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<ラグビー>南アフリカ対ブリティッシュアンドアイリッシュ・ライオンズ第2テスト,プレビュー

南アフリカ・スプリングボクス対ブリティッシュアンドアイリッシュ・ライオンズ

日時:2021年7月31日(土)19:00キックオフ
場所:ケープタウン・スタジアム,ケープタウン
レフェリー:ベン・オキーフ(NZ)
アシスタントレフェリー1: ニック・ベリー(オーストラリア)
アシスタントレフェリー2:マシュウ・ライナル(フランス)
TMO:マリウス・ユンカー(南アフリカ)

ブリティッシュアンドアイリッシュ・ライオンズ:
マコ・ヴニポラ、ルーク・カウワンディッキー、タディグ・ファーロング、マロ・イトジェ、アルンウィン・ジョーンズ(キャプテン)コートニー・ロウズ、トム・カリー、ジャック・コーナン、コナー・マリー、ダン・ビガー、デューハン・ファンデルメルヴァ、ロビー・ヘンショウ、クリス・ハリス、アンソニー・ワトソン、スチュアート・ホッグ
(リザーブ)
ケン・オウウェンス、ロリ-・サザーランド、カイル・シンクラー、タディグ・バーニー、タウルペ・ファレタウ、アリスター・プライス、オウウェン・ファレル、エリオット・デイリー

南アフリカ・スプリングボクス:
スティーヴン・キッショフ,ボンギ・ムボナンビ,フランス・マルアーブ,エベン・エツベス,フランコ・モスタート,シヤ・コリシ(キャプテン),ピータースティフ・デュトイ,ジャスパー・ウィーゼ,ファフ・デクラーク,ハンドレ・ポラード(バイスキャプテン),マカゾレ・マピンピ,ダミアン・デアレンデ,ルッカンヨ・アーム,チェスリン・コルベ,ウィリー・ルルー
(リザーブ)
マルコム・マルクス,トレヴァー・ニャカネ,ヴィンセント・コッホ,ルード・デヤーガー,マルコ・ファンスタッデン,クワッガ・スミス、ハースケル・ヤンチース,ダミアン・ウィルムゼ

プレビュー:
ライオンズのワレン・ゲイトランド監督は、先週のヘビー級の殴り合いのようなフィジカルを競い合うゲームに勝利して自信を深めている。先発FWは、先週の試合直前にウィリー・ジョーンズから交代したPRマコ・ヴニポラを含めて、変更はない。

BKは、SHのアリスター・プライスとコナー・マリーでローテーションした。また、脳震盪が心配されたSOダン・ビガーも先発に残っている。13番CTBエリオット・デイリーがリザーブの23番に下がり、13番にはクリス・ハリス(スコットランド)が先発する。

リザーブでは、FW20番のハミッシュ・ワトソンに代えて、タウルペ・ファレタウ(ウェールズ)が入り、23番BKは、デイリーが入ったことで、リアム・ウィリアムスがメンバー外となった。

ゲイトランド監督は、この第2テストマッチで勝利することによって、シリーズ勝ち越しを決める意気込みでいる。

南アフリカ・スプリングボクス監督のジャック・ニーナバー監督は、先週のFW戦で負けたことを反省し、リザーブをFW6人+2人にした他、若干メンバーを入れ替えている。

1番PRには、リザーブだったスティーヴン・キッショフを先発させ、3番PRだったトレヴァー・ニャカネを17番に下げた。また、リザーブだったフランス・マルアーブを3番PRにし、リザーブの18番にはヴィンセント・コッホを入れた。これは、先週1番PRで先発したオックス・ノッチェが怪我をしたためと説明している。

NO.8のクワッガ・スミスは、心配されたとおりライオンズの重量FWに対抗できなかったため、21番のリザーブに下げ、代わりにジャスパー・ウィーゼをNO.8で先発させ、20番のリザーブにはマルコ・ファンスタッデンを入れた。また、リザーブFWを6人にしたため、先週22番のリザーブに入っていた、エルトン・ヤンチースがメンバー外となった。

ニーナバー監督は、先週の敗戦を踏まえ、セットピースの安定が、チームの効果的なゲームプランを正確にプレーするための基盤であるとして重視している。また、ディシピリン(規律、反則),キックされたボール争奪の空中戦でのミスが、先週の敗因であったと分析している。

先週は、ラグビーの発展及びエンターテイメント性の観点からはかなりかけ離れた、重量級FWによる密集戦とBKによる単調なキックテニスが繰り返されたゲームとなった。両チームの特性からは、致し方ない部分もあるが、特にライオンズはエンターテイメントなラグビーを志向する使命を持っていると思われるので、もっとBKを活用したトライを取るゲームを期待したい。

一方のスプリングボクスとしては、先週は得意なはずのプレースタイルで負けてしまったため、シリーズ勝ち越しに向けて不安が生じる結果となった。しかし、現在の監督及びチーム構成からは、簡単にオールブラックスのような華麗なパス回しによるトライを取るスタイルに変更することは難しい。また、スプリングボクスとしての体質や個性に一致していないと思われる。

そのため、スプリングボクスが勝利するためには、やはり本来の得意とする単調なFW戦と陣地を取るキックの繰り返しに徹底するしかないのではないか。チームには、チェスリン・コルベというスキルとスピードを持ったWTBがいて、先週は彼が活躍する場面がまったくなかったが、今週も同じようになってしまうと思う。もっと言えば、FW戦とキックによるゲームに適応したBKとして、コルベよりもフィジカルに優り、空中戦を得意とし、ロングキックを蹴れるBKを起用した方が良いのでないだろうか。

コルベの出番は、オールブラックス、ワラビーズ、日本などのBKのプレーを得意とするチームとの試合に限定する一方、ライオンズ,イングランド、アイルランド、アルゼンチンなどの重量級FWをそろえたチームとの対戦では、別の考え方が必要ではないだろうか。

ということで、ここはライオンズが連勝してシリーズ勝ち越しを決めるのではないかと予想する。ただし、どういう展開になっても、トライが少ないPGやDGの競い合いで得点差が少なくなるため、ちょっとした反則やレフェリーの判断により、勝敗が転ぶ可能性が大きくあると思う。

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