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<ラグビー>ブレディスローカップ第1戦、結果などなど

ビデオハイライト
https://www.allblacks.com/videos/highlights-all-blacks-v-australia-wellington/
https://youtu.be/8O-hDhQKiRc
ハカのビデオ
https://www.allblacks.com/videos/the-all-blacks-first-haka-of-2020/
https://youtu.be/YgTdohtNwBg
参考とした記事
https://www.nzherald.co.nz/sport/bledisloe-cup-rugby-all-blacks-coach-ian-foster-refuses-to-blame-sloppy-rieko-ioane-for-wallabies-draw/DS2C62IRWH6B7FGXKFY7SASXXU/

オーストラリア・ワラビーズのキャプテン及びFLマイケル・フーパーが、100キャップ。また、ワラビーズのNZ人監督デイヴ・レニーの、就任後最初のゲームとなった。
オールブラックスは、リザーブPR18番ネポ・ラウララから、タイレル・ローマックス(キャップ1)に交代。
ウェリントンは、風雨強し。キッキングゲームになり、トライが少なくならざるを得ない天候。

ハカのリードは、キャプテンのFLサム・ケーン。右にSHアーロン・スミス、左にHOコーディ・テイラー。HOとしてもオールブラックスとしてもテイラーより古いダン・コールズは、テイラーの後ろになっている。遠慮したのだろうか。

9分、オールブラックスが、13番CTBリエコ・イオアネの左タッチライン際独走から得た左中間25mラックから右展開。FBダミアン・マッケンジーがライン参加してブレイクし、そこからループした12番CTBジャック・グッドヒューへ素早いパス。グッドヒューは、外の6番FLシャノン・フリッゼルにパスし、フリッゼルはBK並みの速いパスを、大外でフリーの14番WTBジョルディ・バレットへパス。バレットがそのまま抜けて右スミにトライ。ジョルディ・バレットのコンバージョン失敗で、5-0。
ただし、リエコが左タッチライン際を抜けた際、左足スパイクがタッチラインにわずかに触れていたように見えたが、これをオーストラリア人アシスタントレフェリーのアンガス・ガードナーが見逃していた。ガードナーがきちんと見ていたら、トライにならなかった可能性を残した。

26分、オールブラックスが、右中間ゴール前ラックからNO.8アーディ・サヴェアがインゴールに入る。NZ人レフェリーのポール・ウィリアムスは、TMOに諮ることなくボールヘルドを宣告して、ノートライ。
27分、オールブラックスFBジョルディ・バレットがPG、8-0。

31分、ワラビーズSOジェイムズ・オコナーがPG、8-3。
41分、オールブラックスが、自陣右中間でのワラビーズのノッコンを、7番FLサム・ケーンが拾ってただちに左展開。大きく前進し、最後はフリーになった13番CTBイオアネが、右手だけでボールを持って左中間インゴールにダイブ。TMOで確認したところ、イオアネの手からボールが落ちており、ノッコンと認定されて、ノートライ。オールブラックスは重要なトライを、イオアネの軽率なプレーでフイにした。

前半、オールブラックス8(1T1P)-ワラビーズ3(1P)

42分、オコナーがPG失敗。
44分、オールブラックスが、左22mラインアウトから、内から入ってきた11番WTBジョージ・ブリッジが、HOコーディ・テイラーからの内返しのパスをもらって大きく前進。サポートしたSHアーロン・スミスにつなぎ、スミスは最後のディフェンスに来たワラビーズSHニック・ホワイトのタックルを振り切って、左スミにトライ。ジョルディ・バレットのコンバージョン失敗で、13-3。

53分、ワラビーズが、右22mラインアウトからモール。そこから左展開して、オールブラックスのSOリッチー・モウンガ、12番CTBジャック・グッドヒュー、13番CTBリエコ・イオアネがディフェンスに集まったところで、左側大外にパス。11番WTBマリカ・コロイベテは2対1のチャンスを利して、ジョルディ・バレットを抜き、バッキングアップに来たFBダミアン・マッケンジーのタックルを受けながら、左スミにトライ。オコナーのコンバージョン失敗で13-8。
オールブラックスの、コミュニケーション不足のBKのディフェンス、さらにFWの内側から外へのディフェンスの出足が悪かったために招いたトライ。また、FBにボーデン・バレットがいれば、足の速さでコロイベテに追いついた可能性あり。

