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<ラグビー>リーグワン5月28日3位決定戦、29日決勝、スーパーラグビーパシフィック5月24日、27日、28日、29日のそれぞれの結果から

 いつものラグビーとは関係ない話題で、今回は朝ドラ。
 このドラマは、いろいろな先行作品のパロディー的要素を多く含んでいると思う。主人公は、1970年代の『巨人の星』、『アタックナンバーワン』、『エースを狙え』などの、スポーツ根性ドラマの再現であり、長男は『男はつらいよ』の焼き直しだ。その一家のトラブルメーカーであることや、首に下げたお札、突然の家出と突然の帰宅など、いずれも「寅さん」のキャラクターそのものだ。

 さらに、長女の結婚話。彼氏と会う場所は、そのまま戦後アメリカ青春ドラマ(例えば『アメリカングラフティー』)に登場するドライブイン(レストラン)であり、長女の見合い話に彼氏は反対しない。しかし、24日に描かれた伏線では、それは本意でないことを示している。この結末は、もう『卒業』(この作品もそのストーリーをいくつかのハリウッド先行作品をリメイクしている)しかない。つまり、彼氏は長女の結婚式に突然現れて、長女を略奪し、東京(鶴見)に向かうというもの。かなりの確率でそうなると思うので、お楽しみに。

 以上を水曜日までに書いておいたら、もう木曜に結納となり、その場へ想定通りに彼氏が乗り込んできてハッピーエンドになった。また、その際に長兄が「俺の妹を大事にしろ」と言ったセリフは、もう寅次郎がさくらのために言ったセリフと同じで、この予想も当たったと自負しています。しかし、東京に逃避行するまではシナリオで想定しなかったようで、そこは外れでした。

 予想ついでに、第89回東京優駿(日本ダービー)の予想を。ただし、この原稿の掲載は日曜午後に予定しているので、結果も掲載します。
 私の27日(金)時点での予想は、ダービーはそれに相応しい名前の馬が勝つべきと思っているので、次の3頭の単勝を予想します。勝つと思っている順に書けば、ロードレゼル、ジオグリフ、プラダリア。戦績や血統、騎手などまったく考慮しないで選んでいますので、私の「超能力」?の結論です。さて、どうなるか。

 私の「超能力」は発揮されず、プラダリアが5着、ジオグリフが7着、ロードレゼルが14着でした。勝ったのは、大人気のアイドル騎手武豊の騎乗したドゥデュース。武豊のお父さん武邦彦が騎手だったときのことを知っているけど、お父さんは寡黙な職人肌の騎手だったな。時代が変わると騎手も変わるものです。騎手が、若い娘にキャーキャー言われて、芸能人と結婚するなんて想像も出来なかった。
 
 名騎手保田隆芳の引退のインタビュー、「大統領と言われたこともありました、馬鹿野郎と言われたこともありました・・・」は、大昔になってしまった。私は、福永洋一を越える天才騎手は、二度と出てこないと思っている。競馬の環境(時代)が違うからだ。寺山修司の感想を聞いてみたい。たぶん、山口瞳のように「僕らの好きだった競馬は、もうなくなってしまった」と言うのだろうか。

 ラグビーの話題も。
 ツールーズセヴンズで、ブラックファーンズセヴンズが優勝した。NZ男子は、複雑な規定により決勝トーナメントに出られない結果となり、非常に残念だったが、女子は見事に優勝した。これを契機に地元開催の女子WCでも優勝して欲しい。

1.リーグワン

5月28日3位決定戦

ブレイブルーパス東京15-23スピアーズ東京ベイ

 地力から見れば、ブレイブルーパス有利と見るが、SO対決ではスピアーズのバーナード・フォリーに分があるので、勝負はわからない。勝敗を握るのは、やはりFW戦だと思う。ワーナー・ディアンズ頑張れ!!

