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「初めての人生の歩き方。――毎晩彼女と君にラブレターを」第388話:子供を思い、親を思う。

「君が君の両親を取り扱うように、やがて君の子供は君を取り扱う」タレス


 僕はどちらかというと、両親のことがあまり好きじゃないと思っている。嫌いではないのだが、これと言っても好きでもなく、それは過去放任されて育ったからかもしれないし、単に僕の勘違いかもしれない。

 今日、お昼ご飯を食べているときに娘が言った。
「パスタがパサパサして食べられない」
 僕はその瞬間、腹が立った。
 娘はその前にお菓子を食べていたのだ。「それ食べてもお昼食べられる?」と再三確認もした。そして彼女が作ってくれた昼食をテレビを見ながらダラダラ食べていたので途中から消して早く食べなさいと言った矢先だった。

「パスタが固いのは、テレビを見て食べるのが遅くなったからじゃないのか? それならもう食べなくていい」

 僕は娘の皿を取り上げて、残り少なくなったパスタを二口三口で頬張った。

「なにかいうことはない? もしかして、食事が出てくるのが当たり前だと思ってない? 誰が作っていると思ってんの?」

 娘は泣きながら謝った。

 それから数時間の間、僕の心にはずっとざわざわとしてしこりがあった。それは娘に謝るまで心に在留していたのだが、今思えば、あの時の僕の怒りは自身の両親の言葉そのまんまなんじゃないだろうか。

 両親に言われた常識が凝り固まってできたのが僕だ。

 僕は今、親との関係は良好だと思っている。しかし、どうしてもどこか越えられないか壁がある。もちろん、尊敬している。それでも、僕が自身の子を欲しくない理由は、きっと血にあると思っているのだ。

 今の娘は彼女の連れ子で、だから僕は愛せると思っている。もし、自分の血が、そう、あの両親の血が流れている子供だとしたら、僕は果たして愛せるのだろうか。

 そんなことを思いながら、娘と一緒にお風呂に入って子供のように遊んでいると、ふと、いつか僕が年を取ったときに、この子がどのような大人になるのかは、この日々の些細な積み重ねなんだと改めて考えた。

 娘の人生は、娘のものだ。
 そしてそれは自身も同じで、僕の人生は、僕のものなのだ。

 生きるという洗脳の柵の向こう側に、きっとまだ見たこともない美しい景色が広がってる。
 そんな気がする。
 だから僕はこれからも生きていこうと思うのです。

真夜中に、

そっと君にキスをする。

それなのに、

君は怒ることなく、

ただふにゃふにゃという。

耳もとで

「愛してるよ」

と囁けば、

うるさそうな顔を一切せずに、

ほんの小さな声で

「愛してるよ」

と返してくれる。

僕は、

そんな君を心から尊敬しているし、

そんな君が心から好きだ。

いつまでも一緒にいたい。

僕の願いは、

ただそれだけなんだ。

心より愛を込めて。

初めての人生、君は今日たくさん怒られたね。

でもそのあと、すぐにケロッとしてスライムを楽しそうに作っていた君を見て、

僕は本当にすごいなと心から思ったんだ。

君はぼくなんかより、

よっぽど強いし、

人生の楽しみ方を知っている。

どうか忘れないで。

例え周りが何を言おうと、

忘れないでほしいんだ。

僕と

彼女は

なにがあっても君の味方だよ。

明日も思いっきり冒険しておいで。

今年も、残り328日。

またね。

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