<ラグビー>リーグワン、4月15日、16日、17日、スーパーラグビーパシフィック、4月15日、16日のそれぞれの結果から
今週はキリスト教諸国ではイースター(復活祭)で、金曜日がグッドフライデー(イエスが処刑された日)、月曜日がイースターマンデー(イエスが復活した日)の連休となっている。そして、誕生と生命力を象徴するものとして卵が食べられ、季節柄目立つ生き物としてウサギを型どったチョコレートが売られたりする。もちろん、クリスマスと並ぶ一大イベントなので、商店やデパートは軒並みバーゲンセールをし、人々はこの春の訪れを満喫する祭日を大いに楽しむ。
ところが、わが日本では、クリスマスは年末年始の連休と重なるのにも関わらず広く普及しているし、チョコレート会社が仕組んだバレンタインデーはお中元やお歳暮のように半ば義務化しているし、さらにハロウィーンはアメリカだけの風習だが、子供の仮装パーティとして(頭のレベルが)子供のような日本人が嬉々としてあちこちでバカ騒ぎをしている。
しかし、このキリスト教では非常に重要な祭日は、ゴールデンウィークと重なるせいか日本ではほとんど普及していないのが不思議だ。3-4月という会計年度の更新や人事異動の時期と重なることも影響しているのかも知れない。ハロウィーンなどと比べれば、明るく楽しい祭日なので、日本でもっと普及しても良いと思うのだが・・・。
1. リーグワン
4月15日
シャニングアークス浦安5-35横浜イーグルス
イーグルスが強そうだが、最近のシャイニングアークスも良くなっている。
雨の中、弱い側のシャイニングアークスがシンビンになっては、勝負を競うのは厳しい。イーグルスは、格下相手とはいえ、最近強くなっているシャイニングアークスに対して、しかも悪天候の下でこのような安定したゲームをしているので、上位を狙うだけの強さを身に着けたのではないか。
4月16日
埼玉ワイルドナイツ37-31神戸スティーラーズ
かつては頂上決戦だった両チーム。ワイルドナイツが下位チーム相手に辛勝している間に、スティーラーズは調子を上げてきたが、果たして?
前半は、ワイルドナイツが押しながらもスティーラーズに食い下がられ、11-10と1点差のリード。スクラムは押しているが、ラインアウトのミスがワイルドナイツに出て、さらに、前半から切り札WTBのマリカ・コロイベテのアタックを阻止されてしまい、なかなか得点できなかった。
しかし、後半に入って引き離すのがワイルドナイツの最近の勝ちパターン。早々に堀江翔太を投入し、HOというポジションを超越した万能プレーでチームをけん引する。そして、55分にスティーラーズのFB山中亮平がシンビンになって万事休す。堀江のMOMになる活躍で、65分には30-17と安全圏に引き離した。
ここで、もう勝負は決まったからと、チャンネルをスーパーラグビーのハイランダーズ対ハリケーンズに切り替えた。前半終了時に、念のためネットで結果を確認したら、80分までに、スティーラーズに2T2Cの14点を返されていたが、1T1Cを加えてどうにか逃げ切った得点になっていた。不思議だが、最近のワイルドナイツは、どのチームとやっても僅差の勝利になっている。これが、今後吉と出るか凶と出るか、よくわからない。
TVでも盛り上がっていたが、スティーラーズWTBアタアタ・モエアキオラとワイルドナイツWTBコロイベテのマッチアップが激しかった。これはテストマッチ(日本対ワラビーズ)でも同じトイメン対決がありうるので、次のレベルでの対決が楽しみだ。
ブラックラムズ東京22-43ブレイブルーパス東京
実力的にブレイブルーパスの完勝でしょう。
予想通りにブレイブルーパスが完勝した。ブレイブルーパスは、イーグルスとともに上位を狙える力を持ってきたと思う。勝因は単純にFWの実力差とブレイブルーパス得意のモール攻撃が整備されたこと。期待のFWワーナー・ディアンズが奮闘している。さらなる成長を期待したい。
レッドハリケーンズ大阪25-38トヨタヴェルブリッツ
レッドハリケーンズに期待したいが、FWの差でヴェルブリッツ。
ここもヴェルブリッツが完勝したが、スコアから見ればレッドハリケーンズが善戦したと言える。ヴェルブリッツは、FWの力量差を使って強引に勝利を引き寄せたようなゲーム。
それに対してレッドハリケーンズの個々の選手は、来シーズンからのプロとしての生き残りをかけたアピールに満ちたプレーをしており、これが結果的にチームの大健闘につながっている。ラグビーはチームスポーツだが、個人の高いモチベーションが複数になれば、ここまで戦えるという実例。
4月17日
東京サンゴリアス56-27静岡ブルーレヴズ
意外とブルーレヴズが善戦するが、サンゴリアスが例によって後半にトライラッシュか?