 ブレイブルーパスは、前半の出だしはスピアーズのアタックをシャットアウトする良いディフェンスと、相手のミスを突くアタックで良かったが、その後は、スピアーズにスクラムを中心とするセットプレーと強力なFWのオフロードパスで押され、前半は15-17とリードされる。ただし、SOバーナード・フォリーのGKが相変わらず不調だったので、ブレイブルーパスには逆転するチャンスがいくつもあった。

 後半は、5番LOワーナー・ディアンズの、トライを取られたら勝負が決まってしまう、45分の自陣ゴール前スピアーズボールのラインアウトのスティールや、49分の敵陣ゴール前でのフォリーに対するキックチャージで、味方にチャンスをもたらす活躍をする。しかし、いかんせんブレイブルーパスのプレーにミスが多く、65分のゴール前ラインアウトでミスするなど得点できない。

 しかし、流れはまだブレイブルーパスにあり、68分スピアーズ18番PRオペティ・ヘルにシンビンが出る(このプレー⦅判定⦆にはちょっと疑問があり、せいぜいPKで良いのではないかと思った)。ところが、その後のラインアウトでもミスを繰り返し、ブレイブルーパスは、6番FLシオネ・ラベマイの攻守にわたる奮闘にも関わらず、アタックを継続できない。

 結局、自滅に近いミス&PKでスピアーズに得点を離され、シンビンを有効活用することもできずに、エラーばかりが目立つゲームで負けた。

 スピアーズの勝因は、フォリーの不調にも関わらずスクラムを筆頭にしたセットプレーで圧倒したことと、ミスなくアタックを継続できたことに尽きると思う。つまり、ブレイブルーパスは3位となるにはチームが成熟しておらず、スピアーズは準決勝の敗戦を糧に良く立て直したということだろう。

 スピアーズが勝利したものの、MOMはブレイブルーパスのワーナー・ディアンズに挙げたい。彼のプレーぶりは、このミスばかりが目立ったエンターテイメントとは程遠いゲームの中で、ラグビーの面白さを良く伝えてくれる素晴らしいものだった。

5月29日決勝

東京サンゴリアス12-18埼玉ワイルドナイツ

 アタックのサンゴリアス対ディフェンスのワイルドナイツなんて寝ぼけたことを書いている人がいるが、全ての面でワイルドナイツが上。そもそも狭い日本の国内リーグにとどまることなく、フロントは世界を見据えているのが、その大きな違い。こういうチームが日本にもっと増えて欲しい。

 3位決定戦が、特にブレイブルーパスにミスが多くて(スピアーズのアタックが優れていたので勝ったのではなく)、ブレイブルーパスの自滅という、試合自体としては残念な内容だったの対して、さすがにこの決勝戦は、日本の国内リーグが世界に伍して高いレベルにあることを証明した、まるでティア1国同士のテストマッチのような内容の濃い、素晴らしいゲームだった。このような最上のエンターテイメントを見せてくれた両チームに感謝したい。

 試合は、入りの部分ではサンゴリアスが相手陣でのキックチャージから主導権を握ったものの、スクラムやラインアウトが安定せず、流れがワイルドナイツに逆転した。そして、ワイルドナイツは、セットプレーの相手ミスを突くとともに、本来はWTBとしてライン際からのランが仕事である11番マリカ・コロイベテを、再三再四ラックサイドからの突破で大きな効果を上げた他、本人もピック&ゴーで良いゲインを繰り返した。

 また、SO山沢拓也は、日本のファンタジスタらしい最高のプレーを見せてくれたが、ゴールキックが安定していなかったのが残念だった。もし2本のPGを決めていれば、もっと大差で勝利していただろう。また山沢が、39分にサンゴリアスFBダミアン・マッケンジーに対して見舞った、ゴール前でノッコンを誘ったトライセービングタックルは、この日のベストプレーであったと思う。

 それでも、前半を10-3で折り返しただけだったのは、サンゴリアスの底力があることの証明であり、また後半に入ってからは、4番LOヘンドリック・ツイのキックオフキャッチ、ラックサイド突破の奮闘をはじめ、スクラムとラインアウトを修正したのは見事だった。しかし、肝心のブレイクダウンでは、ワイルドナイツの7番FLラクラン・ボシアーに幾度もターンオーバーされ、アタックを継続できなかったのは致命的だった。

 特に後半70分、13-12の1点差リードの状況で、ワイルドナイツは自陣でサンゴリアスボールのスクラムとなるピンチを迎えたが、まるでこの時を図っていたかのように、きれいなPKを獲得したのは、ドラマチックな展開としか言えない感慨があった。そして、このPKをきっかけにして、72分に13番CTBディラン・ライリーの計算されつくした良いトライを挙げ、18-12と安全圏にリードを広げたのは、まさにゲームを知り尽くした15人によるプレーと言えよう。

