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<ラグビー>オリンピックセブンズ,NZブラックファーンズセブンズの優勝コメント

(この記事は,以下のNZヘラルド記事の翻訳を元にしています。)
https://www.nzherald.co.nz/sport/tokyo-olympics-2020-put-sarah-hirinis-interview-in-te-papa-world-reacts-to-black-ferns-win/TXXLFR7YQ2WVQ7ZQIV2WLW65YA/

NZブラックファーンズセブンズは,フランスを26-12と圧倒して優勝した。5年前のリオオリンピック決勝で,オーストラリアに負けた記憶をようやく払拭できたのだ。そして,多くのヒーロー(ヒロイン)たちは,感動的なコメントを残している。

中でも,最も勇敢で最も影響力ある選手であったキャプテンのサラ・ヒリニは,決勝で最初のトライの起点となった他,試合後のインタビューでとても感動的なコメントをした。

「ただただ嬉しいです」とヒリニは,激しい戦いで右目の上を腫らしながら,涙を流した。
「いろいろなことが胸の中を駆け巡っています。そして,愛しいお母さん,なんでいないの」

ヒリニの母ロニー・ゴス(注:ヒリニの旧姓)は,この3月に53歳で亡くなった。そして,ヒリニは,NZTVの試合前のインタビューで,「今でも悲しい」と述べていた。

「世界でも最高のチームの一員であったことを誇りに思います。このチームは,これまでの5年間多くのことを成し遂げてきました。そして,今金メダルを母国に持ち帰ります。私はとても誇りに思っています。私たちは互いに良い関係を築き,それは特別なことでした。(金メダルを取るまでの)2ヶ月間を一緒に生活しました。私たちは本当に特別な集まりでしたし,今回がチームとしてプレーする最後になりました」

「私たちはともに過ごした良い時間を愛おしく思います。そして,これこそがおそらく私たちにとって一番大切なことではないでしょうか」

オールブラックスだった父譲りの才能で,セブンズだけでなく,15人制でも最強のトライゲッターとして活躍するポーシャ・ウッドマンは,リオオリンピックの銀メダルで悔し涙を流した一人だった。

「表彰台に上がった瞬間は,夢のようでした。リオの悪夢をようやく無くせ,消し去ることができました。私たちは金メダルを取ったのです。本当に素晴らしいことでした」

「私にとっては,リオを振り返って,試合で最後のトライを取ったのにも関わらず勝てなかったことが,モチベーションになっていました。リオでは,ゴールポストの下で泣きましたが,いつも思い出す場面です。しかし,もう全ては過去のものになったのです」

「最後のホイッスルが鳴ったとき,私は抑えきれない感情と喜びで舞い上がっていました。そして,サラ(ヒリニ)を見て,ミカエラ(ブレイド)を見て,グランドにいるみんなを見ました。こんなことは,信じられないような幸せな瞬間でした」

【個人的見解】
NZは,男子のオールブラックスセブンズは,惜しくもフィジーに敗れて銀メダルでしたが,女子のブラックファーンズセブンズは,リオオリンピックでの屈辱を晴らす見事な優勝でした。

キャプテンのサラ・ヒリニ,才能あふれるティラ・ネイサンウォン,スピードスターのミカエラ・ブレイドとステイシー・フルーラのトライゲッターに加え,15人制でも最高の選手である,ケリー・ブレイザーとポーシャ・ウッドマンを加えて,最高のメンバーを揃えたチームでした。また,決勝では2トライを取ったガイル・ブロートンを筆頭に,正に全員が力を合わせた勝利でもあったのです。

そして,この選手たちがリオの屈辱を見事に晴らした結果のコメントは,いかにもキーウィーらしい,家族愛とチーム愛に満ちたものでした。スポーツは,そしてオリンピックは,国の威信や政治的主張でプレーするものでは決してありません。選手自身,選手の家族,チームの仲間のために,選手は必死にプレーするのです。そして,そこにこそオリンピックを開催する意味があり,また選手が想像できない程の苦労をしても,スポーツをする意味があるのだと思います。

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