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<ラグビー>リーグワン5月21日、22日準決勝、スーパーラグビーパシフィック5月20日、21日、22日のそれぞれの結果から

 ようやく気温もかなり上がって、一年で一番気持ち良いシーズンになってきた。ただ、そのうち梅雨に入ってしまうだろうから、今の快適な気候を存分に楽しみたい。

 それから、高血圧・脊椎管狭窄症・ハント症候群・ぎっくり腰・膝痛・顎関節症・めまい・リューマチなどの治療・改善のため、最近調理に油を使わない生活をしている。さらに、仕事のストレスがなくなったこともあり、ビールを飲む回数が激減した。おかげで、2kg減量して、ウェストがきつかったズボンもはけるようになった。酒や油は、太る原因だということがつくづくわかった。

 ラグビーの話題でひとつ。棚上げになっていたネーションズカップ(北半球6チームと南半球6チームが、現在の7月と11月の南北対決期間を利用して、リーグ戦を実施するもの)が、実現することになった。

 幸い、日本はフィジーとともに南半球グループに入れたので、この効果は絶大だと思う。そして、イタリアやスコットランドが嫌がっているものの、少なくともグループ最下位チームと下部リーグ最上位チームとの入れ替え戦は、絶対にやるべきだと思う。そうしなければ、最上位リーグ全体のレベルを下げることになってしまう。

 それからラグビー関係をもうひとつ。フランスのツールーズで開催されているセヴンズワールドシリーズの男子プールマッチで、19-0とアルゼンチンがリードしている残り2分。負けているイングランドがトライをしたところ、アルゼンチンのコーチが選手にプレーを止めるように指示。また、イングランドの選手もレフェリーを無視して、タッチダウンせずに時間を浪費した。

 これは、アルゼンチンが既に準々決勝進出を決めている一方、イングランドも6点差以内の敗戦なら準々決勝進出できるため、体力を温存すべく7分ハーフのうちの2分をプレーしなかったというもの。これは、金払って見ている観客に対する冒涜以外のなにものでもない。WRは、両チームに対して準々決勝進出取りやめを申告すべきだったと思う。

1.リーグワン

5月21日準決勝

東京サンゴリアス30-24ブレイブルーパス東京

 ブレイブルーパスに勢いがあるものの、総合力でサンゴリアスが決勝進出というのが、誰もが予想するもの。そして、そうなるでしょう。

 ライブで日本TVが中継しているのを知らずに、前半の少しだけをライブで視聴。どのみち、15時には友人に会うため出かけるので見られないが、このTV局のラグビー中継は、以前アナウンサーがラグビーを知らなさすぎて閉口した記憶がある。でも、今回は解説の大西氏が的確な説明をしていて良かった。

 その後、(JR浜松町駅工事のため、22時以降東海道線が止まることもあり)友人が早めに帰ったので、スカパーの再放送を見られた。ここの解説は重鎮である藤島氏だが、早稲田ファン及び昔からのラグビーファンには、アンタッチャブルな存在となっているから、軽率な批判は遠慮したいと思う。ただ私としては、大西氏(ちなみに同志社OB)は、かなり丁寧にポイントをつかんで説明していたと思う。

 ラグビーの解説をエモーショナルに盛り上げるのは、前時代的な大学(高校)ラグビーの悪い癖で、現代のプロラグビーは、冷徹・合理的な視点で見るべきだと思う。これはまたラグビーに限ったことではなく、野球の甲子園大会報道を中心にした日本のスポーツマスコミの、悪しき因習でもある。スポーツ選手は芸能人ではないので、私生活まで見世物にする必要はまったくなく、プレーだけで十分だ。

 前置きはこれくらいにして、試合は、ブレイブルーパスが期待通りの激しい当たりで、サンゴリアスのアタックを止め続けた。しかし、PRのパスをWTBにインターセプトされてしまうなど、15人全体の総合力では劣り、また劣勢を気持ちだけでカバーすることは出来なかった。そのため、時間の経過とともに、攻勢を続けるサンゴリアスに点差を広げられた。

 サンゴリアスの選手では、FBダミアン・マッケンジーは、自分がやらねばという強い責任感で、日本のフィジカルによるダメージが低い(つまりフィットネスを消耗しない)環境で、おおいに暴れまくった。MOMが相応しいプレーだった。また、マッケンジーのスーパーマンのような活躍の他、停滞しているムードを吹っ飛ばすインターセプトパスをしたWTB尾崎晟也の活躍は、ゲームブレーカーとして称えるべきだと思う。日本代表当確か。