 最後の2分間は、ワイルドナイツがボールキープして終わるのであれば、せっかくの最上のゲームに水を差すかと思われたが、サンゴリアスがターンオーバーし、ノーサイドまで攻め続けたのは、ゲームの終わりに相応しい良い場面だった。そして、このゲームの主役でもあった(MOMはコロイベテになったが)山沢のターンオーバーでゲームを終わらせたことは、よくできたドラマの締めくくりに相応しいものだった。

 結論を一言でいえば、ワイルドナイツのディフェンス勝ちということになるが、それだけではない、飯島均やロビー・ディーンズを中心とするワイルドナイツ首脳・経営陣の、世界を見据えたクラブ作りの成果を素直に認めるべきだろう。日本のクラブチームは、すべてワイルドナイツを手本にすべきであり、単純に良い選手を集めただけという評価は、評論家として木を見て森を見ない拙論でしかないと思う。

2.スーパーラグビーパシフィック

5月24日

モアナパシフィカ28-48フォース

 延期になったゲームなので、メンバーはお互いBチーム同士になると思う。それでも、モアナの勝利を期待したい。

 アタックの威力については、モアナの方がフォースより上だと思うが、いかんせんディフェンスのコミュニケーションが悪すぎる。人数はあっているのに対して、横の連絡をしていないから、トイメンを捨ててアタック1人に対して2人にタックルに行ったため、その結果捨てたトイメンにパスが行ってトライされているなど、実にもったいない。

 フォースはこれで準々決勝のベスト8入りに向けて、ハイランダーズにプレッシャーをかけることになったが、もし入ったとしてもブルーズとの対戦になりそうなので、そこから先への見通しは厳しいものがある。

 もっとも、ブルーズとしては、トニー・ブラウンが何か新しいことをやってきそうなハイランダーズよりは、フォースの方が戦い易いと思う。

5月27日

クルセイダーズ28-15レッズ

 クルセイダーズにとって、レッズは既に格下の存在。大黒柱のSOジェイムズ・オコナーに怪我の心配があるようだから、なおさらクルセイダーズの一方的なゲームになると思う。

 若手主体のクルセイダーズが、反則の多いパブロ・マテーラのシンビンで足を引っ張られたものの、順当にトライを重ねて勝利した。SOファーガス・バークは、かなり安定してきて、リッチー・モウンガのカバーを十分できることを証明した。プレーオフに向けて万全だろう。

5月28日

フィジードルア34-35チーフス

 チーフスは、おおざっぱに言えばドルアと似たタイプながら、さすがにセットプレーやFW戦でも戦えるので、総合力で当然チーフスが完勝できるゲーム。

 心配していたことが現実となり、チーフスが1点差でかろうじて勝利した。こういうゲームをしてしまうことがチーフスの弱点でもある。原因は、65分に35-13として勝利を確信し、スイッチを切ってしまったから。その後ドルアに、78分までに3連続トライをされ、34-35となってしまった。これはお粗末な終わり方のゲームだろう。

 その中でも良かったのは、怪我から復帰のLOブロディー・レタリックと、オールブラックスのSHの座を争っているブラッド・ウェバーだった。この2人は、確実にスコッド入りすると思う。

 負けたとはいえ、ドルアは毎試合で良いゲームをしているので、来シーズンはもっと脅威になると思う。少なくとも、オーストラリアのチームは簡単に勝てない相手になるのではないか。

モアナパシフィカ32-22ブランビーズ

 一応フォースよりブランビーズが格上なので、モアナはこちらにAチームをぶつけると思うが、それでもブランビーズが禁じ手のモールを使いまくって、トライする場面が連続する予感がする。これではスーパーなラグビーではないので、もっとエンターテインメントなラグビーをして欲しい。

 今週のNZ勢は、プレーオフを睨んで主力級を休ませて若手主体のチームになっている。一方のオーストラリア勢は、そんなことを言っていられないので、主力級を出している。そうした中で、プレーオフ出場は不可能となっているモアナが、まさに歴史的な大勝利を挙げた。これはスーパーラグビーの歴史で大変に喜ばしいものになった。