前半、サンゴリアスがポンポンとトライを取ったが、その後ブルーレヴズがFWとスクラムの強さで取り返す。そして、サンゴリアスNO.8がシンビンになって、ブルーレヴズがリード。シンビンから戻って15人になった後にサンゴリアスが反撃するが、前半は18-24とブルーレヴズが優勢だった。特にNO.8クワッガ・スミスの出血しながらの奮闘ぶりは凄かった(後半の終わり近くにも、キャプテンからボールをもぎ取ってゴール前のPKから速攻するなど、ブルーレヴズのMOMだった)。
後半に入り、サンゴリアスがテンポを上げていくのに反して、ブルーレヴズは反則の繰り返しやミスの連続で、サンゴリアスに得点を許してしまう。このあたりが、選手個々のプレーぶりというよりは、コーチとしてのチーム作りの差が出てきたのだと思う。そして、ゲームの流れは変わらずにむしろ勢いを増して、そのままサンゴリアスがトライを重ねて大量得点して、最後は圧勝となった。
サンゴリアスでは、MOMになってよい活躍のNO.8テビタ・タタフ、5番LOハリー・ホッキングス、FBから後半SOになったダミアン・マッケンジーが、それぞれ良いプレーをしていたが、SO田村熙の堅いディフェンスも高く評価されて良い。
グリーンロケッツ東葛41-71スピアーズ東京ベイ
グリーンロケッツの奮闘を期待したいが、FWでスピアーズが圧倒か。そして、モールによるトライの連続なら、ちょっと残念。
トライの取り方よりも、合計16トライの乱打戦=ノータックルゲームにがっかり。スピアーズは、優勝を狙うのであれば、こういうゲームでもしっかりとディフェンスをすべきでしょう。
2.スーパーラグビーパシフィック
4月13日
ハリケーンズ53-12モアラパシフィカ
控えメンバー主体のハリケーンズが、SHのTJ・ペレナラのリーダーシップを得て大勝。先日の借りを返した。
4月15日
クルセイダーズ23-27ブルーズ
NZの頂上決戦第2弾?クルセイダーズ有利だが、勢いではブルーズ。
クルセイダーズは、キャプテンでもあるLOスコット・バレットがレッドカード(退場)になった上に、シンビンも同時に出て13人で戦う苦しい時間帯があった。これが、結果に影響しなかったとは言えないだろう。
しかし、ブルーズのSOボーデン・バレット、FLダルトン・パパリイ、FBスティーヴン・ペロフェタ、クルセイダーズSOリッチー・モウンガ、WTBセヴ・リース、FBウィル・ジョーダンらの、オールブラックスたちの才気あふれるプレーの連続は、もう眼福もの。そして、こうした特別な才能を発揮しあうゲームは、いかにもNZのラグビーという素晴らしいものだった。これぞスーパーラグビー、だと思う。
レベルズ32-36レッズ
レッズが安定している。
レッズSOジェイムズ・オコナーが相変わらず良い。ワラビーズでも活躍するだろう。また、両チームとも優れたパス回しのトライが連続して、オーストラリア全体のレベルが上がってきているのを実感する。トランスタスマンのゲームで、NZ勢がらくらく全勝とはいかないかもしれない。
レベルズは、強豪レッズ相手によく健闘した。オーストラリアでは、ブランビーズ、レッズに次ぐNO.3に上昇したのではないか?