 一方のブレイブルーパスは、7番FLマット・トッド(こんなにアタックに参加しているトッドを、初めて見た)、6番FLリーチ・マイケル(身体中から、テストマッチのような火花が見えた)、SH小川高廣(アタックセンスは日本で一番かも知れない)らの奮闘で、6点差まで迫った。最後、HOのラインアウトスローが乱れたのは、個人の責任ではなくチームとしての練習不足に責任があるが、これが成功していれば、もっと競ったゲームになったと誰しもが思っただろう。来週の3位決定戦では、良いラインアウトを見せてくれると確信している。

5月22日準決勝

埼玉ワイルドナイツ24-10スピアーズ東京ベイ

 これはもう横綱と平幕(三役?)との対戦で、ワイルドナイツが実力通りに勝たないとおかしいくらいの組み合わせ。そして、番狂わせもないでしょう。

 想定通りに、前半は14-3でワイルとナイツがリード。後半も80分時点では24-3とリードを広げていた、最後の82分にスピアーズが慰めのトライを取って、24-10。むしろ14点差で終わったのが不思議なくらいの実力差があった。

 細かいプレーでは、ワイルドナイツは身長差があるラインアウトを良く研究していて、一番先頭の選手に合わせるなどでマイボールを確保したばかりか、スピアーズボールまでスチールしていた。また、ディフェンスでは、ブレイクダウンへの参加人数を最小限にする一方、常にアタックよりもディフェンスの人数が多いので、スピアーズの単純なアタックをことごとく止めていた。これに加えて、スピアーズが得意とするモールも上手く止めていたので、スピアーズはトライを取る手段がなくなっていた。つまりは、ラグビー偏差値の違いが良く出た結果だと思う。

 個々の選手では、ワイルドナイツWTB竹山晃揮(すいません漢字が出てきません)は、37分に値千金のインターセプトトライを挙げ、サンゴリアスの尾崎晟也同様に、停滞した試合のゲームチェンジャーになっていた。

 一方、スピ―アーズの勝敗を握るSOバーナード・フォリーの調子が悪く、ミスキックや竹山にインターセプトされたパスなど、重要な局面で貢献できなかったのは致命傷だったと思う。またLOルーアン・ボタが、いかにも南アフリカの選手らしい荒っぽいプレーによる反則でチームの足を引っ張っていた。

 ワイルドナイツは、来週のサンゴリアス戦でも有利に戦うことが予想される。しかしスピアーズは、ブレイブルーパスとの3位決定戦では、激しいFW戦になることが予想され、SOフォリーという大黒柱がいるものの、彼一人で対抗できるほどブレイブルーパスは弱いチームではない。もし2mの両LOジェイコブ・ピアースとワーナー・ディアンズに当たり負けたら、FW戦の結果がそのまま勝敗につながるのではないか。

2.スーパーラグビーパシフィック

5月20日

クルセイダーズ61-3フィジードルア

 ドルアには申し訳ないが、クルセイダーズは主力メンバーを休ませても、楽勝だと思う。

 実際、そのとおりになり、前半だけで28-3とクルセイダーズが大きくリードし、後半もトライを重ねて、圧勝した。ドルアは、キックがないチームなので、クルセイダーズのディフェンスとしては、ただラインで前に圧力をかければ良く、さらにブレイクダウンでの圧力も低いため、アタックにおいてもクルセイダーズは、ただボールを継続すればそれだけでトライになってしまう内容だった。

 Bチーム主体のクルセイダーズだが、SOに入ったファーガス・バークは、落ち着いてスペースが見えている他、ゴールキックも良かった。他では、13番ブライドン・エンノー、11番WTBレスター・ファインガアヌク、14番WTBセヴ・リースが良かった。

 FWではこれというような目立った選手はわからなかったが、5番LOサムエル・ホワイトロックの髭のない顔を久しぶりに見た気がする。また、NO.8に入ったイーサン・ブラカッダーだが、このような試合ならもっとアタックで目立っても良いと思われ、どちらかというと派手なプレーが苦手な選手なのかもしれない。

