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<ラグビー>ブレディスローカップ第3戦兼トライネーションズ(TN)第1戦、ワラビーズ対オールブラックス、結果

ビデオハイライト
https://www.rugby.com.au/videos/2020/10/31/wallabies-all-blacks-bledisloe-three-highlights
https://youtu.be/76W0Whfuoc0
https://www.allblacks.com/videos/highlights-all-blacks-v-australia-sydney/

雨模様のシドニー、ANZスタジアム。オーストラリア・ワラビーズは、伝統のアポリジニ柄を入れたグリーンのジャージで、負ければ18年連続でオールブラックスに保持されるブレディスローカップを取り戻すべく気合を入れる。一方のオールブラックスは、この試合でカップ保持を決めるということで、マストウィンのハカ、カパオパンゴ。

しかし、ワラビーズはSOジェイムズ・オコナー、12番CTBマット・トゥムーアのBKの柱2人をともに怪我で欠き、代わりにSOで先発するノア・ロレシオと12番CTBイラエ・シモーネの2人は、これが初めてのテストマッチということで、いかに荷が重い。

4分、ワラビーズ14番WTBフィリポ・ダウグヌが、ハイボールをジャンプしてキャッチするオールブラックス11番WTBカレブ・クラークの足元に思い切り入って、クラークを逆さまに落とす。TMOの結果、明らかにレッドカード(退場)相当のプレーだが、オーストラリア人レフェリーでTMOを担当するアンガス・ガードナーは、シンビンの温情判定。
7分、オールブラックスが、中央ゴール前5mラックから左展開。SHアーロン・スミスから、斜めに走り込んできた1番PRカール・ツイヌクアフェにパスして、左中間にトライ。ツイヌクアフェのPRとは思えない見事なアングルラン。SOリッチー・モウンガのコンバージョン成功で、0-7。

9分、オールブラックス14番WTBジョルディ・バレットが、タックルにきたワラビーズFBダン・ハイレットペティの顔に前腕を当てて、TMOの結果シンビン。
11分、オールブラックスが、SOモウンガからの右サイドから左コーナーへのキックパスを取ったHOダン・コールズがインゴールに入るが、TMOの結果、ノッコンしていてノートライ。

14分、オールブラックスが、右中間ゴール前15mモールから右展開。最後尾のHOコールズが前に持ち出して、右の11番WTBカレブ・クラークにロングパス。クラークはそのままインゴール右スミに入るが、TMOの結果、ワラビーズ11番WTBマリカ・コロイベテのタックルでタッチに出ていて、ノートライ。
21分、オールブラックスが、中央20mモールから右展開。SHスミスが左へ走った後、クロスで走り込んできたSOモウンガにパスして、右中間をラインブレイク。そのまま走り切って右スミにトライ。モウンガのコンバージョン失敗で、0-12。

27分、オールブラックスが、自陣22m中央からFBボーデン・バレットがショートパント。これをチェイスしたSOモウンガが取って、そのまま60m走り切って中央にトライ。モウンガのコンバージョン成功で、0-19。
30分、オールブラックスが、ゴール前左スミ5mラインアウトからモールを押して、HOコールズが左スミにトライ。モウンガのコンバージョン成功で、0-26。

39分、オールブラックスが、12番CTBジャック・グッドヒューがインゴールに迫るが、ゴール前でタックルされてノッコン。

前半、ワラビーズ0-オールブラックス26(4T3C)。
スコア通りの展開。TMOで帳消しにならなければ、オールブラックスはさらに14点を加えて、0-40になっていた内容。

42分、ワラビーズが、13番CTBジョーダン・ペタイアの好走から得た右中間ゴール前ラックから左展開。SHニック・ホワイトから走り込んできたSOノア・ロレシオにパスして、そのまま右中間にトライ。ロレシオのコンバージョン失敗で、5-26。
60分、モウンガがPG、5-29。

71分、オールブラックスが、ゴール前右スミ5mスクラムから、NO.8ホスキンス・ソツツが右に開いて、外の23番WTBリエコ・イオアネにパス。リエコはそのままインゴール右スミにトライ。ただし、このトライも右手だけでボールを持っていて反省の色なし。トライをするときは両手でタッチダウンして欲しい。モウンガのコンバージョン成功で、5-36。
74分、オールブラックスが、自陣右スミ55mのラックから左展開。SOモウンガの左に走り込んできた14番WTBジョルディ・バレットがパスを受けて、そのままラインブレイクし、60mを走り切って中央にトライ。モウンガのコンバージョン成功で、5-43。

80分、オールブラックス6番FLシャノン・フリッゼルが、ワラビーズFBダン・ハイレットペティにハイタックルしてシンビン。勝負が決まっているとはいえ、このようなプレーは猛省を要する。
82分、ワラビーズが、中央ゴール前ラックから左展開。11番WTBコロイベテがインゴール左スミに入ろうとするが、オールブラックス14番WTBジョルディ・バレットがタッチに押し出して、トライセービングタックル。試合が決まった後でもこういうプレーをすることが、オールブラックスとしては重要。隠れたファインプレー。

後半、ワラビーズ5(1T)-オールブラックス17(2T2C1P)。合計、ワラビーズ5(1T)-オールブラックス43(6T5C1P)。

オールブラックスは、テストマッチにデビューする若いSOと12番CTBを揃えてきたワラビーズに、ずいぶんなめられたようなゲームだった。スーパーラグビーレベルならまだしも、テストマッチでしかも世界一のオールブラックスと対戦するには、初キャップとなる経験値のない新人では家賃が高すぎるし、そもそも場違い、ミスマッチ。もっと言えばオールブラックスに失礼でしょう。しかし、その程度の選手しかいないワラビーズの選手層の浅さが、この結果を招いたと言える。

オールブラックスは、ブレディスローカップの18年連続保持を決め、ワラビーズとのゲームでは、1996年ウェリントンの43-6を上回る、最多得点差記録を更新した(38点差)。

スタッツでも、ボールポゼッションが42対58、テリトリーが36対64で、オールブラックスがワラビーズより多くボールを持って、長く敵陣に居た。アタックのクリーンブレークは2対10で、オールブラックスは10回突破して、6回トライに結び付けた。一方、ターンオーバーされた回数は、17対9で、ワラビーズはブレイクダウンでも惨敗していた。さらに、ワラビーズのラインアウト成功率は84%で、実力に劣る側が自滅していては、どうやっても勝てない。

個々の選手では、ワラビーズは、CTBジョーダン・ペタイア、LOマット・フィリップ、FLマイケル・フーパーが健闘していたが、焼け石に水だった。特に、WTBフィリポ・ダウグヌは、第1戦でトライを記録して調子に乗っていたが、このゲームではトイメンのオールブラックスWTBカレブ・クラークに手も足も出なかった。さらに、ワラビーズは最初クラークを狙ってハイボールを蹴ったが、クラークは難なくキャッチして、むしろチャンスをもらっていた。

オールブラックスは、前半圧倒した反動で、後半の最初の20分はさすがに気持ちが入っていなかったが、その後は実力差が素直に反映されて得点を広げた。FWでは、HOダン・コールズ、LOサムエル・ホワイトロック、NO.8ホスキンス・ソツツ、BKではSOリッチー・モウンガ、13番CTBアントン・リエナートブラウン、14番WTBジョルディ・バレット、FBボーデン・バレットが良かった。しかし、MOMは2トライを挙げる好走が光ったモウンガではないか。

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