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<ラグビー>ブレディスローカップ第2戦、結果

ビデオハイライト
https://youtu.be/ZaHge05ZqnE
https://www.allblacks.com/news/all-blacks-bounce-back-at-eden-park/

オールブラックスは、リザーブ22番リエコ・イオアネが、トレーニング中にハムストリングスを痛めて欠場したため、代わりにピーター・ウマガジャンセンが入った。ウマガジャンセンは、プレーすればオールブラックスのデビューとなる。また、オーストラリア・ワラビーズのNO.8ウィル・ハリソンは、腹痛があったものの予定通り出場している。

天気は快晴。先週の悪天候のウェリントンと異なり、両チーム本来のオープンラグビーが展開される好条件がそろった。

19分、オールブラックスSOリッチー・モウンガがPG、3-0。このプレーの前に、11番WTBカレブ・クラークが数人のディフェンスをぶっ飛ばすゲインがあったものの、次のパスがノッコンとなってアドバンテージ解消となったもの。
また、この前のプレーで、13番CTBアントン・リエナートブラウンが出血で一時退場したため、22番ピーター・ウマガジャンセンが交代出場でオールブラックスにデビューした。

23分、オールブラックスが、右スミのゴール前7mスクラムから左展開。トップスピードでボールをもらった12番CTBジャック・グッドヒューが、右中間ゴール前まで迫ってラック、そこからSHアーロン・スミスがすぐに右に持ち出して右中間にトライ。SOモウンガのコンバージョン成功で、10-0。

29分、ワラビーズが、6番FLネド・ハニガンのラインブレイクから作った中央ゴール前10mラックから左展開。数的優位を利用して、11番WTBマリカ・コロイベテが左中間にトライ。SOジェイムズ・オコナーのコンバージョン成功で、10-7。

31分、オールブラックス1番PRジョー・ムーディが怪我をして、17番PRアレックス・ホッジマンに交代。ホッジマンはオールブラックスにデビュー。

前半、オールブラックス10(1T1C1P)-ワラビーズ7(1T1C)

43分、オールブラックスが、中央ゴール前ラックから右展開。SHスミス→SOモウンガ→後方から上がってきた12番CTBグッドヒュー→14番WTBジョルディ・バレットとつなぎ、ジョルディが右中間にトライ。モウンガのコンバージョン失敗で、15-7。

46分、オールブラックスが、ワラビーズのキックを自陣左中間38m付近で11番WTBクラークがキャッチして、右中間へカウンターアタック。タックラー5人を次々になぎ倒して、中央ゴール前10mでラック。そこから左展開し、数的優位を突いて、NO.8アーディ・サヴェアが左中間にトライ。モウンガのコンバージョン失敗で、20-7。

49分、ワラビーズがラインブレイクし、11番WTBコロイベテがインゴール左スミに飛び込むも、その寸前にオールブラックスSOモウンガがタックルして、ボールの下に身体を置いてタッチダウンさせず、すぐにサポートにきた13番CTBリアントン・リエナートブラウンがボールを奪い取って、トライセービングタックル。

52分、ワラビーズが、モールからHOブランドン・パエンガアモサがインゴールに入り、TMOの結果、モールがつぶれた後にパエンガアモサがダブルムーブをしてインゴールに入る反則で、ノートライ。

54分、オールブラックスが、左中間35mラックから右展開。SHスミス→SOモウンガ→4番LOパトリック・ツイプロツで大きくラインブレイクし、最後右にサポートにきた7番FLサム・ケーンにつなぎ、ケーンが約20m走り切って中央にトライ。モウンガのコンバージョン成功で、27-7。

後半、オールブラックス17(3T1C)-ワラビーズ0。合計、オールブラックス27(4T2C1P)-ワラビーズ7(1T1C)。

オールブラックスは、特に11番WTBカレブ・クラークが、ジョナ・ロムーの再来と言われるほどの、8回のボールキャリーで123mをゲインする大活躍もあり、イーデンパークでの1994年以降続く不敗記録を更新した。ワラビーズは、1986年以来イーデンパークで勝てない記録を継続することとなった。

オールブラックスでは、クラークの他、13番CTBアントン・リエナートブラウン、FBボーデン・バレットが活躍した他、FWでは6番FLシャノン・フリッゼルがラインアウトやブレイクダウンで奮闘し、FW3列は皆良い仕事をした。また、23人全員が良いディフェンスをして後半0点に抑えたことが、大きな勝因となった。

この試合でクラークとともに初先発したLOツポウ・ヴァアイも、合格点のプレーだった。初キャップとなった、PRアレックス・ホッジマンとCTBピーター・ウマガジャンセンも合格点のプレーだったので、特にアルゼンチン戦では先発のチャンスがあるかも知れない。

なお、怪我から復帰のLOスコット・バレットも問題なくプレーしていたので、次戦からは先発に起用されると思われる。

ワラビーズは、ハンドリングエラーが多かった他、ブレイクダウンが安定しなかった。先週活躍した、NO.8ウィル・ハリソンのディフェンスや、WTBフィリポ・ダウグヌの突破力、さらにグラハム・ヘンリーが絶賛したSHニック・ホワイトのパスワークも、オールブラックスに対応されていて、得点に結びつかなかった。

【個人的見解】
ワラビ―ズのNZ人監督デイブ・レニーは、先週の第1戦で低迷しているワラビーズを良く立て直し、まさかの引き分けに持ち込んだ。しかし、さすがに既に手の内を見せてしまった第2戦では、オールブラックスにアタックを対応されてしまった。これはまた、彼我のプレヤーの人材の差が出た結果でもある。

また、レニーとしては、ブレディスローカップの残る2戦及びTRCのゲームが、全てオーストラリアで開催されることで、ホームアドバンテージがあるように期待しているのだろうが、このゲームで証明された個々のタレントの差は埋められるものではない。特に、ロムーの再来とオーストラリア各メディアでも絶賛されているクラークは、ロムー同様にわかっていても止められないので、大いに苦戦するだろうし、オールブラックスとしては、クラークにボールキャリーさせておけば、勝利に近づくことになるだろう。

オールブラックスとしては、好調のWTBジョージ・ブリッジを怪我で失ったが、代わりに入ったクラークがブリッジ以上の働きをしたので、来年の東京オリンピックの準備(クラークはセブンズの代表)が始まるまでは、クラークを11番で先発させると思われる。

また、13番CTBも、アントン・リエナートブラウンが期待以上の安定したプレーをしているので、リエコ・イオアネがオールブラックスでプレーするとすれば、リザーブまたはWTBしかチャンスがないと思われる。さらに、リエコの軽率なプレー振りからは、ワラビーズ戦では怖くて使えないので、アルゼンチンとの2戦で起用して経験を積ませるのではないだろうか。同様に、これまでプレーチャンスが与えられていないウィル・ジョーダンも、アルゼンチン戦でオールブラックスにデビューすると思われる。

オールブラックスの13番はリエナートブラウンで固定となるが、12番CTBはジャック・グッドヒューで固定とはならないと思う。なぜなら、ナガニ・ラウマフィーが怪我から復帰しているので、今後は試合前の練習で激しいポジション争いが期待される。また、こうしたレベルの高い激しいポジション争いがあることが、そのままオールブラックスの強さにつながっていると考える。

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