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<ラグビー>2022~23シーズン、リーグワン第16節の結果及びインターナショナルラグビー関連等

(どうでもよい「話の枕」です。関心ない方は飛ばしてお読みください。)

 朝ドラの主人公は、今なら「アスペルガー」とレッテルを貼られて社会から疎外され、埋没してしまう天才だと思う。そういえば、シャーロック・ホームズやエルキュール・ポアロも、今では即決で「アスペルガー」とレッテルを貼られるキャラクターだろう(また、精神科医でもないマスコミが、正確な意味を知らずに言葉だけを利用している現状は憂慮すべきだ)。しかし、こうして「病気」という安易なレッテルを貼られてしまう人物に天才型が多いのは事実だ。そして、大植物学者牧野富太郎が世に出られた明治時代、ホームズが活躍できたビクトリア朝大英帝国の時代は、このような天才型の傑物たちには意外と住みやすかったようだ。

 ・・・ところで、かくいう私も「アスペルガーではないか?」と最近言われている(しかし、40年間社会人として仕事をしてきたので、もし該当してもその度合いは小さいと職場で契約していた精神科医に言われた)、確かに小学校低学年の時「運動会の徒競走のときゴール前で歩き出す」、「プールに入らない」等のエピソードもあった。そういう経歴を持つ私にとって、現代社会は住みづらい世の中だと思っている。なぜなら、寛容という概念がいつのまにか喪失してしまい、理不尽な「正義」とその無法な行使が放任されているから。

 そういえば、私がゴール前で走るのを止めたとき、そこはちょうど校長やPTA会長が酒を飲んで「観戦」している席だったから、「酒のつまみとなる余興」をぶち壊した私に対して、真っ赤な顔をして「走れ!走れ!」と怒鳴っていたな。小学校低学年だった私は、心の中で「ザマアミロ、俺はお前たちの見世物じゃねえぞ!」と叫んでいたよ、ハハハ。

1.リーグワン第16節結果

東芝ブレイブルーパス東京22-34埼玉ワイルドナイツ

 先週のフライデーナイトゲームは、ようやく好天の下でラグビーらしいラグビーができたが、この試合の観客が少ないからということで、フライデーナイトゲームを開催する意味はないという「木を見て森を見ない」愚見があった。

 この観客が少ない原因は、毎週金曜夜が豪雨になり、せっかく来てくれた観客は雨の中で悲惨な状態に震え、ゲーム自体も良いラグビーをやる条件ではないので、つまらないものになっていたからだ。これを毎週繰り返されたら、せっかくのフライデーナイトゲームであっても、観客が二の足を踏むのは当然だろう。

 だから、「ラグビーは雨でも雪でもやるスポーツ」と妄信せず、秩父宮を屋根付きスタジアムにし、また人工芝に変更することが唯一の解決策なのだ。また、今シーズンの定期的な週末の雨のおかげで、秩父宮以外のスタジアムは軒並み想定以下の観客数になっている。これは、プレーしているラグビーの質云々ではなく、単純に天候が一番の原因だ。

 なお、先週の観客数の少なさを批判した人は、同時に秩父宮の屋根付きスタジアム設置及び人工芝化を「経済優先の暴論」と否定しているが、会場の秩父宮は、屋根なしかつ天然芝が理由で雨天対応できず、観客を全く歓迎していない環境となっていることが、観客数が落ち込む最大の理由である。これはリーグワン運営に大きく影響する経済的な大打撃だろう。リーグワン及び日本ラグビーがプロとして経営を維持するためには、何よりも安定した収入が必要なのだ。「武士は食わねど高楊枝」なんて戯言は、少なくとも今の日本ラグビー界には害毒でしかない。

 さて、ゲームの予想としては、両チームともモチベーションが高くなっているので、かなり厳しいゲームになりそうな予感がする。またそうしたゲームは楽しみでもある。

 久々の好天と人気チーム同士の対戦とあって、秩父宮は結構お客が入っている。また、雨が続いたせいで、普段は惨状をさらしている芝が今日は良い状態で、これで良いラグビーをするための条件がようやくそろったと言える。そしてゲーム自体も、好条件に応えるように良い内容だった。