63分、ワラビーズが、右中間15mラックからタックルされた5番LOマット・フィリップが、オールブラックスの選手にボールをノッコンさせられたように見える前に落ちたボールを、ワラビーズ選手が拾って外の14番WTBフィリポ・ダウグヌにパス。ダウグヌは、無人のインゴール右スミにトライ。オコナーのコンバージョン失敗で13-13。

72分、ジョルディ・バレットが、正面やや右40mのPGを失敗。
74分、ジェイムズ・オコナーが、ほぼ正面35mのPGを成功、13-16。
79分、オールブラックスが、ワラビーズのゴール前にモールで攻めるも取りきれず、アドバンテージを得て、バレットがほぼ正面20mのPGを成功。16-16。

83分、ワラビーズ23番BKリース・ホッジが、やや左60mのPGを蹴り、右ポストに当たって失敗。
89分、オールブラックスが、ワラビーズゴール前に猛攻。右端で11番WTBブリッジがフリーになっているのを見て、中央ゴール前ラックから右にパスするも、待っていた14番WTBバレットの前に落ち、そこからワラビーズにターンオーバーされて、ノーサイド。

後半、オールブラックス8(1T1P)-ワラビーズ13(2T1P)。合計、オールブラックス16(2T2P)-ワラビーズ16(2T2P)。

オールブラックスのポゼッション(ボール保持)は37%、テリトリー(陣地を取って敵陣でプレーする)は36%と、ワラビーズが優勢にゲームを進めていた。また、両チームとも、DGで勝負を決めることをしなかったのが、意外だった。

オールブラックスでは、FLサム・ケーンが25タックルでディフェンスに貢献し、NO.8アーディ・サヴェアはブレイクダウンで仕事をした。また、WTBカレブ・クラークは、インパクトプレヤーとして結果を残した。

ワラビーズでは、LOマット・フィリップ、FLウィル・ハリソン、WTBマリカ・コロイベテ、WTBフィリポ・ダウグヌが、良い仕事をしていた。

オールブラックス監督イアン・フォスターのコメント:
「リエコは問題ない。テストマッチではエラーがある。彼は自信持ってプレーしているので、ここから学んでくれるだろう。そして、他の多くの良いプレーにも注目して欲しい」
「最後の10分間は勝つチャンスがあったが、それをうまく生かせなかった。テストマッチにはエラーがつきものだ。いくつかのエラーが起きたが、これかからもそれはあるだろう。たしかに、良くないことではあるが、それが引き分けた原因ではない」
「最後に引き分けになったのが、オールブラックスとしては苦々しく、残念だ。しかし、良い兆しも見えていると思う」

(SOリッチー・モウンガにDGを狙わせる選択肢もあったが、勝ち越しのトライを取りに行った。FWのピック&ゴーではなく、BKのパスを使う判断をした。しかし、ジョルディ・バレットがパスを取れず、ジェイムズ・オコナーが最後にタッチに蹴ってゲームは終わってしまったが、)
「チームには多くの意見があった。また準備はできていて、モウンガは(DG)のポジションにいた。そこで、ジョルディからのコールがあった。難しい判断だったが、ジョージ・ブリッジは(ディフェンスから)ノーマークだった」
「スキルの問題だろう。必要なところへボールを供給できなかった。それは痛みともなるが、テストマッチとは何かを教えてくれることになった。そして、こうした瞬間に良いプレーができなければ、自ずと結果は得られない」

