジョン・ハートのいずれもが、就任後は5連勝している。一方、現監督のイアン・フォスターは2連勝のみ。
(6)アルゼンチンSOニコラスサンチェスは25得点を記録したが、これは対オールブラックスの個人得点記録で歴代3位。
(7)アルゼンチンの25点は、2018年に24-46で負けたゲーム以来の最多得点。
(8)オールブラックスの15点は、2019年の20-16以来の最小得点。
(9)前監督のスティーヴ・ハンセンは、2敗目を記録するまでに37試合かかったが、フォスターは、わずか5試合目で既に2敗目(さらに1引き分けあり)。
(10)オールブラックスは、2011年に南アフリカ・スプリングボクスに5-18,オーストラリア・ワラビーズに20-25で負けて以来となる、連敗。

3.英国のアンチオールブラックスで有名な評論家、スティーヴン・ジョーンズのコメント
「最近の惨めなオールブラックスの戦績から、今日のアルゼンチン・プーマスによる容易な敗戦は予想できた。公平にみれば、オールブラックスはティア2国に格下げすべきであり、同時にクック諸島チームの励みになるだろう」

3.NZヘラルドの著名な評論家グレガー・ポールのコメント
「今のオールブラックスには何もない。本当に何もないのだ。これまでの10年間、いや20年間の歴史において、このようなバラバラの状態でとても普通とは思えないプレーをしたことは、一度もなかった」

また、ポールは、「イアン・フォスターは、スコット・ロバートソンの陰におびえることになった」として、フォスターからロバートソンに監督を交代する可能性を述べている。

【個人的見解】
昨日の試合結果に書いたとおり、現在のオールブラックスは、少なくとも2003年のグラハム・ヘンリー以来、苦労してリッチー・マコウやダニエル・カーターを中心に作り上げてきた良いチーム・カルチャーが、簡単に崩壊しています。それが、得点に結びつけられてしまう、安っぽく軽率な反則の繰り返しに現れています。

勝ったアルゼンチンを貶める気持ちはありませんが、これは明らかにオールブラックスが自滅したゲームそのものです。また、オールブラックスが持てる力を発揮できなかったゲーム程、鑑賞の対象として相応しくないラグビーはありません。観客は、自滅し徒に反則を重ね、良いプレーが見られないオールブラックスを見たくもない上に、こんな酷いオールブラックスに勝ったとしても、その価値は半減してしまうと思います。やはり、強いオールブラックスに勝ってこそ、世界王者に勝ったと歴史に残せるのです。

この緊急事態から回復するためには、まず指導陣の一新が必要です。監督のイアン・フォスターは解任すべきです。後任はスコット・ロバートソンしかいません。また、グランド外を含めて規律の乱れている、ダン・コールズ、シャノン・フリッゼル、アーディ・サヴェア(マウスピースをしていないと注意されています)、アーロン・スミス(空港での不適切事件は記憶に新しいものです)、リエコ・イオアネ(片手のダッチダウンは論外です。子供には絶対に真似させてはなりません)らは、今年最後のテストマッチに起用せず、すぐにNZに帰国させ、(例えでしかありませんが)禅寺にでも籠って、自省の日々を過ごさせるべきです。

今のオールブラックスに欠けているのは、自制心と向上心であり、逆に欺瞞と驕慢が満ち満ちています。こんなチームでは、世界中の誰からも敬愛されなくなってしまうでしょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?