 負ければシーズンが終わってしまうブレイブルーパスは、いつものようにフィジカルを前面に押し出し、闘将マイケル・リーチを切り込み隊長として奮闘する。しかし、横綱であるワイルドナイツは全く動じない。フィジカルで攻められても、あるいはスピードで攻められても、万全の対応方法を熟知している。そして少しでも隙あらば、一気呵成のアタックで得点してしまう。まさに王者のプレー振りであり、先週の(開店休業状態だった)ブルーレヴズ戦とは雲泥の差だった。

 そうしてワイルドナイツは、前半を0-19とリードする。対するブレイブルーパスは、LOジェイコブ・ピアースがリーチに続き奮闘するが、アタックにもう一枚足りない。そうワーナー・ディアンズが怪我で欠場していたのだ。ディアンズは今後10年間の日本代表を背負う大切な人材なので、軽々に無理をして欲しくないが、この試合で欠場したことは、ブレイブルーパスの力を半減させていたと思う。なお、BKではFB松永拓郎が引き続き良いプレーを見せているので、SOもできる松永を日本代表スコッドに招集しても良いのではないか。

 苦しいゲーム運びとなったブレイブルーパスは、後半に3トライを挙げて意地を見せたが、試合巧者でもあるワイルドナイツは、勝利を確実にするべく一定の得点差を最後まで維持していき、見事に完勝した。いつものことだが、SO山沢拓也の天才的かつスポーツ万能のプレー、FB野口竜司のいとも簡単に処理するハイボールやポジショニングの上手さは光っていた。これに加えて、3番PR平野翔平の好守に渡る献身ぶりは、トライを挙げたこと以上に評価すべきだと思う。これで稲垣啓太の後継者は決まったのではないか。

クボタスピアーズ船橋・東京ベイ39-24東京サンゴリアス

 スピアーズSOバーナード・フォリー対サンゴリアスSOアーロン・クルーデンになれば、元ワラビーズ対元オールブラックスのSO同士のマッチアップが楽しめる。しかし、残念なことにクルーデンは欠場となり、田村熙が先発する。兄の優(イーグルス)の後を継いで日本代表入りするためにも、ここで良いプレーを見せたい。

 前半はFW力に優るスピアーズが優勢にゲームを進め、10-5とリードする。後半は56分と58分にスピアーズにシンビンが連続して出て、13人対15人となったサンゴリアスが反撃し、58分に15-19と逆転、61分には15-24と点差を開いた。

 しかし、65分にスピアーズがトライを返して22-24とした後の72分、サンゴリアスにシンビンが出てしまい、74分に27-24とスピアーズが再逆転する。78分には32-24となった後、80分にまたもやサンゴリアスにシンビンが出てついに13人になってしまい、最後は39-24とサンゴリアスは点差を付けられて負けた。

 なお、この2チームは、来週にプレーオフ準決勝で対戦するため、この試合はその前哨戦であるとともに、お互いに手の内を隠す部分もあったゲームなので、この試合結果をそのまま両チームの力の差と理解したら、それは大間違いだろう。来週の「本番」が楽しみだ。

三菱重工相模原ダイナボアーズ21-31ブラックラムズ東京

 ダイナボアーズは調子が落ちているのに対して、ブラックラムズは先週のヴェルブリッツ戦も良いアタックを見せていたので、ここは順当に勝つのでは?

 前半は予想どおりにブラックラムズが攻勢を見せ、26分にダイナボアーズにシンビンが出たこともあり、0-24と大きくリードする。しかし、後半はダイナボアーズ50分にシンビンを出しながらも、3連続トライを挙げて、66分には21-24と3点差まで迫った。しかし、72分にブラックラムズがトライを挙げて21-31とし、勝負を決めた。

花園近鉄ライナーズ26-43グリーンロケッツ東葛

 最下位争いの哀しい対戦。しかし、ライナーズとしては勝利が期待できるゲームなので、モチベーション的にはホームのライナーズか。そして、長く怪我で欠場していたSOクエード・クーパーがライナーズに戻ってきた。

 前半は勝負をかけてきたグリーンロケッツが攻勢で、14-22とリードする。後半に入るとライナーズが反撃し、57分には26-22と逆転した。しかし、その後60分、72分、77分とグリーンロケッツが3連続トライして、ライナーズに完勝した。