 開始10分に、モアナは危険なタックルでレッドカードを出されたが、スーパーラグビーの試行ルールのおかげで20分だけの1人足りない状態で済んだ。しかも、15人対14人のときに、ブランビーズが得意とするモールでトライを取ったのは、相手に対するダメージが大きかったと思う。また、BKを使った良いトライもあった。
 
 一方ブランビーズは、シンビンを続けて2枚出される劣勢となり、さすがに15人対13人ではディフェンスにも穴が開き、モアナがモールからのトライとラン&パスを屈指した優れたトライでリードしたのが勝因となった。

 ブランビーズは、既にプレーオフ上位進出が決まっているものの、この試合の心理的なダメージはかなりあるのではないかと思う。少なくとも、ブランビーズのラグビーでは、NZ勢に通用しないことを思い知らされたのではないか。

ワラターズ17-20ブルーズ

 ワラターズはレッドカードに救われてハイランダーズに勝利できたが、さすがにブルーズ相手にはどうやっても歯が立たないだろう。ブルーズの圧勝!

 しかし、ブルーズはプレーオフを見越して主力を休ませた一方、SOには今年にスーパーラグビーにデビューしたばかりの、前クリケットのU20代表だった21歳のジョック・マッケンジーを起用した。これだけでも冒険なのに、全体を若手主体にしたレオン・マクドナルド監督の英断に敬意を表したい。

 そして、主力を出して必勝態勢のワラターズに対して、ブルーズの若手は、35分にシンビンを2人出す劣勢の中で良く耐えた。その結果、57分までに14-3とリードしたものの、74分からワラターズに逆襲され、78分には17-17の同点となってしまった。当然、勢いはワラターズだったが、81分、ブルーズはFBザーン・サリヴァンが図ったようなDGを見事に決めて、20―17と劇的な勝利を挙げた。

 この勝利はブルーズのみならず、オールブラックスにも良い影響を与える素晴らしいものになったと思う。ジョック・マッケンジーは、ゴールキックも良く決めており、NZにまた一人世界レベルのSOが誕生したように思う。

フォース27-22ハリケーンズ

 調子を上げてきたハリケーンズにとって、フォースは与しやすい相手。しかも、延期になったモアナとの試合が24日にあるため、この日にベストメンバーをそろえるのは難しくなった。ハリケーンズが圧勝して欲しい。

 ハリケーンズは、Bチーム主体でアウェイゲーム&NZに厳しいレフェリーのアンガス・ガードナーという悪条件ながら、十分勝てた試合だった。特に、FBジョシュア・モービーは素晴らしいアタックを見せていたのが、特筆される。一方WTBサレシ・ラヤシは、アタックは素晴らしいものの、ディフェンスではフォースにやすやすとトライされるなど、疑問が多く、これではオールブラックス入りは難しいだろう。

 プレーオフ入りが無理なフォースは、最後のホームゲームということで必死だったのに対し、ハリケーンズはプレーオフ入りを決めて安心したのか、どこか捨てゲームのような雰囲気だった。それがそのまま5点差の負けにつながったと思う。そして、このたるんだ雰囲気は、プレーオフにも影響するのではないかと心配になった。

5月29日

レベルズ31-30ハイランダーズ

 レッドカードでワラターズに勝てる試合を落としてしまったハイランダーズだが、ここは順当に勝利を収めたい。

 ハイランダーズは、このゲームで勝利することが必要だったが、フォースの勝ち点が伸びなかったことで、大敗しない限りはプレーオフ入りできることとなったため、プレッシャーは軽減されたと思う。

 そして、気楽にプレーできた結果か、65分まで30-26とリードして、勝利を目指していたものの、73分にトライを挙げられ、30-31と逆転されてしまったのは残念だった。それでも、フォースと勝ち点で並び、得失点差で大きく引き離して、ベスト8入りが決まった。

3.スーパーラグビーパシフィック、プレーオフの組み合わせ

6月3日
 クルセイダーズ対レッズ
6月4日
 チーフス対ワラターズ
 ブルーズ対ハイランダーズ
 ブランビーズ対ハリケーンズ

 クルセイダーズ、チーフス、ブルーズは、チーフスが少し心配だが、なんなく準決勝に進めると思う。しかし、敵地でプレーするハリケーンズは、ブランビーズに負ける可能性がある。ここは準決勝をNZチームで独占するためにも、ハリケーンズの奮闘を期待したい。


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