見出し画像

《借金まみれのNBA!?》リーグが取り組む新たな収益源確保への取り組み

最近某大手総合商社から脱サラし、スポーツテック会社スポヲタ社に転職した桑名です。スポーツには幼少期から大学まで運動部(バスケ部・ラクロス部)に所属し、スポーツを通じて本当に多くの経験・学び・成長を得たと感じており、自身の人格・精神性の70%くらいはそこで育まれたものと感じています(今の自分が大丈夫かというのはさておき。。)

そんな自分として微力ながら何らかの形でスポーツ界へ恩返しが出来ればとの思いからスポヲタ社に転職したものの、スポーツ業界に関しての知識がまだまだ不足しており、自身の勉強も兼ねて今後海外の最新事例や取り組み、News等をご紹介していければと思っております。

初回は、米国で猛威を振るうコロナにより、収益減少に苦しむNBAでの取り組みを紹介させて頂きます。

1. NBAリーグ支援金
NBAはパンデミックによって前シーズン無観客でチケット収入が大幅に落ち込んだ影響を受け、資金不足に喘ぐチームへの対応策として各チームに3000万ドル(総額9億ドル=約900億円)もの支援金を分配することを公表した。

支援金の原資となる9億ドルは全額リーグ発行の社債で調達し、引受先は大手保険会社やその他の機関投資家とのこと。またNBAはこれまでも定期的にチームに現金を分配してきたが、社債で資金調達を行ったのは今回が初めてとなり、それだけ今回のパンデミックが引き起こした影響は大きかったと言える。

画像3

ワクチンが開発されたとはいえ、配布が来春頃の予定となる中、多くのチームは少なくとも2020-21シーズンのプレシーズン開幕後(12/22〜)、最初の数ヶ月間は無観客・一部観客動員での試合開催方針を発表しており、収入の約40%を占めるチケット収入減によるチーム財務状況の悪化に対して、今回のリーグ支援金が果たす役割は大きいのではないか。

各チームは2020年12月中には3,000万ドルを受け取ると予想されており、チームは組織内のあらゆる用途に資金を活用することができる柔軟な支援となる。

2. NBAの収益実績・新たな収益源確保への取り組み

ESPNによると、パンデミックにより、NBA収益の約40%を占めるチケット収入が大幅に減少した為、2019-20シーズンの収益は前年比10%減の83億ドルになり、リーグ全体では15億ドルの赤字となった。来シーズンもチケット収入の回復には時間がかかる可能性が高く、チームは引き続き苦しい状況に立たされており、リーグはチーム支援の一環として、ベッティングやハードリキュールの販売ルールを緩め、チームの売上増を支援する取り組みを積極的に進めている。

画像5


特に、昨シーズンNBAコロナ感染対策として隔離された施設(ディズニーのバブル)で全チームの試合を開催した際に、新たなスポンサー収益を得る為にコート周りにLED看板等を設置し、合計で約USD11M(約11億円)のスポンサー露出価値を得たとされる。

画像4


チーム支援策の一環として、12月22日に始まった2020-2021シーズンでは、各チームのアリーナで同様の取り組み(デジタル看板等の設置)ができる様にリーグ関係者内での議論が進められており、米国スポーツ調査会社Navigate社の試算によると、リーグ全体で本施策が導入された際の広告効果はUSD200M~USD350M(約200億円〜350億円)とされており、落ち込んだチケット収入・スポンサー収益を補う新たな収益源として期待されている。

新規スポンサー広告掲載箇所例

画像5

画像5

日本でも足元コロナの感染拡大が進んでおり、観客動員基準が今後より厳格化される可能性もある中、落ち込んだチケット収入を補う新たな収入源確保に向けた新たな施策を、いちファンとしても期待したい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?