4月16日
チーフス45-12モアラパシフィカ
チーフスが完勝でしょう。
モアラにも良いトライがあったが、チーフスは最近の負けムードを一掃するような良いプレーとトライを連発したので、これから上昇してくるような予感がする。WTBエテネ・ナナイセツロは、セブンズから15人制に移ったが、今はだいぶ慣れてきて、オールブラックスのWTB争いに参加できるくらいになっているので、これからがとても楽しみ。
ハイランダーズ21-22ハリケーンズ
ハリケーンズはスケジュールが厳しいが、モアラパシフィカ戦で主力を温存したので、これは大丈夫ではないか?
TV中継を見たが、解説の元ラグビー選手の真鍋氏は良いとして、アナウンサーがラグビーを知らなさすぎる。これを真鍋氏がカバーすればよいのだが、そこまではプロのTV関係者ではないから、期待するのは無理。こんなアナウンスなら、そのまま英語のアナウンスを流してもらった方がよいと思ったりする。
ゲームは、スーパーラグビーはやはり凄く面白いと言わせるような、エキサイティングなプレーが連続したが、残念ながらミスも多かった。そして、19分にハイランダーズ5番がレッドカード(退場)になって、ゲームをぶち壊すかと心配したものの、20分後には代替要員がプレーできるスーパーラグビーの試験ルールに救われた。これは、レッドカードの基準が厳しくなっているので、今後標準にして良いと思う。
ハリケーンズは前半を14-6とリードするなど、序盤は優勢で、WTBジュリアン・サヴェアの相手をぶっ飛ばすフィジカルの強さと、CTBバイリン・サリヴァンの優れたアタック能力でリードした。しかし、いかんせんスクラムとラインアウトが安定しない。HOアサフォ・アウムアは、ダン・コールズの後継者としてオールブラックスで期待しているが、どうも成長が止まっている。さらなる奮起を期待したい。
後半は、両チームが面白くないキックテニスをしてしまった時間帯や、ハンドリングエラーの連発という、ゲームをスポイルする要素があったものの、ときおりスーパープレーが出るので目が離せない展開になった。そして、ハリケーンズは、案の定アタックを得点に結びつけられなかった後の68分に逆転されるが、すぐに取り返して1点差のリード。81分、ハイランダーズにインゴールへボールを持ち込まれ、再逆転トライかと思われたが、ハリケーンズ5番と8番のトライセービングタックルでひやひやの勝利を得た。
こういうゲームを見ていると、ハリケーンズもハイランダーズも安定しておらず、正直強いとは思えない。これから、オーストラリア勢と対戦するが、よもや負けるようなことのないように頑張って欲しい。
フォース24-41ワラターズ
良い試合を観たい。
感想はあまりないが、ハイライトや得点差から見ると、ワラターズも調子を上げている模様。NZ勢相手にどこまで戦えるか?
3.(おまけ)来週のトランスタスマンゲームの(NZ応援の期待を込めた)勝敗予想
チーフス対ワラターズ チーフスの完勝
モアラパシフィカ対フォース モアラが普通に勝利
ブルーズ対フィジードルア ブルーズの圧勝
ハリケーンズ対レッズ ハリケーンズが苦戦するも、レッズに辛勝できるか?
ハイランダーズ対ブランビーズ ハイランダーズがFW戦に勝機を見出せるか?
クルセイダーズ対レベルズ クルセイダーズがトライの山を築いて大勝
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