「初めての人生の歩き方」(有原ときみとぼくの日記)第23房:仕事していないのに忙しい

 有原くんは現在働いていない。
 それなのにnoteの更新ができないほどに忙しい。
 朝から晩までなにかしら動き回っている。
 いったい彼はなにをしているのだろうか。

・28日(木)
 寝坊して就労移行支援へ向かう。今月で辞める事を伝える。その夜に近所の行きつけのバーでボランティアのお手伝いをする。

・29日(金)
 通っている心理学講座のレポート。ホームセンターにマジック用の鎖を買いに行く。そのまま昨夜お手伝いしたお店で仕込みの見学。そのまま夜まで飲む。常連のお客さんにバーに誘われたけど断って、友達のゲイと飲む。

・30日(土)
 掃除。その後弁護士事務所へ行き、障害年金の申請を取り下げる。自分で生きると決めたんだ。電車の中で西成にあるあいりん総合センターが塀さされることをしり急遽一人で向かう。すごい光景の中なんとか散策終了。その夜友達の家で飲み会初参加。基本大人数は苦手だけど、頑張った。深夜にタクシーで帰宅。

・31日(日)
 昔のバイト先の人とランチ。みんなすごく大人になっていて内心めちゃくちゃ焦る。そのまま大阪城公園へ。一人で何時間もぼんやりと過ごす。寂しくて泣いた。頭が割れそうになった。寂しいってすごい。その後昔働いていたお店で軽く飲んで、帰宅。

 そして、今。

 最近の有原くんは荒れていた。
 お酒は飲むわ、せっかく辞めていたタバコはまた再開するわでもうロクなんじゃない。彼女とは大ゲンカしてもう終わりかけていた。
 破壊衝動。
 そんな数日間だった。

 ただ、彼は踏みとどまった。酒もたばこもゴミ箱に捨て直した。確かに一瞬、破壊衝動に操られて駄目になりかけたけど、彼は昔のように最後まで突っ走ることをしなかった。

 幸せになりたい。

 いや、本当は気づいている。彼はすでに幸せだということに。

 荒れてもいい。
 破壊してもいい。
 少し休憩して、また歩けばいいんだ。
 自分の人生は自分で決める。
 俺は自己中心ではなく、誰とどうやって生きていくのを決めることだ。

 彼は決めた。
 幸せだと決めた。

 もうじっとしているのは疲れた。
 動こう。
 32歳。
 確かに人より10年ぐらい遅かったかもしれないが、大丈夫。
 今から立ち上がろう。
 まずはバイトだ。
 怖くなんてないよ。
 だって、有原くんには常に傍にいる見方がいるから。

 それは自分。

 そして愛しる人。

 頑張ろう。
 人生はすべて思い通りになる。
 そう決めたから。

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