 ライナーズは、SOにクーパーが戻ってきたものの、キックオフ直後に負傷交代してしまい、いきなり大活躍とはいかなかった。また、早すぎる交代となった22番SOジャクソン・ガーデンバショップは、最近好調だったパフォーマンスとは正反対のプレー振りで、チームの足を引っ張ってしまった。

静岡ブルーレヴズ27-37トヨタヴェルブリッツ

 先週ワイルドナイツ相手にまさかの勝利を得たブルーレヴズだが、さすがに柳の下にドジョウは二匹いない。一方のヴェルブリッツは、スティーヴ・ハンセン効果でかなり強いチームに進化しているので、普通に見ればヴェルブリッツが完勝する。

 ヴェルブリッツは、圧倒的アウェイのスタンドを前にして、前後半に1枚ずつシンビンを出したものの、前半を12-21とし,後半も57分に27-28と1点差に迫られたが、67分、76分、79分と効果的にPGを決めて完勝した。スティーヴ・ハンセンのNZ式コーチングが良く浸透した成果となったが、今シーズンの初めからこういうプレーができていれば、上位を脅かしたと思う。

 後半48分のヴェルブリッツのトライは、PKから見事な速攻を決めたSH福田健太のファインプレーだが、一方のブルーレヴズは、勝手にキックをするものと決めつけてボールから目を離す恥ずかしいボーンヘッドだった。特にポイントの一番近くにいたSHは、ボールから完全に目を離している他、相手に背中を見せて立っているだけで、オンサイドラインに下がろうともしていない。こんなプレーをもし高校ラグビーでやったら、しばらく試合に出してもらえないと思うような、プロとしてかなり恥ずかしいものだった。

 ヴェルブリッツ11番WTBヴィラメ・ツイドラキは、攻守に良いプレーをしており、もともと高い身体能力があるので、日本代表スコッドに呼びたい逸材だと思う。もしかするとRWCまでに大化けする可能性を持っていると期待している。

コベルコ神戸スティーラーズ26-52横浜キャノンイーグルス

 先週ライナーズに想定外の負けを喫したスティーラーズ。そして、入替戦回避に向けたシーズン最終戦の相手は、強豪イーグルス。勝つための方策はほとんどないので、戦前の旧日本陸軍のように「弾薬も物資もないが、精神力で勝て!」という、団塊世代の大好きなスポ根アニメの理不尽な魔法しかないのでは?一方のイーグルスは、キックオフ前からなめてかかると相手の気迫に慌てることになるので、まずはセットプレーとディフェンスに集中することが重要だと思う。

 前半12-26、後半14-26とイーグルスが安定してゲームを進めた一方、スティーラーズは完敗だった。またスティーラーズは、後半71分にレッドカードをもらったプレーは、ベテラン選手に相応しくないかつチームの足を引っ張るプレーだった。こういうプレーが出てしまうあたり、今シーズンのスティーラーズの不振を象徴していると思う。

 個々の選手では、スティーラーズから日本代表スコッドに入れたい選手は、FB山中亮平ぐらいで他はいない。一方のイーグルスは、活躍したのは皆南アフリカの選手ばかりだったが、セヴンズで活躍している松井千士が、ちょっと面白そうだ。

来週の準決勝の試合日程が決まった

5月13日(土) 埼玉ワイルドナイツ対横浜キャノンイーグルス
5月14日(日) クボタスピアーズ船橋・東京ベイ対東京サンゴリアス
 二試合ともに秩父宮で開催されるが、できれば好天の下で「これぞラグビー!」ともいうべき、スーパーラグビーのようにボールが良く動き、ランナーが良く走るプレーを見せてもらいたい。

入替戦(D1対D2)の日程も決まった

5月 5日 三重ホンダヒート対グリーンロケッツ東葛
5月 6日 豊田自動織機シャトルズ愛知対三菱重工相模原ダイナボアーズ
5月 7日 浦安D-Rokcs対花園近鉄ライナーズ
5月13日 グリーンロケッツ対ヒート
5月13日 ライナーズ対D-Rocks
5月14日 ダイナボアーズ対シャトルズ

 このうちアップセット(入替)が起こりそうなのは、D-Rocksとライナーズの対戦ではないか。ただし、ライナーズはクエード・クーパーのプレーする可能性と、好不調の波が大きいSOジャクソン・ガーデンバショップの出来如何という気がする。