「リース・ホッジのゴールキックは、素晴らしかった。ぐんぐん伸びていったので、70mは飛んだように感じた。私は、ネバーギブアップの気落ちを持っているが、(それがチームにも伝わって)このようなゲームができたと思う。チームには、良いチャンスがあったが、それを確実にできなかった」
「我々の流れにならず、ワラビーズの流れになっていた。ワラビーズには、キックから良い流れを与えてしまった。その結果、(チームは)多くのタックルを強いられた。チームのディシピリン(規律)を誇りに思う。良くやってくれた上に、ゲームを安定させた。いくつかのチャンスを作り出していたが、それを確実にできなかった」

「チームが後退したとは思わない。初戦を引き分けたが、後3試合(ワラビーズとの対戦)がある。この3試合でシンプルにベストを尽くして、2試合を勝つ(そうすれば、ブレディスローカップ保持となる)」
「(ブレディスローカップのゲームは)素晴らしいシリーズだ。皆が楽しめることを願っている。イーデンパークのゲームが待ち遠しい。我々は、仕事を全うするつもりだ。イーデンパークは、我々にとっては特別な場所なので、良いプレーができると思っている」

オールブラックスキャプテンのサム・ケーンのコメント:
「(DGについては)十分コミュニケーションが出来ていなかったと思う」
「しかし、モウンガもジョルディも(判断は)100%正しい。これらはテストマッチのハイライトになるチャンスを掴む場面だったが、他のチャンスは少ししかなかった」
「チームは、出し切り、勝とうとしたし、最後の場面で示した意志とプレー振りを誇りに思っている。決してゲームを切ろうとしなかったのだから。グランドにいる15人は、100%(勝てると)信じていた」
「このような試合の後となる、次の試合を楽しみにして欲しい」

【個人的見解】
ワラビーズには、勝ちに等しい引き分け、オールブラックスは負けに等しい引き分けでした。シーズン初戦とは言え、この結果は、オールブラックスとしては誠に物足りない、批判されて仕方ない結果です。

その中で、戦犯となるのは、やはりリエコ・イオアネでしょう。プレッシャーの少ない中でタッチラインを踏み、その後フリーでインゴールに入る際に、豪雨というボールを落としやすい天候を無視して、無用の片手ダイブをしてノッコンした、13番CTBリエコ・イオアネは、フォスター監督の擁護するコメントはありますが、オールブラックスとしての信頼を失ったとみて良いでしょう。また、13番のディフェンスが機能しない(コロイベテのトライ)ため、13番には、アントン・リエナートブラウンまたはジャック・グッドヒューを起用すべきです。さらに、俊足のボーデン・バレットが、アタックのみならずディフェンスでも不在だったのが影響したと思います。

今後のオールブラックスのBKはこんな感じになるのではないでしょうか。
12番:ナガニ・ラウマフィーまたはアントン・リエナートブラウン
13番:アントン・リエナートブラウンまたはジャック・グッドヒュー
11番:ジョージ・ブリッジ(ワラビーズ戦)
    カレブ・クラーク(スプリンボクス戦)
リエコ・イオアネ(アルゼンチン戦)
14番:ジョルディ・バレット(ワラビーズ戦及びスプリングボクス戦)
    ウィル・ジョーダン(アルゼンチン戦)
15番:ボーデン・バレット(ワラビーズ戦及びスプリングボクス戦)
    ジョルディ・バレットまたはダミアン・マッケンジー(アルゼンチン戦)
22番:ダミアン・マッケンジー(またはナガニ・ラウマフィー)
23番:ウィル・ジョーダン(またはセヴ・リース)

私が考えるとベストのBKは、
9番スミス、10番モウンガ、11番ブリッジ、12番リエナートブラウン、13番グッドヒュー、14番ジョルディ、15番ボーデン、22番マッケンジー、23番ジョーダン(クラーク)です。

また、FW3列のホスキンス・ソツツは、次第に先発に入れていくように思います。その場合は、サヴェアが6番になり、ソツツがNO.8に入るでしょう。20番のリザーブは、シャノン・フリッゼル(カレン・グレイス、ダルトン・パパリイ)です。

イーデンパークで、オールブラックスがスカッとしたゲームで圧勝してくれることを期待しています。

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