レッズ34-22モアラパシフィカ

 モアラには頑張ってもらいたいが、レッズに簡単には勝てないと思う。でも、良い試合を期待したい。

 個々の選手の比較では、モアラはレッズに全く劣っていないと思う。しかし、チームとしてのディシピリンやアタックの制度などでは、やはり長年チームを構築してきている相手とは差が出てしまう。それが、この得点差になったのではないか。

 今シーズンは良い結果が得られなかったが、来シーズン以降は上昇すると思うし、それがトンガ、サモアの各代表にも良い影響を与えると思う。サンウルヴズと日本代表、ハグアレスとアルゼンチン代表が良いお手本になっている。

5月21日

チーフス54-21フォース

 チーフスは、なかなか納得できる試合が少ないので、もしかしたらという心配はあるものの、順当に勝ってほしいし、またそうなるのが当然だと思う。

 チーフスが順当に勝利した。SOブリン・ゲイトランドのアタックが良くなっている。また、交代出場ながら2トライを挙げたHOサミソニ・タウケイアホは、オールブラックスとして頼もしい限りだ。さらに、ハットトリックを挙げた12番CTBクイン・ツパエアは、来年のWRCには間に合わないかも知れないが、フィジカルの強さも見せたので、2024年以降のオールブラックスの12番として楽しみな存在である。

ハリケーンズ45-22レベルズ

 ハリケーンズもチーフス同様に取りこぼしがあるので、ちょっと心配だが、この試合もまたチーフス同様に勝つのが当然だと思う。そして、最近ペレナラの復調やSOモルガン、FBモービーなど若手の成長で、チームは良い方向に行っていると思う。

 ハリケーンズは、レベルズにちょっと嫌な3トライを取られたものの、いつもは弱いFWが相手を圧倒してくれたので、黄金のBK(SOアイデン・モルガン、11番WTBジョシュア・ムービー、12番CTBジョルディ・バレット、13番CTBビリー・プロクター、14番WTBジュリアン・サヴェア、FBルーベン・ラヴ)が縦横無尽にアタックして得点を重ねた。これがハリケーンズ本来のラグビーだと思う。 プレーオフでは苦戦が予測されるが、この調子で健闘してもらいたい。

 一方、フォースで活躍したのは、元オールブラックスのLOジェレミー・スラッシュとBKリチャード・カフイなどであり、オーストラリアラグビー界の人材不足を痛感した。

ブランビーズ19-21ブルーズ

 ブランビーズは先週のクルセイダーズ戦惨敗で焦りが見えてきたが、明らかにクルセイダーズより破壊的なアタックを持つブルーズに対抗するのは、至難の業でしょう。しかし、ブルーズとしては、プレーオフに向けて良い試合で完膚なきまでに圧勝して欲しい。

 やはり、ホーム・キャンベラでのブランビーズは強かった。特にブレイクダウンでの激しさはNZチームにとってもやっかいだと思う。それでも、今のブルーズには敵ではない。接戦を繰り広げた後の78分、モールから芸のないトライ&コンバージョンを取られて、19―18にされたものの、まるで図ったように80分に敵陣ゴール前に迫り、PKのアドバンテージを得ている中で、SOボーデン・バレットが逆転サヨナラのDGを楽々と決めた。これぞ王者の勝ち方というものだろう。

 ブルーズのSOボーデン・バレット、12番CTBロジャー・ツイバサシェック(ブランビーズSHニック・ホワイトの独走を止めたトライセービングタックルは、PKになったものの値千金のプレー)、FBスティーヴン・ペロフェタのラインは、ディフェンスを無効化する優れたアタックができている。これに怪我の13番CTBリエコ・イオアネが戻ってくれば、無敵のBKになるのではないか。

5月22日

ハイランダーズ20-32ワラターズ

 ハイランダーズは上昇の波に乗っているので、ワラターズも粉砕してくれると期待しているが、ワラターズも簡単には勝たせてくれない相手なので、ここは慎重に戦いたい。

 ところが、若さが出てしまったのか、ハイランダーズSOサム・ギルバートが、不要なチョップタックルをしてレッドカード。この間の20分間にワラターズに2トライ1ゴールの12点を取られたのが、そのまま勝敗を決める点差となってしまった。

 もっとも、7位と8位との対戦のため、勝っても負けてもプレーオフへの影響は少ないので、ハイランダーズとしてはプレーオフに向けての調整試合とみなすことも可能だ。しかし、このような試合ぶりであれば、準々決勝(相手はおそらくブルーズ)を勝つのは難しいと思う。


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