2.インターナショナルラグビー関連

(1)スーパーラグビーパシフィック第9週結果

 今週は、ハリケーンズ、モアナパシフィカ、ブランビーズ、レッズ(NZ人監督ブラッド・ソーンは、今シーズン限りの退任を発表)の各チームは、試合がないお休みの週となっている。そして今週は、第一次大戦及び第二次大戦で戦死した、NZとオーストラリアの連合軍=ANZAC軍の慰霊を行うアンザックデーである。

チーフス対50-17フィジードルア

 チーフスは安定して連勝を継続すると思うが、ドルアは決して弱いチームでないので、集中力が切れなければ大丈夫だろう。

 雨の中でも、スーパーラグビーはリーグワンと異なって、ちゃんと「ラグビー」をやってくれる。このレベルの差は凄いなと思う。そして、ドルアはフィジーらしい良いトライを挙げるが、好調なチーフス相手には歯が立たない。チーフスは楽々と連勝を継続した。このまま優勝まで走るように見える。

 チーフス9番SHコルティス・ラティマー、6番FLサミぺニ・フィナウ、13番CTBダニエル・ロナ、14番WTBショーン・スティーヴンソンが良いプレーをしている。しかし、さすがオールブラックスであるHOサミソニ・タウケイアホ、4番LOブロディー・レタリック、FBダミアン・マッケンジーが好調だ。彼らがオールブラックスのスコッドに入るのは確実だろう。また、イアン・フォスター監督は、チーフスWTBエモニ・ナラワも高く評価している。

レベルズ27-43クルセイダーズ

 クルセイダーズは、弱小レベルズに対してしっかりとボーナスポイント付きの勝利を得たい。しかし、アウェイのゲームでもあり、今シーズンのクルセイダーズはけっこうスキがあるので、油断は大敵。

 その油断をしたのだろうか、前半はレベルズに押しまくられて24-12とリードされる。しかし、後半に入ってすぐにトライを返して24-19とした後の62分、レベルズにシンビンが出てクルセイダーズは有利にゲームを進めることになった。続く63分にトライを挙げて、24-26と逆転する。しかし、68分にレベルズ13番CTBリース・ホッジが、40mのPGを入れて27-26と再逆転してしまう。ホッジは、この手のゴールキックを外す「蚤の心臓」だが、最近はきちんと決めている。

 クルセイダーズは再逆転されたものの、70分にトライ、77分にPGで27-36と得点して勝利を近づけ、82分にはボーナスポイント獲得になる6つ目のトライを挙げて、最後は予定通りの勝利を得た。控えメンバーが多いアウェイのゲームとはいえ、77分まで試合を決められなかったところに、今シーズンのクルセイダーズの不安定さが現れていたように思う。

ブルーズ55-19ワラターズ

 ブルーズは、無敵のホームゲームでもあるので、余程のことがないかぎり弱小ワラターズ相手に、SOボーデン・バレット(スーパーラグビー150キャップを達成)が天才的な才能を発揮し、WTBマーク・テレアがトライの山を築くと思うが、ここも窮鼠猫を噛むということがあるので、油断大敵。

https://www.rugbypass.com/news/we-cant-keep-everybody-nzr-preparing-for-departures-after-rieko-ioane-coup/

 ブルーズ及びオールブラックスのCTB/WTBのリエコ・イオアネが、NZ協会との契約を2027年まで延長した。これはNZ及びブルーズにとって朗報だが、NZ協会としては、経済的な負担に苦心しているようだ。しかし、オーストラリアのような「ギトゥーロウ」(一定数以上のキャップを持つ代表選手は、海外でプレーしていても国代表資格を維持できる)の導入は、しばらく先になりそうだ。それくらい「オールブラックス」というブランドは強固な存在になっている。

 予想通り、ブルーズが不調のワラターズを全ての面で圧倒して、前半を20-7,後半を35-12として圧勝した。ブルーズは、FLダルトン・パパリイが欠場したが、アキラ・イオアネが復帰した。また、12番CTBハリー・プランマーは100キャップ達成を勝利で飾った。NO.8ホスキンス・ソツツと11番WTBケイレブ・クラークが、特に良いプレーをしていたが、FBスティーヴン・ペロフェタに代わって出場した、23番FBザーン・サリヴァンも2トライと気を吐いた。スタンドで観戦していたオールブラックス監督のイアン・フォスターとしても、選手のプレー振りに安心したのではないか。

 ワラターズは、反則の多さ、ノータッチキックの多さ、ハンドリングエラーの多さに加え、セットプレーでも安定せず、よく3トライを取れたなというような惨状だった。

ウェスタンフォース30-17ハイランダーズ

 ハイランダーズは、アウェイのゲームながらフォース相手にしっかりと勝利しておきたい。しかし、圧倒的な力の差はないので、ちょっとしたことで流れが変わるため、セットプレーを中心に固いゲームをしたい。しかし、アーロン・スミスとファラウ・ファカタヴァの2人のオールブラックスのSHは欠場し、代わりにジェイムズ・オルスコットが先発、ネイサン・ヘイスティーがリザーブになった。ヘイスティーは、オーストラリアのパースで生まれた後NZに移住してきた経歴を持っている。

 飛車角落ちのハイランダーズは、前半3枚のシンビンをもらったこともあり、24-3とフォースに大きくリードされる。しかし、39分と51分にフォースがシンビンを出したこともあり、58分には24-17と7点差まで迫った。ところが、その後はフォースにゲームを上手くコントロールされ、62分と77分にPGを決められて勝利が遠のいてしまった。

 こうした予想外の負けを喫してしまうあたり、ハイランダーズの選手層の薄さと実力の無さを示している。一方、ホームゲームとはいえ、フォースは強豪NZチームのひとつに勝利したことは、大きな自信になるだろう。

(2)南アフリカ・スプリングボクス次期監督関連

 スプリングボクス現監督のジャック・ニーナバーが、RWC後の退任及びアイルランドのレンスター監督就任を発表したが。スプリングボクスの現ディレクターオブラグビーをしているラッシー・エラスムスも、RWC後の退任を匂わせている。

 一方、レンスターの現ディレクターオブラグビーであるレオ・カレンは、元アイルランド代表LOでもあることから。現在アイルランド代表監督をしているアンディ・ファレル(イングランド人)の後任を狙っているという噂がある。そのため、レンスターのディレクターオブラグビーにエラスムスが就任すれば、現在のスプリグボクスの首脳二人が、そのままレンスターに移籍することもありうると、引用した記事は述べている。

 これまでアイルランドのクラブチームや代表の監督は、NZとの関係が深かった。例えば、ワレン・ゲイトランドやジョー・シュミットといった成功した監督はNZ人だ。しかし、ここでアイルランドとのつながりが低い南アフリカ(NZには、アイルランド、スコットランドからの移民が多いが、南アフリカは、イングランド、フランス、オランダからの移民が主流)が、アイルランドラグビーとの関係を深めることは、そのまま現在の南アフリカラグビーがヨーロッパラグビーとの関係を深めているベクトルと一致するので、この可能性はかなりあり得るだろう。

(3)ロジャー・ツイヴァサシェックがリーグへ復帰

 リーグラグビーで大活躍し、その後ラグビーユニオンに移籍して、オークランド、ブルーズ、そしてオールブラックスでもプレーした、ロジャー・ツイヴァサシェックは、今シーズン限りでユニオンのプレーを終え、来シーズンからは古巣のリーグに戻り、オークランド・ウォリアーズと3年契約したことを発表した。

 ツイヴァサシェックは、最近ではベストの12番CTBと称されたマア・ノヌーがオールブラックスから引退後、長くベストプレヤーが空席であった12番CTB候補として期待されたが、今シーズンは怪我でプレーできていないこともあり、現在まで才能を発揮できずにいる。ただし、今年のRWCフランス大会で、オールブラックスのスコッド入りする可能性はまだ残されているので、今後の経緯を見守りたい。

 なお、オールブラックスの12番CTBについては、ジョルディ・バレットがNO.1候補となっており、次いでデイヴィット・ハヴィリ、アントン・リエナートブラウンがいる。また、モアラパシフィカの13番CTBでプレーしているレヴィ・アウムアが、もしもオールブラックス入りした場合は、12番を担う可能性も考えられる。

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